“取り調とりしらべ中ちゅうの暴行ぼうこうが死因しいんか” 調査ちょうさした大学だいがく教授きょうじゅが告発こくはつ

６ろく年ねん前まえ、奈良なら県内けんないの病院びょういんで手術しゅじゅつを行おこなった医師いしが、誤あやまって患者かんじゃを死しなせたとして逮捕たいほされ、その後そのご、勾留こうりゅう先さきの警察けいさつ署しょで死亡しぼうしました。遺族いぞくの依頼いらいを受うけて、改あらためて調しらべた大学だいがくの教授きょうじゅが、医師いしの死因しいんは取り調とりしらべ中ちゅうに受うけた警察官けいさつかんによる暴行ぼうこうだった可能かのう性せいがあるとして、容疑ようぎ者しゃを特定とくていせず、特別とくべつ公務員こうむいん暴行ぼうこう陵虐りょうぎゃく致死ちしの疑うたがいで告発こくはつ状じょうを警察けいさつに提出ていしゅつしました。

平成へいせい２に２に年ねん２月にがつ、奈良なら県けん大和やまと郡山こおりやま市しにあった「山本やまもと病院びょういん」で塚本つかもと泰彦やすひこ医師いし（５ご４よん）が手術しゅじゅつを行おこなった際さい、誤あやまって患者かんじゃを死しなせたとして、業務ぎょうむ上じょう過失かしつ致死ちしの疑うたがいで逮捕たいほされ、その後そのご、勾留こうりゅうされていた警察けいさつ署しょで死亡しぼうしました。当時とうじ、死因しいんは急性きゅうせい心筋しんきん梗塞こうそくとされましたが、不審ふしんに思おもった遺族いぞくが、法医学ほういがくが専門せんもんの岩手いわて医科いか大学だいがくの出羽でわ厚あつし二に教授きょうじゅに医師いしが死亡しぼうしたいきさつについて調査ちょうさを依頼いらいしました。

出羽でわ教授きょうじゅによりますと、遺体いたいの鑑定かんてい書しょを詳くわしく調しらべた結果けっか、逮捕たいほ当日とうじつにはなかったとされた皮下ひか出血しゅっけつが、下半身かはんしんを中心ちゅうしんに広範囲こうはんいに見みられたということです。このため、取り調とりしらべ中ちゅうに警察官けいさつかんから殴なぐられて腎じん不全ふぜんなどを起おこし、死亡しぼうした可能かのう性せいがあると判断はんだんできるとして、容疑ようぎ者しゃを特定とくていせず、特別とくべつ公務員こうむいん暴行ぼうこう陵虐りょうぎゃく致死ちしの疑うたがいで１いち５ご日にち、告発こくはつ状じょうを警察けいさつに提出ていしゅつしました。

出羽でわ教授きょうじゅは記者きしゃ会見かいけんし、「取り調とりしらべの透明とうめい化かの流ながれに逆行ぎゃっこうする暴行ぼうこうの実態じったいを明あきらかにしたい」と述のべました。医師いしの遺族いぞくは「本当ほんとうのことが知しりたい」と話はなしました。奈良なら県けん警察けいさつ本部ほんぶは「皮下ひか出血しゅっけつは床ゆかに座すわったときの衝撃しょうげきでできたもので、暴行ぼうこうがあったとは考かんがえていない。告発こくはつ状じょうを受理じゅりするかどうか検討けんとうする」としています。

ソース：NHK ニュース