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駆け付かけつ警護けいご もとりくまくちょう「リスク最小さいしょうげん重要じゅうよう

2016-11-15 09:42:09

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みなみスーダンに派遣はけんされる自衛隊じえいたい部隊ぶたいに、「駆け付かけつ警護けいご」の任務にんむあらたに付与ふよされることについて、陸上りくじょう自衛隊じえいたいトップの陸上りくじょう幕僚ばくりょうちょうつとめたもりつとむさんは、「リスクを最小さいしょうげんおさえていくことが重要じゅうようだ」と指摘してきしています。
このなかで、もりさんは、駆け付かけつ警護けいご任務にんむ付与ふよされることについて、リスクはともなうと指摘してきしたうえで、「救助きゅうじょ要請ようせいがあったときに現場げんば指揮しきかんとしては見捨みすてることはむずかしい。自衛隊じえいたい任務にんむにはおのずとリスクがあるが、それをいかに最小さいしょうげんおさえられるかが非常ひじょう重要じゅうようになる」とべました。

そのうえで、みなみスーダンの治安ちあん情勢じょうせいについては、「過去かこ派遣はけんさきくらべても治安ちあんあきらかにきびしく、楽観らっかんできる情勢じょうせいではない。政府せいふぐんはん政府せいふ勢力せいりょく対立たいりつ一応いちおう首都しゅとではおさまっているようだが、大変たいへん状況じょうきょうになる可能かのうせいがあり、情勢じょうせい注意深ちゅういぶか見守みまもって部隊ぶたい安全あんぜん確保かくほする必要ひつようがある」と指摘してきしています。

一方いっぽうあたらしい任務にんむに関にかんする政府せいふ説明せつめいについて、もりさんは、「国民こくみん理解りかい十分じゅうぶんられていない部分ぶぶんがあるとおもう。防衛ぼうえいしょう自衛隊じえいたいはいろいろな機会きかいを通をつうじて説明せつめいする必要ひつようがある」とはなしていました。

あらたな任務にんむとは

あらたな任務にんむとして付与ふよされることになった「駆け付かけつ警護けいご」は、国連こくれんのスタッフなどが武装ぶそうグループや暴徒ぼうとした集団しゅうだんおそわれた場合ばあい、その自衛隊じえいたい部隊ぶたいけつけ救出きゅうしゅつする任務にんむです。現場げんば状況じょうきょうおうじて武器ぶき使つか場面ばめん想定そうていされ、自衛隊じえいたい部隊ぶたい自分じぶんたちをまも場合ばあいくわえて、たすけだそうとしているひとたちが銃撃じゅうげきされるなどしたときも、その警護けいご任務にんむのために武器ぶき使用しようできるとされています。

駆け付かけつ警護けいごのための武器ぶき使用しようは、安全あんぜん保障ほしょう関連かんれんほうあらたにさだめられたもので、政府せいふは、PKOぴ-けいお-参加さんか原則げんそく維持いじされている状況じょうきょうであれば、憲法けんぽうきんじられている「武力ぶりょく行使こうし」にあたることはないと説明せつめいしています。

また、あわせて、あらたに付与ふよされる「宿営しゅくえい共同きょうどう防護ぼうご」は、PKOぴ-けいお-部隊ぶたい宿営しゅくえい襲撃しゅうげきされた場合ばあいに、自衛隊じえいたい他国たこく部隊ぶたいとともに宿営しゅくえいまも任務にんむです。みなみスーダンでの自衛隊じえいたい活動かつどう拠点きょてんは、各国かっこく部隊ぶたいあつまる宿営しゅくえいなかにあり、宿営しゅくえい襲撃しゅうげきされた場合ばあい自衛隊じえいたいはこれらの国々くにぐに部隊ぶたいとともに防護ぼうごすることが想定そうていされます。

宿営しゅくえいでの他国たこく部隊ぶたい防護ぼうごについて、政府せいふは「他国たこく兵士へいしたちと自衛隊じえいたいいんはいわば運命うんめい共同きょうどうたいだ」などとして、自分じぶんたちをまもるための武器ぶき使用しようふくまれると説明せつめいしています。

駆け付かけつ警護けいご 想定そうていされる場面ばめん

あらたな任務にんむのうち、駆け付かけつ警護けいごは、現場げんばレベルで武器ぶき使用しよう決定けっていなどむずかしい判断はんだんもとめられる可能かのうせいがありますが、政府せいふ自衛隊じえいたい対応たいおうするのは限定げんていてき場面ばめんだとしています。

みなみスーダンのPKOぴ-けいお-には、自衛隊じえいたいのように道路どうろ整備せいびなどをおこな施設しせつ部隊ぶたいのほか、警備けいび担当たんとうする歩兵ほへい部隊ぶたい医療いりょう部隊ぶたい航空こうくう部隊ぶたいなどが各国かっこくから派遣はけんされています。

このうち駆け付かけつ警護けいごになうのは歩兵ほへい部隊ぶたいで、PKOぴ-けいお-現地げんち司令しれいが、歩兵ほへい部隊ぶたいしているエチオピアやネパールなどの部隊ぶたいちょう命令めいれいすことになっています。このため、政府せいふは、施設しせつ部隊ぶたいである自衛隊じえいたい部隊ぶたい駆け付かけつ警護けいごおこなうのは、道路どうろ整備せいびなどをしているさいちかくで国連こくれんスタッフなどがおそわれ、緊急きんきゅう対応たいおうできるのが自衛隊じえいたいしかいない場合ばあいなどにかぎられているとしています。

一方いっぽう国連こくれんは、ことし7月しちがつ政府せいふぐんはん政府せいふ勢力せいりょく衝突しょうとつで、市民しみん国連こくれん職員しょくいんなどに多数たすう死傷ししょうしゃたことをけ、民間みんかんじん保護ほご強化きょうかする姿勢しせいしめしています。現地げんちPKOぴ-けいお-部隊ぶたい市民しみんまもろうとしなかったとつよ非難ひなんして、現地げんち司令しれいかん解任かいにんするとともに、部隊ぶたい組織そしき装備そうびなど態勢たいせい見直みなおしをおこなうことをあきらかにしました。

こうしたなかふたた市民しみん巻き込まきこんだはげしい衝突しょうとつきた場合ばあい現場げんば状況じょうきょうによっては自衛隊じえいたいむずかしい判断はんだんせまられる場面ばめん想定そうていされます。

現地げんち治安ちあん情勢じょうせい

みなみスーダンでは、ことし7月しちがつ自衛隊じえいたい活動かつどうする首都しゅと・ジュバで、大統領だいとうりょう政府せいふぐん当時とうじふく大統領だいとうりょう支持しじするはん政府せいふ勢力せいりょくによるだい規模きぼ武力ぶりょく衝突しょうとつき、ななぜろにん以上いじょう死亡しぼうしました。これをけて、自衛隊じえいたいは、先月せんげつまつまでのおよそさんか月かげつかん宿営しゅくえいそとでの活動かつどう中止ちゅうしし、宿営しゅくえいない避難ひなんみんようのテントの設置せっちなどにたりました。

みなみスーダンでは、さんねんまえにも大統領だいとうりょうふく大統領だいとうりょうだい規模きぼ武力ぶりょく衝突しょうとつき、去年きょねん8月はちがつ双方そうほう和平わへい協定きょうてい合意ごういしましたが、その後そのご治安ちあん改善かいぜんされず、大統領だいとうりょうふく大統領だいとうりょうのそれぞれの民族みんぞくかん対立たいりつはげしさをしています。

国際こくさいてき人権じんけん団体だんたいは、ことし7月しちがつ衝突しょうとつについて独自どくじ調査ちょうさ結果けっかりまとめ、政府せいふぐん市民しみん無差別むさべつ攻撃こうげきしたとしてつよ非難ひなんしました。国連こくれんは「PKOぴ-けいお-部隊ぶたい市民しみん保護ほご失敗しっぱいした」として、ケニアじん司令しれいかん解任かいにんするとともに、民間みんかんじん保護ほご強化きょうかする姿勢しせいしめしています。

しかし、司令しれいかん解任かいにんにケニア政府せいふつよ反発はんぱつし、およそいちぜろぜろぜろにん部隊ぶたいきあげさせると発表はっぴょうきゅうにちから部隊ぶたい撤収てっしゅうはじまり、周辺しゅうへんこく中心ちゅうしんとなって模索もさくしてきた事態じたい打開だかいけた取り組とりくみに影響えいきょうおよぼすおそれがています。

みなみスーダンの情勢じょうせいについて、日本にっぽん政府せいふは、各地かくち武力ぶりょく衝突しょうとつがたびたびきているが首都しゅと・ジュバは、現在げんざい比較的ひかくてき落ち着おちついている状態じょうたいで、自衛隊じえいたい活動かつどうする前提ぜんていとなるPKOぴ-けいお-参加さんか原則げんそくは、引き続ひきつづ維持いじされているとしています。
ソース:NHK ニュース