Show Furigana
天皇陛下の退位 専門家ヒアリングの議事録公表
2016-11-15 06:24:24

政府は、天皇陛下の退位などを検討する有識者会議が行った1回目の専門家ヒアリングの議事録を公表し、退位に賛成の専門家は「過去にあった譲位に伴う弊害はありえない」と主張したのに対し、反対の専門家は、世間の同情に乗じて特例法で対応することは憲法違反にかなり近いと指摘しています。
政府は、天皇陛下の退位などを検討する有識者会議が今月7日に行った1回目の専門家ヒアリングの議事録を15日公表しました。
このヒアリングでは5人から意見を聞き、2人が退位に賛成し、2人が反対を表明したほか、残る1人は慎重な姿勢を示しながらも退位を容認する考えを示しました。
それによりますと、賛成を表明した所功京都産業大学名誉教授は「今回はご高齢を唯一の理由として譲位の意思を表明されたのだから、過去にあった譲位に伴う弊害は一切ありえない」と述べました。また、賛成のノンフィクション作家の保阪正康氏は、「いきなり生前退位を容認するということではなく、年齢、天皇のご意思、政治の第三者機関との調整を条件にするなど、限定的な枠組みを作るべきだ」と述べ、限られた条件のもとで退位を容認すべきだという考えを示しました。
さらに、退位に慎重な姿勢を示しながら、容認する場合は皇室典範の改正が必要だという考えを示した古川隆久日本大学教授は、「特例法では対応できないか」という質問に対し、「特例法ははっきり言って中途半端だ。急ぐことは問題を引き起こすおそれがあり、適切ではない」と述べました。
一方、反対の考えを示した平川祐弘東京大学名誉教授は、「世間の同情に乗じ、それを大み心として特例法で対応するようなことがあれば、憲法違反にかなり近いのではないか。極めてよくない先例となり得る」と指摘しました。
また、反対の大原康男國學院大学名誉教授は、「国民世論は退位を支持しているが」という指摘に対し、「『お楽にしてあげたい』という心情には共感するが、このような空気だけで判断してよいのか疑問だ」と述べました。
政府は、有識者会議の進め方などを議論した2回の会合については議事概要を公表しましたが、専門家ヒアリングについては、意見を国民に正確に知ってもらいたいとして、発言をより詳細に示した議事録を公表しました。
このヒアリングでは5人から意見を聞き、2人が退位に賛成し、2人が反対を表明したほか、残る1人は慎重な姿勢を示しながらも退位を容認する考えを示しました。
それによりますと、賛成を表明した所功京都産業大学名誉教授は「今回はご高齢を唯一の理由として譲位の意思を表明されたのだから、過去にあった譲位に伴う弊害は一切ありえない」と述べました。また、賛成のノンフィクション作家の保阪正康氏は、「いきなり生前退位を容認するということではなく、年齢、天皇のご意思、政治の第三者機関との調整を条件にするなど、限定的な枠組みを作るべきだ」と述べ、限られた条件のもとで退位を容認すべきだという考えを示しました。
さらに、退位に慎重な姿勢を示しながら、容認する場合は皇室典範の改正が必要だという考えを示した古川隆久日本大学教授は、「特例法では対応できないか」という質問に対し、「特例法ははっきり言って中途半端だ。急ぐことは問題を引き起こすおそれがあり、適切ではない」と述べました。
一方、反対の考えを示した平川祐弘東京大学名誉教授は、「世間の同情に乗じ、それを大み心として特例法で対応するようなことがあれば、憲法違反にかなり近いのではないか。極めてよくない先例となり得る」と指摘しました。
また、反対の大原康男國學院大学名誉教授は、「国民世論は退位を支持しているが」という指摘に対し、「『お楽にしてあげたい』という心情には共感するが、このような空気だけで判断してよいのか疑問だ」と述べました。
政府は、有識者会議の進め方などを議論した2回の会合については議事概要を公表しましたが、専門家ヒアリングについては、意見を国民に正確に知ってもらいたいとして、発言をより詳細に示した議事録を公表しました。
ソース:NHK ニュース