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宇宙うちゅう輸送ゆそうせん こうのとりろく号機ごうき 打ち上うちあ成功せいこう

2016-12-09 13:44:26

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国際こくさい宇宙うちゅうステーション物資ぶっしとどける日本にっぽん宇宙うちゅう輸送ゆそうせん「こうのとり」のろく号機ごうきせたH2えいちつ-び-ロケットが、きゅうにち午後ごごいちぜろろくふん鹿児島かごしまけん種子島たねがしま宇宙うちゅうセンターから打ち上うちあげられ、午後ごごいちぜろよんいちふんごろ、予定よていどおりに「こうのとり」を切り離きりはなして打ち上うちあげは成功せいこうしました。
宇宙うちゅう輸送ゆそうせん「こうのとり」ろく号機ごうきせたH2えいちつ-び-ロケットは、きゅうにち午後ごごいちぜろろくふん鹿児島かごしまけん種子島たねがしま宇宙うちゅうセンターから打ち上うちあげられました。

H2えいちつ-び-ロケットは、打ち上うちあげのおよそふんにはよんほん補助ほじょロケットを切り離きりはなし、およそろくふんにはいちだん切り離きりはなしながら上昇じょうしょうつづけました。そして、打ち上うちあげからおよそいちふん午後ごごいちぜろよんいちふんごろ、予定よていどおり、高度こうどはちななキロ付近ふきんで、こうのとりろく号機ごうき切り離きりはな打ち上うちあげは成功せいこうしました。

今回こんかいのこうのとりでは、国際こくさい宇宙うちゅうステーションのあらたなしゅ電源でんげん採用さいようされた日本にっぽんせいのリチウムイオン電池でんち送り届おくりとどけるほか、深刻しんこくする宇宙うちゅうごみを取り除とりのぞくために、日本にっぽん開発かいはつちゅうあらたな技術ぎじゅつ実験じっけんおこなわれます。

こうのとりは、地球ちきゅう上空じょうくうまわりながら、よんにちかけて高度こうどよんぜろぜろキロ付近ふきんまで上昇じょうしょうつづけ、日本にっぽん時間じかん今月こんげついちさんにちよる国際こくさい宇宙うちゅうステーションに到着とうちゃくする予定よていです。

採用さいようされたリチウムイオン電池でんち

国際こくさい宇宙うちゅうステーションのあらたなしゅ電源でんげんとして採用さいようされ、今回こんかいのこうのとりろく号機ごうき送り届おくりとどけられる日本にっぽんせいのリチウムイオン電池でんちは、京都きょうと電池でんちメーカー、GSユアサ開発かいはつしました。

ひとひとつの電池でんちには、英語えいごで「for ISS」、国際こくさい宇宙うちゅうステーションの略称りゃくしょうである「ISSのために」としるされています。ひとつの電池でんちは、たかろくセンチ、はばいちさんセンチ、おもさんキロあまりで、スマートフォンはちぶん電力でんりょくたくわえることができます。

現在げんざい設置せっちされているニッケル水素すいそ電池でんちくらべて、このリチウムイオン電池でんちたくわえられる電気でんきりょうが、これまでのさんばいたかめられているということです。こうした電池でんちすうじゅうたばねて、縦横じゅうおうそれぞれいちメートル、たかぜろセンチのはこわせ、ひとつのバッテリーとしています。

あたらしいバッテリーは全部ぜんぶよん国際こくさい宇宙うちゅうステーションに設置せっちされる計画けいかくで、今回こんかいのこうのとりろく号機ごうきでは最初さいしょろく運び込はこびこまれます。今後こんご、こうのとりなな号機ごうきはち号機ごうききゅう号機ごうきでも、それぞれろくずつ、宇宙うちゅうステーションに運び込はこびこまれる予定よていです。宇宙うちゅうステーションでは、宇宙うちゅう飛行ひこうふねがい活動かつどうおこなってバッテリーの交換こうかんおこなうことになっています。

JAXAによりますと、リチウムイオン電池でんち採用さいようした世界せかい人工じんこう衛星えいせいなかでのGSユアサの電池でんちのシェアはさん%で、世界せかいもっとたかくなっています。

GSユアサによりますと、これまでに各国かっこく人工じんこう衛星えいせいわせていちはち搭載とうさいされ、故障こしょうトラブル報告ほうこくせられていないということです。

ななねんをかけたきびしい検査けんさ

国際こくさい宇宙うちゅうステーションへの実際じっさい設置せっちにあたっては、宇宙うちゅう飛行ひこういのちあずかるきわめて重要じゅうよう機器ききとなるだけに、採用さいよう候補こうほとなったぜろぜろきゅうねんから、これまでなな年間ねんかんをかけて、安全あんぜんせい確認かくにんするきびしい検査けんさおこなわれてきました。

NASAなさ担当たんとうしゃらがなんも、京都きょうとみなみ工場こうじょうおとずれ、ひとひとつの材料ざいりょうについて、どこからどのように仕入しいれたのか、それぞれの材料ざいりょう安全あんぜんせいはどのように確認かくにんされているのか、といった材料ざいりょうに関にかんする検査けんさをはじめ、どのような工程こうてい製造せいぞうされたのか、製造せいぞう担当たんとうするひとたちの訓練くんれんは、どのようにおこなわれているのか、といったてんまで、きわめてこまかくチェックされたということです。

NASAなさ検査けんさ対応たいおうした、ジーエス・ユアサテクノロジー、品質ひんしつ保証ほしょう宮永みやながただしきよしさんは「これまで経験けいけんしたことがないほどこまかく、かつ長期ちょうきわた検査けんさでした」と振り返ふりかえります。

きびしい検査けんさて、ようやく実際じっさい国際こくさい宇宙うちゅうステーションにけて打ち上うちあげられることについて、電池でんち開発かいはつたった、ジーエス・ユアサテクノロジーの各務かがみ優太ゆうたさんは、「これまで長年ながねんにわたり積み重つみかさねてきた信頼しんらいせいみとめられ、いのちあずかる国際こくさい宇宙うちゅうステーションに採用さいようされたとかんがえています。実際じっさい取り付とりつけられるのがたのしみです」とはなしています。

日本にっぽんせい機器きき採用さいようはじめて

国際こくさい宇宙うちゅうステーションには、現在げんざいわせてよんはちのバッテリーがあり、太陽たいよう電池でんちパネルで発電はつでんした電気でんき蓄電ちくでんしたうえで、サッカーじょうおなじくらいのひろさの宇宙うちゅうステーション全体ぜんたい電気でんき供給きょうきゅうしています。

供給きょうきゅうした電気でんきは、さまざまな実験じっけん装置そうち使つかわれるほか、宇宙うちゅうステーションの空調くうちょう照明しょうめいなど宇宙うちゅう飛行ひこう生活せいかつかせない機器きき使つかわれ、重要じゅうようなライフラインとなっています。

現在げんざい使つかわれているバッテリーは、これから劣化れっかすすむと予想よそうされることから、NASAなさ=アメリカ航空こうくう宇宙うちゅうきょく交換こうかん必要ひつようだと判断はんだんし、あたらしいバッテリーに、日本にっぽんせいのリチウムイオン電池でんち採用さいようしました。国際こくさい宇宙うちゅうステーションの基盤きばんとなる重要じゅうよう設備せつびに、日本にっぽんせい機器きき採用さいようされるのははじめてです。

日本にっぽんせい電池でんち運用うんよう延長えんちょう貢献こうけん

ぜろいちいちねん完成かんせいした国際こくさい宇宙うちゅうステーションは、当初とうしょぜろぜろねんまでの運用うんようとなっていましたが、運用うんよう期間きかんぜろよんねんまでよん年間ねんかん延長えんちょうすることになりました。

JAじぇいえいえっくすえい宇宙うちゅう航空こうくう研究けんきゅう開発かいはつ機構きこうによりますと、あらたにしゅ電源でんげんとして採用さいようされた日本にっぽんせい電池でんちによって、今後こんごいちぜろ年間ねんかんは、電力でんりょく供給きょうきゅうつづけられる見通みとおしとなり、技術ぎじゅつてき課題かだい解決かいけつされたことも、運用うんよう延長えんちょうまった背景はいけいにあるということです。
ソース:NHK ニュース