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障害者施設を退所後の行き先未定 全国で1200人以上に
2016-11-28 07:44:31
知的障害がある子どもたちの入所施設では、法律の改正で来年度末までに18歳以上になっても施設に残っている人たちに退所してもらわなければならなくなっています。しかし、次の行き先が決まっていない人たちが1200人に上ることが、施設で作る団体の調査でわかりました。
この調査は、知的障害者の入所施設などで作る日本知的障害者福祉協会が行ったもので、全国の172の施設から回答を得ました。
知的障害がある子どもたちの入所施設では、原則18歳になると施設を出なければなりませんが、特例で住み続けることが認められていて、今回の調査で、これらの施設に入所している6635人のうち、18歳以上の人たちは、4分の1に当たる1322人に上ることがわかりました。
しかし、児童福祉法が改正され、来年度末までに18歳以上の人たちは施設を出なければならなくなり、ことし9月の時点で次の行き先が決まっていない人たちが、1220人に上ることがわかりました。
このうち、住み慣れた同じ地域に施設がないという人が256人、施設の順番待ちという人が178人、家庭に戻るものの、家族と調整が進んでいないという人が51人などとなっています。
特に関東地方の施設は、18歳以上の入所者がおよそ440人と多く、関東の障害児施設で作る団体は「障害の重い人ほど受け入れ先が見つからない。障害者の住まいの量的な拡大を国や自治体に訴えていきたい」としています。
知的障害がある子どもたちの入所施設では、原則18歳になると施設を出なければなりませんが、特例で住み続けることが認められていて、今回の調査で、これらの施設に入所している6635人のうち、18歳以上の人たちは、4分の1に当たる1322人に上ることがわかりました。
しかし、児童福祉法が改正され、来年度末までに18歳以上の人たちは施設を出なければならなくなり、ことし9月の時点で次の行き先が決まっていない人たちが、1220人に上ることがわかりました。
このうち、住み慣れた同じ地域に施設がないという人が256人、施設の順番待ちという人が178人、家庭に戻るものの、家族と調整が進んでいないという人が51人などとなっています。
特に関東地方の施設は、18歳以上の入所者がおよそ440人と多く、関東の障害児施設で作る団体は「障害の重い人ほど受け入れ先が見つからない。障害者の住まいの量的な拡大を国や自治体に訴えていきたい」としています。
施設の現状は
神奈川県秦野市の知的障害がある子どもたちの入所施設では、入所者およそ100人のうち、半数近くにあたる47人が18歳以上です。18歳以上の人たちは、来年度末までに施設を出なければなりませんが、その多くが行き先が決まっていません。
12歳から22年間、この施設で暮らしてきた34歳の佐藤智一さんは、知的障害に加えて、てんかんの症状もある重い障害者です。住み慣れた近隣の施設に移ることを希望していますが、まだ見つかっていません。両親は自営業のため、自宅で介助することは難しいとして、新たな施設を探し続けています。智一さんの母親は「なかなか決まらないので、とても不安で悩んでいます」と話していました。
一方、仮に行き先が見つかったとしても、住み慣れた地域を離れざるをえない現実も見えてきました。
これまでに施設を移った人の中には、都市部の施設に空きがなく、北海道や青森県など遠方の施設に移った人もいるということです。
障害がある子どもたちの入所施設、弘済学園の高橋潔園長は「家族が毎週のように面会して元気な顔を見られるように、近くで過ごせるようにというのが親の心情だと思います。しかし、現状はなかなか厳しいもので、一個人や一施設が対応できる問題ではなく、国や行政なども考えてほしいです」と話していました。
12歳から22年間、この施設で暮らしてきた34歳の佐藤智一さんは、知的障害に加えて、てんかんの症状もある重い障害者です。住み慣れた近隣の施設に移ることを希望していますが、まだ見つかっていません。両親は自営業のため、自宅で介助することは難しいとして、新たな施設を探し続けています。智一さんの母親は「なかなか決まらないので、とても不安で悩んでいます」と話していました。
一方、仮に行き先が見つかったとしても、住み慣れた地域を離れざるをえない現実も見えてきました。
これまでに施設を移った人の中には、都市部の施設に空きがなく、北海道や青森県など遠方の施設に移った人もいるということです。
障害がある子どもたちの入所施設、弘済学園の高橋潔園長は「家族が毎週のように面会して元気な顔を見られるように、近くで過ごせるようにというのが親の心情だと思います。しかし、現状はなかなか厳しいもので、一個人や一施設が対応できる問題ではなく、国や行政なども考えてほしいです」と話していました。
受け皿の建設進まず
知的障害がある人が暮らす施設は、18歳未満の子ども向けと、18歳以上の大人向けがあります。
これまでは18歳になっても、子どもの施設で暮らすことが特例で認められていましたが、障害者が地域で暮らすことを目指して児童福祉法が改正され、来年度末までに18歳以上の人たちは施設を出なければならなくなりました。
国は大規模な施設を新たに建設しない方針を示し、少人数で地域で暮らすグループホームを作ることなどを進めています。しかし、障害者の住まいに詳しい日本福祉大学の綿祐二教授によりますと、重い知的障害などがある人のグループホームは、資金や人材の確保が課題となり、建設はほとんど進んでおらず、受け皿が足りない状態が続いているということです。
これまでは18歳になっても、子どもの施設で暮らすことが特例で認められていましたが、障害者が地域で暮らすことを目指して児童福祉法が改正され、来年度末までに18歳以上の人たちは施設を出なければならなくなりました。
国は大規模な施設を新たに建設しない方針を示し、少人数で地域で暮らすグループホームを作ることなどを進めています。しかし、障害者の住まいに詳しい日本福祉大学の綿祐二教授によりますと、重い知的障害などがある人のグループホームは、資金や人材の確保が課題となり、建設はほとんど進んでおらず、受け皿が足りない状態が続いているということです。
ソース:NHK ニュース