Show Furigana
鳥取中部地震1週間 生活再建や復興支援加速へ
2016-10-28 10:14:09

鳥取県中部で最大震度6弱の激しい揺れを観測した地震から28日で1週間になりました。今も300人を超える人が避難所での生活を続けているほか、これまでに確認された農林水産業の被害が7億円を超え鳥取県などは、生活の再建や復興支援の動きを加速させることにしています。
今月21日に鳥取県中部を震源とする地震で倉吉市と湯梨浜町、それに北栄町で震度6弱の激しい揺れを観測してから28日で1週間になります。
建物の被害は住宅を中心に3145棟に上り、28日午後5時現在で、4つの市と町の避難所で合わせて388人が避難生活を続けています。
28日までに、公的な支援を受けるのに必要な「り災証明書」の申請の受け付けが、6つの市と町で始まったほか、倉吉市が、28日から避難所での生活を続けている人に今後の住まいの希望の聞き取りを始めるなど、生活の再建に向けた動きが進められています。
一方、これまでに確認された農林水産業の被害が収穫期を迎えた特産の梨や、選果場や加工施設など7億円に上るほか、宿泊施設の予約のキャンセルが28日現在でのべ1万1000人余りになるなど、産業への影響も明らかになってきています。
鳥取県や被災した自治体は、り災証明書の発行など被災した人たちの生活再建や産業などの復興支援の動きを加速させることにしています。
建物の被害は住宅を中心に3145棟に上り、28日午後5時現在で、4つの市と町の避難所で合わせて388人が避難生活を続けています。
28日までに、公的な支援を受けるのに必要な「り災証明書」の申請の受け付けが、6つの市と町で始まったほか、倉吉市が、28日から避難所での生活を続けている人に今後の住まいの希望の聞き取りを始めるなど、生活の再建に向けた動きが進められています。
一方、これまでに確認された農林水産業の被害が収穫期を迎えた特産の梨や、選果場や加工施設など7億円に上るほか、宿泊施設の予約のキャンセルが28日現在でのべ1万1000人余りになるなど、産業への影響も明らかになってきています。
鳥取県や被災した自治体は、り災証明書の発行など被災した人たちの生活再建や産業などの復興支援の動きを加速させることにしています。
388人が避難(28日午後5時現在)
NHKが鳥取県内の各自治体に問い合わせたところ、28日午後5時現在で、4つの市と町で合わせて388人が避難しています。
倉吉市では18か所に避難所が設けられ、このうち15か所に合わせて323人が避難しています。
また、北栄町では3か所に合わせて28人が、湯梨浜町では2か所に合わせて27人が、三朝町では1か所に10人がそれぞれ避難しています。
倉吉市では18か所に避難所が設けられ、このうち15か所に合わせて323人が避難しています。
また、北栄町では3か所に合わせて28人が、湯梨浜町では2か所に合わせて27人が、三朝町では1か所に10人がそれぞれ避難しています。
被害の状況(28日午後3時現在)
28日午後3時現在でわかっている鳥取県内の被害の状況です。
鳥取県によりますと、1週間前の地震によるけがや体調不良で、県内7つの自治体で合わせて18人が医療機関で手当てを受けました。
このうち倉吉市では、道路工事をしていた60代の男性作業員が落ちてきた石に当たるなど、9人がけがをしました。
北栄町では老人福祉施設や認定こども園などで4人がけがをして治療を受けました。
このほか、鳥取市と境港市、岩美町、三朝町、琴浦町で、それぞれ1人がけがをしました。
住宅の被害は2649棟に上っています。
倉吉市が1835棟と最も多く、次いで三朝町が643棟、北栄町が85棟、湯梨浜町が61棟、琴浦町が19棟、鳥取市が6棟となっています。
このほか、公共施設や商業施設などの496の建物で壁のひび割れなどの被害が報告されています。
農林水産業は、収穫期を迎えた特産の梨が落下したほか、選果場や加工施設が破損するなどして、被害額は7億600万円余りに上っています。
道路や河川などの土木施設も101か所で被害が確認され、被害額は合わせて11億5800万円余りに上っています。
さらに、国の重要文化財でも8件の被害が出ています。
三朝町の「三徳山三仏寺」では、「文殊堂」の土台の岩に亀裂が入り、建物を支える柱2本が浮いた状態になっています。
大山町の「大山寺」では「銅造観世音菩薩立像」が倒れて首の部分が折れました。
倉吉市の倉吉博物館では、所蔵する「脚付子持壷形須恵器」の1つが落下して割れ、湯梨浜町の「尾崎家住宅」では、蔵の壁が落ちるなどの被害が出ました。
鳥取県によりますと、1週間前の地震によるけがや体調不良で、県内7つの自治体で合わせて18人が医療機関で手当てを受けました。
このうち倉吉市では、道路工事をしていた60代の男性作業員が落ちてきた石に当たるなど、9人がけがをしました。
北栄町では老人福祉施設や認定こども園などで4人がけがをして治療を受けました。
このほか、鳥取市と境港市、岩美町、三朝町、琴浦町で、それぞれ1人がけがをしました。
住宅の被害は2649棟に上っています。
倉吉市が1835棟と最も多く、次いで三朝町が643棟、北栄町が85棟、湯梨浜町が61棟、琴浦町が19棟、鳥取市が6棟となっています。
このほか、公共施設や商業施設などの496の建物で壁のひび割れなどの被害が報告されています。
農林水産業は、収穫期を迎えた特産の梨が落下したほか、選果場や加工施設が破損するなどして、被害額は7億600万円余りに上っています。
道路や河川などの土木施設も101か所で被害が確認され、被害額は合わせて11億5800万円余りに上っています。
さらに、国の重要文化財でも8件の被害が出ています。
三朝町の「三徳山三仏寺」では、「文殊堂」の土台の岩に亀裂が入り、建物を支える柱2本が浮いた状態になっています。
大山町の「大山寺」では「銅造観世音菩薩立像」が倒れて首の部分が折れました。
倉吉市の倉吉博物館では、所蔵する「脚付子持壷形須恵器」の1つが落下して割れ、湯梨浜町の「尾崎家住宅」では、蔵の壁が落ちるなどの被害が出ました。
1人暮らしへの不安 避難続ける
鳥取県中部で起きた地震のあと、避難所で生活を続ける人たちにNHKが聞き取り調査をしたところ、地震への懸念や1人暮らしへの不安などがあって避難を続けているという声が多く聞かれました。
NHKは、26日と27日の2日間、避難者の多い倉吉市と北栄町、それに湯梨浜町の合わせて13か所の避難所で聞き取り調査を行い、20代から90代の男女53人から回答を得ました。
回答した人のうち、65歳以上の高齢者は42人、1人暮らしの人は27人です。
避難生活を続けている理由を複数回答で尋ねたところ、「余震が怖い」が29人、「1人暮らしのため不安」が21人、「自宅に物が散乱している」が15人、「自宅が全壊もしくは半壊したため入れない」が7人でした。
また、地震の前と比べて体調はどうか尋ねたところ、「体調が悪い」が24人、「一時体調が悪くなったが、今は回復しつつある」が8人、「変わらない」が21人でした。
「体調が悪い」と答えた人からは「余震が来るたびに目が覚めて眠れない」とか「気温の差が激しくてかぜをひいた」といった声が聞かれました。
さらに不安に思っていることを尋ねたところ「余震がいつまで続くのか不安だ」という声が多く、また、「余震で住宅にさらに被害がでるのではないか」とか「賃貸住宅なので新しい住宅を確保できるか」といった住まいに関する不安の声も多く聞かれました。
鳥取県倉吉市の避難所で避難生活を続けている入江政夫さん(83)は、今月21日の地震で、自宅のタンスが倒れるなどの被害を受けました。おととし妻が亡くなったあと1人暮らしで、地震のあとは日中は家の片づけをして、夜は駐車場にとめた軽乗用車で寝泊まりしていました。
ところが、その後も地震が相次ぎ、そのたびに目が覚めて眠れない日が続いたため、地震から3日後の今月24日に避難所に避難しました。
入江さんは「1人で過ごしていると不安におそわれて怖かったです。避難所には人が大勢いて、雰囲気もよいので安心しました」と話していました。
入江さんは避難所で生活するようになってから、夜も安心して眠れるようになり、一時的に高くなっていた血圧も元に戻りつつあるということで、地震が続く間は、避難所にとどまりたいと考えています。
入江さんは、「気持ちの切り替えがすぐにはできないでの、もう少し避難所にいさせてもらいたいです」と話していました。
NHKは、26日と27日の2日間、避難者の多い倉吉市と北栄町、それに湯梨浜町の合わせて13か所の避難所で聞き取り調査を行い、20代から90代の男女53人から回答を得ました。
回答した人のうち、65歳以上の高齢者は42人、1人暮らしの人は27人です。
避難生活を続けている理由を複数回答で尋ねたところ、「余震が怖い」が29人、「1人暮らしのため不安」が21人、「自宅に物が散乱している」が15人、「自宅が全壊もしくは半壊したため入れない」が7人でした。
また、地震の前と比べて体調はどうか尋ねたところ、「体調が悪い」が24人、「一時体調が悪くなったが、今は回復しつつある」が8人、「変わらない」が21人でした。
「体調が悪い」と答えた人からは「余震が来るたびに目が覚めて眠れない」とか「気温の差が激しくてかぜをひいた」といった声が聞かれました。
さらに不安に思っていることを尋ねたところ「余震がいつまで続くのか不安だ」という声が多く、また、「余震で住宅にさらに被害がでるのではないか」とか「賃貸住宅なので新しい住宅を確保できるか」といった住まいに関する不安の声も多く聞かれました。
鳥取県倉吉市の避難所で避難生活を続けている入江政夫さん(83)は、今月21日の地震で、自宅のタンスが倒れるなどの被害を受けました。おととし妻が亡くなったあと1人暮らしで、地震のあとは日中は家の片づけをして、夜は駐車場にとめた軽乗用車で寝泊まりしていました。
ところが、その後も地震が相次ぎ、そのたびに目が覚めて眠れない日が続いたため、地震から3日後の今月24日に避難所に避難しました。
入江さんは「1人で過ごしていると不安におそわれて怖かったです。避難所には人が大勢いて、雰囲気もよいので安心しました」と話していました。
入江さんは避難所で生活するようになってから、夜も安心して眠れるようになり、一時的に高くなっていた血圧も元に戻りつつあるということで、地震が続く間は、避難所にとどまりたいと考えています。
入江さんは、「気持ちの切り替えがすぐにはできないでの、もう少し避難所にいさせてもらいたいです」と話していました。
屋根にシート張る作業 順番待ちの状態に
1週間前の地震で多くの住宅が被災した鳥取県倉吉市では、ボランティアの人などが壊れた住宅の屋根にシートを張る作業を進めていますが、依頼が多く、順番待ちの状態となっています。
倉吉市に設けられたボランティアセンターには、壊れた住宅の屋根にシートをかけてほしいという依頼が27日までに450件余り寄せられています。
鳥取県内や県外から集まった建設業者などのボランティアが対応していますが、人手が足りず、これまでに作業が完了したのは3割程度にとどまっています。
作業を依頼した1人暮らしの70歳の女性の住宅には、依頼から5日たった27日、ようやく5人のボランティアが訪れました。
ボランティアの人たちは、屋根にのぼって割れた瓦などを片づけたあとシートをかぶせ、風で飛ばされないよう木材や土のうで固定していました。
依頼した女性は、「1人ではどうすることもできなかったので、来てもらって本当に助かります。ようやく安心できました」と話していました。
ボランティアセンターによりますと、シートを張ってほしいという依頼は現在も1日に50件以上寄せられていますが、対応できるのは1日に10件から20件程度だということで、センターでは今後、ボランティアを増やし、できるだけ早く作業を終えたいとしています。
倉吉市に設けられたボランティアセンターには、壊れた住宅の屋根にシートをかけてほしいという依頼が27日までに450件余り寄せられています。
鳥取県内や県外から集まった建設業者などのボランティアが対応していますが、人手が足りず、これまでに作業が完了したのは3割程度にとどまっています。
作業を依頼した1人暮らしの70歳の女性の住宅には、依頼から5日たった27日、ようやく5人のボランティアが訪れました。
ボランティアの人たちは、屋根にのぼって割れた瓦などを片づけたあとシートをかぶせ、風で飛ばされないよう木材や土のうで固定していました。
依頼した女性は、「1人ではどうすることもできなかったので、来てもらって本当に助かります。ようやく安心できました」と話していました。
ボランティアセンターによりますと、シートを張ってほしいという依頼は現在も1日に50件以上寄せられていますが、対応できるのは1日に10件から20件程度だということで、センターでは今後、ボランティアを増やし、できるだけ早く作業を終えたいとしています。
観光への影響続く
鳥取県中部で起きた地震では、観光地にある施設の一部が被害を受けたほか、営業を再開した宿泊施設でも予約のキャンセルが相次ぎ、観光への影響が続いています。
倉吉市の代表的な観光地、「白壁土蔵群」では、江戸時代から明治時代にかけて建てられた蔵の一部の壁が崩れました。
蔵などの古い建物を活用した飲食店や土産物店の一部も被害を受け、営業再開に向けた作業が続いています。
営業している店舗でも、地震の前と比べて訪れる人が減っているということです。
倉吉観光マイス協会の顧問の田村幹夫さんは「白壁土蔵群は倉吉のシンボルなので早く修復していきたい」と話しています。
鳥取県によりますと、地震のあと、県内の旅館やホテルでは、28日現在、宿泊予約のキャンセルがのべ1万1000人余りになっています。
鳥取県中部の三朝町にある三朝温泉は、年間30万人が訪れる温泉街で、地元の旅館組合によりますと、風呂に亀裂が入るなどした1軒をのぞき、すべての旅館が営業しています。
ところが、宿泊の予約のキャンセルが相次いでいて、旅館の1つでは、繁忙期を迎える年末にかけて、予約の8割がキャンセルになったということです。
一方、被災地を応援しようと訪れる人もいて、宿泊客の1人は、「少しでも役に立てばと思いました。お風呂もよいし、料理もすばらしいので来てよかったです」と話していました。
この旅館の知久馬宏平社長は「秋はいちばんのかき入れ時で大きな被害ですが前向きに営業してなんとかお客さんに訪れてもらえるようにしたいと思います」と話していました。
倉吉市の代表的な観光地、「白壁土蔵群」では、江戸時代から明治時代にかけて建てられた蔵の一部の壁が崩れました。
蔵などの古い建物を活用した飲食店や土産物店の一部も被害を受け、営業再開に向けた作業が続いています。
営業している店舗でも、地震の前と比べて訪れる人が減っているということです。
倉吉観光マイス協会の顧問の田村幹夫さんは「白壁土蔵群は倉吉のシンボルなので早く修復していきたい」と話しています。
鳥取県によりますと、地震のあと、県内の旅館やホテルでは、28日現在、宿泊予約のキャンセルがのべ1万1000人余りになっています。
鳥取県中部の三朝町にある三朝温泉は、年間30万人が訪れる温泉街で、地元の旅館組合によりますと、風呂に亀裂が入るなどした1軒をのぞき、すべての旅館が営業しています。
ところが、宿泊の予約のキャンセルが相次いでいて、旅館の1つでは、繁忙期を迎える年末にかけて、予約の8割がキャンセルになったということです。
一方、被災地を応援しようと訪れる人もいて、宿泊客の1人は、「少しでも役に立てばと思いました。お風呂もよいし、料理もすばらしいので来てよかったです」と話していました。
この旅館の知久馬宏平社長は「秋はいちばんのかき入れ時で大きな被害ですが前向きに営業してなんとかお客さんに訪れてもらえるようにしたいと思います」と話していました。
ソース:NHK ニュース