算数さんすう・数学すうがくと理科りかの国際こくさい学力がくりょく調査ちょうさ 日本にっぽんの子こどもの平均へいきん点てん向上こうじょう

算数さんすう・数学すうがく、そして理科りかの基礎きそ的てきな知識ちしきなどを問とう国際こくさい学力がくりょく調査ちょうさの結果けっかが公表こうひょうされ、日本にっぽんは小学生しょうがくせいの理科りかが３さん位い、中学生ちゅうがくせいの理科りかが２に位いとなるなど、すべての教科きょうかで前回ぜんかいの調査ちょうさより平均へいきん点てんが高たかくなりました。専門せんもん家かは「学習がくしゅう指導しどう要領ようりょうの改訂かいていで教おしえる内容ないようなどを増ふやしたことで基礎きそ的てきな知識ちしきの学まなびが改善かいぜんされたのではないか」と分析ぶんせきしています。

この学力がくりょく調査ちょうさは「ＴＩＭＳＳ」と呼よばれ、オランダに本部ほんぶがある国際こくさい学会がっかいが子こどもたちの算数さんすう・数学すうがく、理科りかの基礎きそ的てきな知識ちしきを問とうため４よん年ねんに一度いちど実施じっししています。日本にっぽんの小学しょうがく４よん年生ねんせいと中学ちゅうがく２に年生ねんせいを含ふくむおよそ５ご０ぜろの国くにや地域ちいきの子こどもたちが参加さんかした去年きょねんの調査ちょうさ結果けっかが、２に９きゅう日にち、公表こうひょうされました。

それによりますと、日本にっぽんの小しょう中学生ちゅうがくせいの平均へいきん点てんと順位じゅんいは前回ぜんかい・平成へいせい２に３さん年ねんと比くらべて３さん教科きょうかすべてで高たかくなりました。

小学生しょうがくせいは算数さんすうが平均へいきん点てんが８はち点てん上あがって５ご９きゅう３さん点てんで順位じゅんいは前回ぜんかいと同おなじ５ご位い、理科りかが１いち０ぜろ点てん上あがって５ご６ろく９きゅう点てんで１ひとつ上あがって３さん位いでした。

中学生ちゅうがくせいは、数学すうがくが１いち６ろく点てん上あがって５ご８はち６ろく点てんで前回ぜんかいと同おなじ５ご位い、理科りかが１いち３さん点てん上あがって５ご７なな１いち点てんで２ふたつ上あがって２に位いでした。

参加さんかしたほかの国くにや地域ちいきを見みますと、シンガポールがすべての教科きょうかで１いち位いとなったほか、香港ほんこんや韓国かんこく、台湾たいわんのアジア勢ぜいが上位じょういを占しめています。

理科りかや算数さんすうなどの学力がくりょくは平成へいせい１いち５ご年ねんの調査ちょうさで低下ていか傾向けいこうにあることがわかり、文部もんぶ科学かがく省しょうは教おしえる内容ないようや授業じゅぎょう時間じかんを大幅おおはばに増ふやすなどの対策たいさくに取り組とりくんできました。今回こんかいの結果けっかについて、理数りすう教育きょういくが専門せんもんの国学院こくがくいん大学だいがくの猿田さるた祐ゆう嗣教授きょうじゅは、「学習がくしゅう指導しどう要領ようりょうの改訂かいていで教おしえる内容ないようや授業じゅぎょう時間じかんを増ふやしたことで基礎きそ的てきな知識ちしきの学まなびが改善かいぜんしたのではないか。今後こんごは、身みにつけた知識ちしきや技能ぎのうを生活せいかつや社会しゃかいの中なかで生いかす学習がくしゅうが必要ひつようだ」と話はなしています。

学力がくりょく調査ちょうさの特徴とくちょうと問題もんだい例れい

この学力がくりょく調査ちょうさで出だされた問題もんだいは算数さんすう・数学すうがく、そして理科りかの主おもに基礎きそ的てきな知識ちしきです。これは、毎年まいとし日本にっぽんで行おこなわれている全国ぜんこく学力がくりょくテストのＡえい問題もんだいに近ちかいとされます。これに対にたいし、同おなじ国際こくさい学力がくりょく調査ちょうさでもＯＥＣＤお-い-し-でぃ-が実施じっしする「ＰＩＳＡ」と呼よばれる学力がくりょく調査ちょうさは、文章ぶんしょうやグラフなどから必要ひつような情報じょうほうを取り出とりだして理解りかいし、それを文章ぶんしょうで表現ひょうげんする「読解どっかい力りょく」などを問といます。これは、全国ぜんこく学力がくりょくテストのＢび-問題もんだいに近ちかいとされます。

今回こんかい、小学生しょうがくせいの理科りかでは「電気でんきを通とおすもの」について出題しゅつだいされました。木きのスプーンや鉄てつの鍵かぎなど５いつつの物質ぶっしつで作つくられたものが示しめされ、この中なかで電気でんきを通とおすものがどれか答こたえさせます。「金属きんぞくは電気でんきを通とおす」という、理科りかの基礎きそ的てきな知識ちしきが問とわれたこの問題もんだいの正答せいとう率りつは、国際こくさい平均へいきんが４よん９きゅう％だったのに対にたいし日本にっぽんは７なな８はち％でした。

中学生ちゅうがくせいには地学ちがくの基礎きそ的てきな知識ちしきの問題もんだいが出だされました。海うみと平野へいやと山やま、そこに川かわが書かかれた地図ちずを見みて、川かわがどちらに流ながれるか矢印やじるしで書かかせたうえで、その理由りゆうを記述きじゅつするよう求もとめています。山やまに降ふった雨あめなどの水みずは川かわへと流れ込ながれこみ、最後さいごは海うみに注そそぐといった知識ちしきが問とわれたこの問題もんだいの正答せいとう率りつは、国際こくさい平均へいきんが３さん１いち％だったのに対にたいし日本にっぽんは５ご８はち％でした。

ソース：NHK ニュース