原子力げんしりょく賠償ばいしょう制度せいど 電力でんりょく会社かいしゃの賠償ばいしょう責任せきにん無む制限せいげんを維持いじで合意ごうい

原子力げんしりょく発電はつでん所しょなどで事故じこが起おきた際さいの賠償ばいしょう制度せいどの見直みなおしを議論ぎろんしている国くにの原子力げんしりょく委員いいん会かいの専門せんもん部会ぶかいは、電力でんりょく会社かいしゃの賠償ばいしょう責任せきにんを無む制限せいげんとしているいまの制度せいどを維持いじする方向ほうこうで合意ごういし、今後こんご事故じこに備そなえた資金しきんの増額ぞうがくなど詳くわしい制度せいど設計せっけいを議論ぎろんすることにしています。

いまの原子力げんしりょく事故じこに対にたいする損害そんがい賠償ばいしょう制度せいどは、電力でんりょく会社かいしゃに過失かしつがなくても損害そんがい額がくに応おうじて無む制限せいげんの責任せきにんを負おうとしていますが、福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつの事故じこで損害そんがいが巨額きょがくになったことや、電力でんりょく自由じゆう化かで電力でんりょく会社かいしゃの経営けいえい環境かんきょうが厳きびしくなることなどを踏ふまえて、国くにの原子力げんしりょく委員いいん会かいは去年きょねん５月ごがつから有識者ゆうしきしゃによる専門せんもん部会ぶかいで制度せいどの見直みなおしを議論ぎろんしています。

この中なかで、賠償ばいしょう責任せきにんに上限じょうげんを設もうけるかについて、委員いいんからは賠償ばいしょう額がくが上限じょうげんを超こえると、被害ひがい者しゃの請求せいきゅう先さきが国くにに変かわり、電力でんりょく会社かいしゃが賠償ばいしょうへの責任せきにんを持もたなくなることなどに地元じもと住民じゅうみんや国民こくみんの理解りかいは得えられないといった意見いけんが相次あいつぎ、電力でんりょく会社かいしゃの賠償ばいしょう責任せきにんを無む制限せいげんとしている今いまの制度せいどを維持いじする方向ほうこうで合意ごういしました。

一方いっぽう、今いまの制度せいどで電力でんりょく会社かいしゃは保険ほけんに加入かにゅうし、賠償ばいしょうにあてる資金しきんとして最大さいだい１いち２に０ぜろ０ぜろ億おく円えんを確保かくほしておくとしていますが、これについては増額ぞうがくを検討けんとうし、その分ぶん電力でんりょく料金りょうきんが値上ねあがりする可能かのう性せいがあることから、詳くわしい制度せいど設計せっけいを議論ぎろんすることにしています。

賠償ばいしょう責任せきにんの制限せいげんをめぐっては「電力でんりょく会社かいしゃのリスクが大おおきすぎ、国くにが負担ふたんすべき部分ぶぶんもある」といった意見いけんの一方いっぽうで、「国くにの責任せきにんを重おもくすれば、国民こくみんの負担ふたんが増ふえる」といった意見いけんもあり、大おおきな論点ろんてんとなっています。

ソース：NHK ニュース