両りょう陛下へいか 満蒙まもう開拓かいたく団だんの歴史れきし伝つたえる施設しせつを訪問ほうもんされる

天皇てんのう皇后こうごう両りょう陛下へいかは、戦時せんじ中ちゅうなどに旧きゅう満州まんしゅう、今いまの中国ちゅうごく東北とうほく部ぶに渡わたった「満蒙まもう開拓かいたく団だん」の歴史れきしを伝つたえる長野ながの県けんの施設しせつを訪おとずれ、体験たいけんを語り継かたりついでいるお年寄としよりたちと懇談こんだんされました。

１いち６ろく日にちから長野ながの県けんを訪おとずれている両りょう陛下へいかは、１いち７なな日にち午前ごぜん、阿智あち村むらにある満蒙まもう開拓かいたく平和へいわ記念きねん館かんに到着とうちゃくされました。

満蒙まもう開拓かいたく団だんは戦時せんじ中ちゅうなどに、旧きゅう満州まんしゅうで農地のうちを開拓かいたくするため国くにの政策せいさくによって、およそ２に７なな万まん人にんが移住いじゅうし、そのうち８はち万まん人にんが戦中せんちゅう戦後せんごの混乱こんらんの中なかで死亡しぼうしたと言いわれています。

長野ながの県けんからは全国ぜんこくで最もっとも多おおい３さん万まん３さん０ぜろ０ぜろ０ぜろ人にん近ちかくが旧きゅう満州まんしゅうに渡わたっていて、両りょう陛下へいかは以前いぜんから、この施設しせつへの訪問ほうもんを望のぞんでいたということで、開拓かいたく団だんの苦難くなんの歴史れきしを伝つたえる写真しゃしんや資料しりょうを熱心ねっしんにご覧ごらんになっていました。

続つづいて、両りょう陛下へいかは、施設しせつで体験たいけんを語り継かたりついでいるお年寄としよりたちと懇談こんだんされました。戦後せんごの旧きゅう満州まんしゅうで、生後せいごまもない長男ちょうなんを栄養えいよう失調しっちょうで亡なくした９きゅう２に歳さいの女性じょせいや、開拓かいたく団だんで集団しゅうだん自決じけつが起おき、７なな０ぜろ人にん近ちかくが命いのちを落おとす中なかで生き延いきのびたという８はち６ろく歳さいの男性だんせいなどが体験たいけんを語かたると、天皇てんのう陛下へいかは「そういうことを経へて、今いまの日本にっぽんがつくられたんですね。どうぞ、これからもお元気げんきで経験けいけんを伝つたえていってください」と話はなされていました。

また、皇后こうごうさまは「こうして伝つたえてくださってありがとうございます。苦くるしみによく耐たえてくださいましたね」と話はなされていました。

両りょう陛下へいかと懇談こんだんした人ひとたちは

旧きゅう満州まんしゅうで生後せいご間かんもない長男ちょうなんを亡なくし、終戦しゅうせんの翌年よくねんに帰国きこくした桜井さくらいこうさん（９きゅう２に）は、「両りょう陛下へいかが、ここまで開拓かいたく団だんのことを思おもってくださっていたことに涙なみだが出でるようで、胸むねが晴はれる思おもいでした」と話はなしていました。

１いち４よん歳さいで家族かぞくと離はなれて満州まんしゅうに渡わたり、開拓かいたく団だんが集団しゅうだん自決じけつする中なかで生き延いきのびた久保田くぼた諫さん（８はち６ろく）は「お忙おいそがしい中ちゅう、よくぞここまで来きていただいたとうれしく思おもいました。多おおくの人ひとに開拓かいたく団だんの歴史れきしを知しってもらいたい」と話はなしていました。

少年しょうねんで組織そしきされた義勇軍ぎゆうぐんの一員いちいんとして旧きゅう満州まんしゅうに渡わたり、ソビエト軍ぐんの捕虜ほりょとなった体験たいけんなどを語かたった湯澤ゆざわ政一まさかずさん（８はち６ろく）は、「限かぎられた時間じかんでしたが、両りょう陛下へいかともお会あいでき、健康けんこうを気遣きづかっていただきうれしかったです」と話はなしていました。

ソース：NHK ニュース