Show Furigana
島根県沖で漁船転覆 1人死亡8人不明 夜を徹して捜索
2016-12-14 09:57:19

14日午前5時20分ごろ、島根県松江市の沖合およそ2キロの日本海で、鳥取県岩美町の田後漁協に所属する底引き網漁船「大福丸」(76トン)が転覆しました。
第8管区海上保安本部によりますと、この事故で沖島保司船長(53)など、乗組員9人の行方がわからなくなり、その後、現場付近の海で乗組員の坂本孝裕さん(54)が見つかりましたが、死亡が確認されました。今も8人の行方がわかっていません。
当時、大福丸はエンジンのトラブルで動けなくなり、別の漁船にえい航されていて、海上保安本部によりますと、大福丸をえい航していた漁船の関係者は当時の様子について、「午前3時から4時ごろ大福丸から無線で依頼を受けて、えい航していたが、もう1度、無線連絡があって後ろを確認したところ、船が見えなくなっていた」などと話しているということです。
大福丸は先月から日本海でズワイガニ漁を行っていて、今回の漁は今月8日の夕方、境港を出港して隠岐諸島の西側で行われていました。14日、港に戻る予定だったということです。
海上保安本部は引き続き、巡視船を出して、今も行方がわかっていない8人の捜索を夜を徹して続けることにしています。
第8管区海上保安本部によりますと、この事故で沖島保司船長(53)など、乗組員9人の行方がわからなくなり、その後、現場付近の海で乗組員の坂本孝裕さん(54)が見つかりましたが、死亡が確認されました。今も8人の行方がわかっていません。
当時、大福丸はエンジンのトラブルで動けなくなり、別の漁船にえい航されていて、海上保安本部によりますと、大福丸をえい航していた漁船の関係者は当時の様子について、「午前3時から4時ごろ大福丸から無線で依頼を受けて、えい航していたが、もう1度、無線連絡があって後ろを確認したところ、船が見えなくなっていた」などと話しているということです。
大福丸は先月から日本海でズワイガニ漁を行っていて、今回の漁は今月8日の夕方、境港を出港して隠岐諸島の西側で行われていました。14日、港に戻る予定だったということです。
海上保安本部は引き続き、巡視船を出して、今も行方がわかっていない8人の捜索を夜を徹して続けることにしています。
県などが乗組員の家族に説明
鳥取県は14日夕方、境港市内に対策本部を設置し、集まった乗組員の家族などに夜を徹して捜索が行われることなどが説明され、家族からは事故原因についての質問や詳しい情報提供を求める要望が出されました。
鳥取県の対策本部は境港にある県営の卸売市場の会議室に設けられ、平井知事が乗組員の家族や漁協の関係者など集まった20人余りを前に「大変な事故になり、心からお見舞いを申し上げたい。国などとともに行方不明者をお助けできるよう頑張りたい」と述べ行方不明者の捜索に全力を挙げる方針を伝えました。
また、境海上保安部がこれまでの捜索の状況を説明し、乗組員の家族からは事故原因についての質問や詳しい情報提供を求める要望が出されました。
鳥取県の対策本部は境港にある県営の卸売市場の会議室に設けられ、平井知事が乗組員の家族や漁協の関係者など集まった20人余りを前に「大変な事故になり、心からお見舞いを申し上げたい。国などとともに行方不明者をお助けできるよう頑張りたい」と述べ行方不明者の捜索に全力を挙げる方針を伝えました。
また、境海上保安部がこれまでの捜索の状況を説明し、乗組員の家族からは事故原因についての質問や詳しい情報提供を求める要望が出されました。
大福丸をえい航した船の船長は
エンジンのトラブルで動けなくなった大福丸は、別の漁船の第2共福丸にえい航されていた際に、転覆しました。
第2共福丸の山口有史船長は電話でNHKのインタビューに応じ、「救助を求める連絡を受けて午前3時ごろ、現場付近に向かうと、大福丸は電気が消えた状態で漂流していた。その後、電気が復旧したので無線で船長と話すと『燃料タンクに海水が混ざってエンジンがかからない』と話していた」と証言しました。
そして、「その後、30分ほどえい航すると、大福丸の船長から船の傾きが大きくなったと再び無線で連絡があり、その数分後に突然、『ああ、もう船が沈む』という声が聞こえ、連絡が途絶えた。その後、確認したところ船底を上にして転覆していた。船の西側で船員1人を見つけたが、ほかの船員の姿はなかった」と、当時の様子を語りました。
第2共福丸の山口有史船長は電話でNHKのインタビューに応じ、「救助を求める連絡を受けて午前3時ごろ、現場付近に向かうと、大福丸は電気が消えた状態で漂流していた。その後、電気が復旧したので無線で船長と話すと『燃料タンクに海水が混ざってエンジンがかからない』と話していた」と証言しました。
そして、「その後、30分ほどえい航すると、大福丸の船長から船の傾きが大きくなったと再び無線で連絡があり、その数分後に突然、『ああ、もう船が沈む』という声が聞こえ、連絡が途絶えた。その後、確認したところ船底を上にして転覆していた。船の西側で船員1人を見つけたが、ほかの船員の姿はなかった」と、当時の様子を語りました。
国の運輸安全委員会の調査官が聞き取り
今回の事故を受けて、国の運輸安全委員会の調査官が、転覆した大福丸が所属する鳥取県岩美町の田後漁協を訪れ、漁協の幹部から話を聞きました。
鳥取県岩美町の田後漁協には14日午後3時半ごろ、国の運輸安全委員会の調査官3人が訪れ、漁協の専務理事と常務理事から話を聞きました。
このあと、運輸安全委員会の吉田茂樹船舶事故調査官は報道各社の取材に応じ、「操業の内容などは教えてもらったが、事故に関することはまだ不確定なところが多く話せる段階ではない。多くの乗組員がまだ行方不明なので、二度とこのような事故が起きないよう転覆の原因を究明し、再発防止につながる調査をしたい」と話しました。
運輸安全委員会は15日、境海上保安部で捜索の状況などについて聞き取りを行うということです。
鳥取県岩美町の田後漁協には14日午後3時半ごろ、国の運輸安全委員会の調査官3人が訪れ、漁協の専務理事と常務理事から話を聞きました。
このあと、運輸安全委員会の吉田茂樹船舶事故調査官は報道各社の取材に応じ、「操業の内容などは教えてもらったが、事故に関することはまだ不確定なところが多く話せる段階ではない。多くの乗組員がまだ行方不明なので、二度とこのような事故が起きないよう転覆の原因を究明し、再発防止につながる調査をしたい」と話しました。
運輸安全委員会は15日、境海上保安部で捜索の状況などについて聞き取りを行うということです。
大福丸が転覆するまでのいきさつは
第8管区海上保安本部によりますと、転覆した大福丸は今月8日から隠岐諸島西側の日本海でズワイガニ漁を行い、14日、鳥取県境港市の境港に向けて、帰港する途中だったということです。
しかし、午前3時から4時ごろに無線で、「エンジンが止まって船体も傾いている。えい航をお願いする」と、同じ漁協に所属する漁船に連絡がありました。
その後、大福丸は、この船にえい航されて松江市の美保関灯台の沖合、およそ2キロの日本海まで10キロほど移動しましたが、再び無線で連絡を取ったあと、姿が見えなくなったということです。
このため、えい航していた漁船から連絡を受けた漁協が、午前5時20分ごろ海上保安本部に「船が転覆した」と通報したということです。
しかし、午前3時から4時ごろに無線で、「エンジンが止まって船体も傾いている。えい航をお願いする」と、同じ漁協に所属する漁船に連絡がありました。
その後、大福丸は、この船にえい航されて松江市の美保関灯台の沖合、およそ2キロの日本海まで10キロほど移動しましたが、再び無線で連絡を取ったあと、姿が見えなくなったということです。
このため、えい航していた漁船から連絡を受けた漁協が、午前5時20分ごろ海上保安本部に「船が転覆した」と通報したということです。
ソース:NHK ニュース