大学生だいがくせいなどの給付きゅうふ型がた奨学しょうがく金きん 来年度らいねんどから一部いちぶ支給しきゅうへ

大学生だいがくせいなどを対象たいしょうにした返済へんさいの必要ひつようがない給付きゅうふ型がた奨学しょうがく金きんとして、文部もんぶ科学かがく省しょうは低てい所得しょとく世帯せたいの学生がくせいを対象たいしょうに、一定いっていの成績せいせきなどを条件じょうけんに、月額げつがく２に万まん円えんから４よん万まん円えんを給付きゅうふすることを決きめました。本格ほんかく的てきな導入どうにゅうは再来さいらい年度ねんどからですが、特とくに経済けいざい的てきに厳きびしい学生がくせいには来年度らいねんどから支給しきゅうされます。

文部もんぶ科学かがく省しょうは、家庭かていの経済けいざい的てきな理由りゆうで大学だいがくへの進学しんがくを断念だんねんしたり、奨学しょうがく金きんの返済へんさいに苦くるしむ卒業そつぎょう生せいが増加ぞうかしたりしていることを受うけて、返済へんさいの必要ひつようがない給付きゅうふ型がた奨学しょうがく金きんの導入どうにゅうを決きめ、１いち９きゅう日にち、制度せいど案あんを公表こうひょうしました。

それによりますと、給付きゅうふの対象たいしょうとなるのは、低てい所得しょとく世帯せたいの学生がくせいのうち、高校こうこうが推薦すいせんし一定いっていの成績せいせきを収おさめた学生がくせいなどおよそ２に万まん人にんです。
金額きんがくは、全体ぜんたいの７なな割わりを占しめるとされる私立しりつ大学だいがくの自宅じたく生せいと国公立こっこうりつ大学だいがくの下宿げしゅく生せいを月額げつがく３さん万まん円えんとするほか、国公立こっこうりつ大学だいがくの自宅じたく生せいが２に万まん円えん、私立しりつ大学だいがくの下宿げしゅく生せいが４よん万まん円えんとなっています。このほか、児童じどう養護ようご施設しせつなどから進学しんがくした学生がくせいに対にたいしては入学にゅうがく時じに２に４よん万まん円えんを支給しきゅうすることも決きめました。

文部もんぶ科学かがく省しょうは、この給付きゅうふ型がた奨学しょうがく金きんを平成へいせい３さん０ぜろ年度ねんどから本格ほんかく的てきに導入どうにゅうすることにしていますが、私立しりつ大学だいがくの下宿げしゅく生せいと養護ようご施設しせつなどから進学しんがくする学生がくせいに対にたいしては来年度らいねんどから先行せんこうして給付きゅうふします。

義ぎ家か文部もんぶ科学かがく副ふく大臣だいじんは「経済けいざい的てきに困難こんなんな家庭かていの子こどもに対にたいして進学しんがくの後押あとおしができる制度せいどになったと思おもっている。対象たいしょうや金額きんがくについては今後こんごも現場げんばの声こえを反映はんえいしながら、さらに支援しえんできるよう取り組とりくんでいきたい」と話はなしていました。

奨学しょうがく金きん説明せつめい会かいに参加さんかした高校生こうこうせいは

新あらたに導入どうにゅうされる給付きゅうふ型がた奨学しょうがく金きんについて、都内とないで開ひらかれた奨学しょうがく金きんの説明せつめい会かいに参加さんかした高校生こうこうせいに話はなしを聞ききました。

このうち、大学だいがくに進学しんがくするために奨学しょうがく金きんの利用りようを検討けんとうしているという高校こうこう１いち年ねんの女子じょし生徒せいとは、「今いまの奨学しょうがく金きんは、返済へんさいできるのかという不安ふあんがあります。３さん万まん円えんというのは額がくが少すくないとは思おもいますが、ないよりはあったほうがいいと思おもいます」と話はなしていました。
また、別べつの女子じょし生徒せいとは「経済けいざい的てきに家いえに余裕よゆうがあるわけではないので、奨学しょうがく金きんを借かりるつもりです。給付きゅうふ型がたで自分じぶんの負担ふたんが減へるのなら助たすかると思おもいます」と話はなしていました。

専門せんもん家か「運用うんようしながら制度せいどの見直みなおし必要ひつよう」

奨学しょうがく金きん制度せいどに詳くわしい東京とうきょう大学だいがくの小林こばやし雅之まさゆき教授きょうじゅは、「ここ最近さいきんは雇用こよう環境かんきょうの変化へんかにより返済へんさいができない人ひとが増ふえるなど、従来じゅうらいの貸与たいよ型がたの奨学しょうがく金きんだけでは社会しゃかいに対応たいおうできず、学生がくせいの負担ふたんが増ましていた。国際こくさい的てきに見みても日本にっぽんは奨学しょうがく金きん制度せいどが遅おくれていて、給付きゅうふ型がたの奨学しょうがく金きんが設もうけられることは評価ひょうかできる」としています。

一方いっぽうで、「給付きゅうふの条件じょうけんとして一定いっていの学力がくりょくを収おさめると示しめされているが、そもそも低てい所得しょとくの家庭かていの子こどもは学力がくりょくが低ひくいケースが多おおく、進学しんがくしたくても対象たいしょうから外はずれてしまうおそれがある。また、海外かいがいの給付きゅうふ型がた奨学しょうがく金きんはおおむね月額げつがく５ご万まん円えんだが、３さん万まん円えん前後ぜんごでは本当ほんとうに負担ふたんが軽減けいげんできるか疑問ぎもんで、今後こんご運用うんようしながら制度せいどの見直みなおしを進すすめることが必要ひつようだ。また、日本にっぽんは大学だいがくの授業じゅぎょう料りょうが非常ひじょうに高たかく、国くにの財政ざいせいに余裕よゆうがない中なかでは、奨学しょうがく金きんだけでなく、授業じゅぎょう料りょうの見直みなおしも併あわせて行おこなうべきだ」と指摘してきしています。

ソース：NHK ニュース