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News Up なぜすすまない 水道すいどうかんの「鉛管えんかん撤去てっきょ

2016-10-27 11:07:08

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わたしたちの生活せいかつかせないみずおくってくれる水道すいどうかんは、全国ぜんこくてき老朽ろうきゅうなどおおくの問題もんだいかかえています。その問題もんだいのひとつが、あまりられていませんが「なまり」です。家庭かていなどで使つかみずに、地域ちいきによっては微量びりょうなまりしている可能かのうせいがあるとして、対策たいさくすすめられています。なぜそのようなことがきているのでしょうか。
わたしたちが利用りようしているみずは、浄水じょうすいじょうなどで浄化じょうかされたあと、自治体じちたいもうけている水道すいどうかんとおり、最後さいごかく世帯せたい水道すいどうかんから水道すいどう引き込ひきこむための給水きゅうすいかんばれるかん枝分えだわかれしてながれてきています。
問題もんだいとなっているのは、このみず最後さいごとお給水きゅうすいかんです。地質ちしつなどに対応たいおうして折り曲おりまげるなど加工かこうがしやすいことや、サビなどの経年けいねん劣化れっかつよいこと、それに素材そざい統一とういつすることで災害さいがい復旧ふっきゅう迅速じんそく対応たいおうできることなどから、給水きゅうすいかん素材そざい長年ながねんなまり使用しようされていたのです。なまりせい給水きゅうすいかんは「鉛管えんかん」(えんかん)とばれています。この鉛管えんかんから水道すいどうすこしずつなまりしているおそれがあるのです。

なぜ水道すいどうなまりが?

わたしたちが利用りようしているみずは、浄水じょうすいじょうなどで浄化じょうかされたあと、自治体じちたいもうけている水道すいどうかんとおり、最後さいごかく世帯せたい水道すいどうかんから水道すいどう引き込ひきこむための給水きゅうすいかんばれるかん枝分えだわかれしてながれてきています。
問題もんだいとなっているのは、このみず最後さいごとお給水きゅうすいかんです。地質ちしつなどに対応たいおうして折り曲おりまげるなど加工かこうがしやすいことや、サビなどの経年けいねん劣化れっかつよいこと、それに素材そざい統一とういつすることで災害さいがい復旧ふっきゅう迅速じんそく対応たいおうできることなどから、給水きゅうすいかん素材そざい長年ながねんなまり使用しようされていたのです。なまりせい給水きゅうすいかんは「鉛管えんかん」(えんかん)とばれています。この鉛管えんかんから水道すいどうすこしずつなまりしているおそれがあるのです。

くに鉛管えんかん使用しよう禁止きんししたが

なまりどもや妊婦にんぷ吸収きゅうしゅうしやすく、長期ちょうきかん大量たいりょう摂取せっしゅするととくどもの場合ばあい視覚しかく聴覚ちょうかくなどに影響えいきょうるとわれています。このためくには、平成へいせい元年がんねん鉛管えんかんあらたに設置せっちすることを禁止きんししていて早期そうき鉛管えんかん使用しようをゼロにするという目標もくひょうかかげています。
しかし、おととし3月さんがつまつ時点じてんいちはち府県ふけん鉛管えんかん使つかっている世帯せたいいちぜろ%をえ、撤去てっきょすすんでいないことが、日本にっぽん水道すいどう協会きょうかい統計とうけい浮き彫うきぼりになっています。
このうち香川かがわけん全国ぜんこく平均へいきんのおよそなな%をおおきく上回うわまわるおよそさんなな%と、全国ぜんこくもっとたか結果けっかとなりました。香川かがわけんではいまだ、やくいちよんまんろくぜろぜろぜろ世帯せたい鉛管えんかん使用しようされつづけています。さらに、さぬきなど県内けんないよっつの自治体じちたいでは、関係かんけいする資料しりょうのこっていないことなどから鉛管えんかん使用しよう実態じったいかっていません。
全国ぜんこくでもいちよんぜろぜろあまりの水道すいどう事業じぎょうしゃのうち、やくぜろ事業じぎょうしゃ実態じったい把握はあくできていないのが現状げんじょうです。

おくれの背景はいけいに「個人こじん財産ざいさん

なぜ、鉛管えんかん撤去てっきょすすまないのか。その背景はいけいには、鉛管えんかん設置せっちされている場所ばしょおおきく関係かんけいしています。鉛管えんかんもうけられている給水きゅうすいかん部分ぶぶんは、個人こじん住宅じゅうたく敷地しきちないがほとんどで、住民じゅうみんの「個人こじん財産ざいさん」とされているのです。かり鉛管えんかん使用しようされていても、自治体じちたい交換こうかんうながすことはできても交換こうかん費用ひよう全額ぜんがく負担ふたんすることはできないのです。
自治体じちたいなかでは、交換こうかん費用ひよう一部いちぶ助成じょせいする制度せいどもうけていますが、交換こうかんにはすうじゅうまんえんかかるとされ、「えない危険きけん」に住民じゅうみん対応たいおうさきばしにしている現状げんじょうがあります。
香川かがわけん高松たかまつでは、鉛管えんかん残存ざんそん世帯せたいやくきゅうまん世帯せたい残存ざんそんりつではぜん世帯せたいやく半数はんすうめていますが、高松たかまつ市民しみんったアンケート調査ちょうさでは、自宅じたく鉛管えんかん使つかわれているかどうか把握はあくしていない世帯せたいやく半数はんすうで、交換こうかんのための助成じょせい制度せいどっていたのは、やくわりにとどまっていました。鉛管えんかんに関にかんする認知にんちひくさも浮き彫うきぼりになっています。

自治体じちたいによっては独自どくじ取り組とりくみも

NHKえぬえいちけい全国ぜんこく鉛管えんかん残存ざんそんりつたか自治体じちたいなどを取材しゅざいしたところ、自治体じちたいによっては独自どくじ実態じったい把握はあく交換こうかんすすめる取り組とりくみをおこなっていました。
鉛管えんかん残存ざんそんりつ全国ぜんこく平均へいきんなな%)をおおきく上回うわまわ三重みえけん伊勢いせいち%)や福岡ふくおかけん大牟田おおむたはち%)では、職員しょくいん鉛管えんかん使用しよう可能かのうせいのある世帯せたい出向でむき、実際じっさいいちけんいちけん確認かくにんすすめる地道じみち作業さぎょうつづけて実態じったい把握はあくしたほか、静岡しずおかけん島田しまだでは民間みんかん企業きぎょう委託いたくして実態じったい調査ちょうさすすめていて、今年度こんねんどちゅう調査ちょうさえる予定よていとなっています。
また富山とやまけん小矢部おやべでは、「個人こじん財産ざいさん」とされているかく世帯せたい給水きゅうすいかん住民じゅうみんから「寄付きふ」をけるというかたちをとることで、自治体じちたい全額ぜんがく負担ふたんして鉛管えんかん交換こうかん工事こうじすすめています。

アメリカでも鉛管えんかん問題もんだい

こうした鉛管えんかん問題もんだい日本にっぽんかぎったことではありません。アメリカのミシガンしゅうのフリントでは、鉛管えんかんからみずたか濃度のうどなまりしたことが原因げんいんで、どもなどを中心ちゅうしん健康けんこう被害ひがい報告ほうこくされ、ことし1月いちがつにオバマ大統領だいとうりょうが「緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん」をしています。アメリカでも上水道じょうすいどう鉛管えんかんおお使つかっていたものの交換こうかんすすんでいません。
とくにフリントでは、財源ざいげん不足ふそく背景はいけい処理しょり不十分ふじゅうぶんみず鉛管えんかんとおったことでたか濃度のうどなまりしたとられています。
ただし専門せんもんは、日本にっぽんとアメリカでは水質すいしつ基準きじゅんことなっているので鉛管えんかんによる健康けんこう被害ひがいとして「単純たんじゅん比較ひかくむずかしい」とはなしています。

鉛管えんかん」は水道すいどうかかえるおおくの問題もんだいひと

みず安全あんぜんせいなどを研究けんきゅうする京都大きょうとだいがく大学院だいがくいん伊藤いとう禎彦よしひこ教授きょうじゅは、「日本にっぽんでは、これまでに鉛管えんかんからなまりして健康けんこう被害ひがいがあったという報告ほうこくはないのではないか」と指摘してきしたうえで、「上水道じょうすいどうはさまざまなインフラのなかもっとはや整備せいびすすめられたことから、破裂はれつなどにつながる水道すいどうかん老朽ろうきゅう職員しょくいん高齢こうれいなど、鉛管えんかんだけではないおおくの問題もんだいがインフラのなか先端せんたんをきって顕在けんざいしてきている。全国ぜんこく水道すいどう事業じぎょうたい鉛管えんかん交換こうかん必要ひつようせい十分じゅうぶん理解りかいしており、鉛管えんかん問題もんだいは、やるべきことのひとつではあるとおもうが、げん段階だんかいで、鉛管えんかん交換こうかん優先ゆうせんしてやるべきとまではいえない」とはなしています。
人口じんこう減少げんしょうなどにともない、いのちのライフライン、水道すいどうおおくの課題かだいかかえるなかで、どのように効率こうりつてきに「鉛管えんかん」の交換こうかんすすめていくか。かんがえる時期じきています。            
ソース:NHK ニュース