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大川小津波訴訟 石巻市議会が控訴承認の議案を可決
2016-10-30 10:48:50

東日本大震災の津波で犠牲になった宮城県石巻市の大川小学校の児童の遺族が訴えた裁判で、石巻市は、14億円余りの賠償を支払うよう命じた判決を不服として控訴の承認を求める議案を30日の臨時議会に提案し、採決の結果、可決されました。宮城県も同調する方針で、石巻市と宮城県は控訴期限の来月9日までに控訴することにしています。
震災の津波で犠牲になった石巻市の大川小学校の74人の児童のうち23人の児童の遺族が訴えた裁判で、仙台地方裁判所は今月26日、「津波が襲って来るおよそ7分前までには市の広報車が避難を呼びかけたのを教員らが聞いていたと認められ、津波が到達する危険を予測できた」と指摘し、石巻市と宮城県に対し、原告全員に合わせて14億2600万円余りの賠償を支払うよう命じました。
これを受けて、石巻市の亀山市長は28日、控訴する方針を示し、市は30日、臨時議会を招集して控訴の承認を求める議案を提出しました。
本会議は原告の遺族が見守るなか午後から開かれ、亀山市長は議員から控訴の理由を問われると、「教職員が小学校に大規模な津波が来ることを予見することは不可能であったと認識している。また、およそ7分間で、崩壊の危険がある裏山に全員が無事避難できたとは考えられない」と述べました。
一方、控訴に反対する議員からは、「遺族をこれ以上苦しめることなく控訴を取り下げるべきだ」とか、「子どもたちは市長の控訴の判断に悲しんでいる。判決を真摯(しんし)に受け入れるべきだ」といった意見が出されました。
このあと採決が行われ、議案は賛成16、反対10の賛成多数で可決されました。
宮城県も同調する方針で、石巻市と宮城県は控訴期限の来月9日までに控訴することにしています。
これを受けて、石巻市の亀山市長は28日、控訴する方針を示し、市は30日、臨時議会を招集して控訴の承認を求める議案を提出しました。
本会議は原告の遺族が見守るなか午後から開かれ、亀山市長は議員から控訴の理由を問われると、「教職員が小学校に大規模な津波が来ることを予見することは不可能であったと認識している。また、およそ7分間で、崩壊の危険がある裏山に全員が無事避難できたとは考えられない」と述べました。
一方、控訴に反対する議員からは、「遺族をこれ以上苦しめることなく控訴を取り下げるべきだ」とか、「子どもたちは市長の控訴の判断に悲しんでいる。判決を真摯(しんし)に受け入れるべきだ」といった意見が出されました。
このあと採決が行われ、議案は賛成16、反対10の賛成多数で可決されました。
宮城県も同調する方針で、石巻市と宮城県は控訴期限の来月9日までに控訴することにしています。
市長「重い判断だったと受け止め」
本会議のあと、石巻市の亀山市長は「非常に苦渋の選択をしていただいた。重い判断だったと受け止めている。私たちもこの問題について責任を感じている部分もある。上級審で原因を検証して今後の教訓にしていきたい」と述べました。
原告団長「予想だにしない結果で怒りしかない」
控訴の議案が可決されたことについて、原告団長で小学6年の長男を亡くした今野浩行さんは「予想だにしない結果で、ことばも出ない。東日本大震災のいちばんの被災地である石巻市から、『学校ではこどもの命を守らなくてもいい』と、行政のトップと教育委員会のトップが主張して、それを議会が承認した。子どもの命を見捨てると議会で決定されたことについて、非常に危機感を持っている。怒りしかありません」と話しました。
ソース:NHK ニュース