カメラ乗っ取のっとりサイバー攻撃こうげきか

先月せんげつ、アメリカで大だい規模きぼなサイバー攻撃こうげきによってツイッターなどのサービスが一時いちじ利用りようできなくなりましたが、会社かいしゃの調しらべでインターネットに接続せつぞくしている監視かんしカメラなどを乗っ取のっとる新種しんしゅのコンピューターウイルスが原因げんいんだったことがわかりました。監視かんしカメラなどから発信はっしんされたとみられる不審ふしんな通信つうしんは国内こくないでも確認かくにんされていて、警察庁けいさつちょうは対策たいさくの強化きょうかを呼よびかけています。

先月せんげつ２に１いち日にち、アメリカの大手おおてインターネット関連かんれん会社かいしゃが、大量たいりょうのデータを送おくりつけて通信つうしん量りょうをあふれさせるサイバー攻撃こうげきを受うけました。
この影響えいきょうでこの会社かいしゃのシステムを使つかっている「ツイッター」は、およそ５ご時間じかんにわたってつながりにくい状態じょうたいが続つづいたほか、ネット通販つうはん大手おおての「アマゾン・ドット・コム」など複数ふくすうの会社かいしゃでサービスが一時いちじ、利用りようできなくなりました。

攻撃こうげきを受うけた会社かいしゃが調しらべたところ、原因げんいんはインターネットに接続せつぞくできる監視かんしカメラなど「ＩｏＴ（アイオーティー）」と呼よばれる機器ききを乗っ取のっとる、新種しんしゅのウイルスで、世界中せかいじゅうで感染かんせんさせたおよそ１いち０ぜろ万まん台だいの機器ききを介かいして遠隔えんかく操作そうさで一斉いっせいにデータを送おくりつけて攻撃こうげきを行おこなったとみられるということです。

警察庁けいさつちょうによりますと国内こくないでも９月くがつ以降いこう、ウイルスに感染かんせんした監視かんしカメラなどから発信はっしんされたとみられる不審ふしんな通信つうしんが確認かくにんされているということで、警察庁けいさつちょうは今後こんごも感染かんせんが拡大かくだいするおそれがあるとしてパスワードの変更へんこうなど対策たいさくの強化きょうかを呼よびかけています。

単純たんじゅんなＩＤあいでぃ-とパスワードを試ためし乗っ取のっとり

今回こんかいのサーバー攻撃こうげきに利用りようされたとみられる「ＩｏＴ」は「インターネット・オブ・シングズ」の頭文字かしらもじを取とった言葉ことばで、「モノのインターネット」という意味いみです。

電子でんし機器ききや家電かでんをインターネットと接続せつぞくし、例たとえば自宅じたくの防犯ぼうはんカメラの映像えいぞうをスマートフォンから見みたり、遠隔えんかく地ちから工場こうじょうの設備せつびを操作そうさしたりすることができるようになる技術ぎじゅつです。

今回こんかいのサイバー攻撃こうげきの原因げんいんとなったウイルスを民間みんかんのセキュリティー会社かいしゃが解析かいせきしたところ、「ＩｏＴ」の機器ききに対にたいして例たとえばＩＤあいでぃ-が「ｇｕｅｓｔ」でパスワードが「１いち２に３さん４よん５ご」といった、単純たんじゅんなＩＤあいでぃ-とパスワードの組み合くみあわせを６ろく０ぜろとおりほど試ためし、合致がっちすれば乗っ取のっとることができる仕組しくみになっていたということです。

また、ＩｏＴ機器ききはパソコンなどと比くらべてセキュリティー対策たいさくが十分じゅうぶんではないことが多おおいため、ウイルスに狙ねらわれたとみられています。こうした中なかで、インターネットに接続せつぞくできるカメラを製造せいぞうしている中国ちゅうごくの電子でんし機器ききメーカーは、ホームページ上じょうで自社じしゃの製品せいひんが今回こんかい、ウイルスに感染かんせんし乗っ取のっとられたことを認みとめ、リコールすることを明あきらかにしています。

個人こじんで対策たいさくへの意識いしきが必要ひつよう

セキュリティー会社かいしゃ「シマンテック」の浜田はまだ譲治じょうじ主任しゅにん研究けんきゅう員いんは、「インターネットに接続せつぞくした監視かんしカメラなどのＩｏＴ機器ききは、これまで乗っ取のっとられて盗とう撮うつされるなどの被害ひがいが想定そうていされてきたが、今回こんかいのようにサイバー攻撃こうげきの加害かがい者しゃになるケースは考かんがえられてこなかった。
これからあらゆるモノがインターネットに接続せつぞくするようになるので、利用りよう者しゃがパスワードを初期しょき設定せっていから変更へんこうするなど、個人こじんでできることから対策たいさくを意識いしきする必要ひつようがある」と話はなしています。

ソース：NHK ニュース