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辺野古埋め立て訴訟 沖縄県の敗訴確定 最高裁
2016-12-20 07:04:13

沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設先とされる名護市辺野古沖の埋め立ての承認をめぐり、国が沖縄県を訴えた裁判で、最高裁判所は、翁長知事が承認を取り消したのは違法だとする判決を言い渡しました。これによって県の敗訴が確定し、中断していた普天間基地の移設工事が再開される見通しとなりました。
名護市辺野古沖の埋め立て承認を翁長知事が取り消したことをめぐっては、ことし3月に国と沖縄県が裁判でいったん和解しましたが、再び法廷で争う異例の経緯をたどっています。
ことし9月、福岡高等裁判所那覇支部は「埋め立てを承認した前の知事の判断に不合理な点はない」として、国の訴えを認める判決を言い渡し、県側が上告していました。
20日の判決で、最高裁判所第2小法廷の鬼丸かおる裁判長は「前の知事が普天間基地の騒音被害や危険性の除去が課題であることを前提に、辺野古沖の埋め立ての規模や位置が適正で合理的だと判断したことに違法性はない」などとして、高裁に続いて、翁長知事が承認を取り消したのは違法だとする判断を示しました。これによって県の敗訴が確定し、中断していた普天間基地の移設工事が再開される見通しとなりました。
一方、翁長知事はあらゆる手段で移設を阻止する考えを示していて、国と県の今後の対応が注目されます。
ことし9月、福岡高等裁判所那覇支部は「埋め立てを承認した前の知事の判断に不合理な点はない」として、国の訴えを認める判決を言い渡し、県側が上告していました。
20日の判決で、最高裁判所第2小法廷の鬼丸かおる裁判長は「前の知事が普天間基地の騒音被害や危険性の除去が課題であることを前提に、辺野古沖の埋め立ての規模や位置が適正で合理的だと判断したことに違法性はない」などとして、高裁に続いて、翁長知事が承認を取り消したのは違法だとする判断を示しました。これによって県の敗訴が確定し、中断していた普天間基地の移設工事が再開される見通しとなりました。
一方、翁長知事はあらゆる手段で移設を阻止する考えを示していて、国と県の今後の対応が注目されます。
最高裁前で基地移設計画反対の人たちが集会
最高裁判所の前には、沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設計画に反対する人たちが集まり、判決に対して抗議の声を上げました。
午後3時からの判決の言い渡しを前に、最高裁判所の前では、普天間基地の移設計画に反対する団体のメンバーなどが集会を開き、主催者によりますと、およそ100人が参加したということです。
集まった人たちは、「新辺野古基地NO」とか、「辺野古の海を守ろう」などと書かれたプラカードを最高裁に向かって掲げていました。
参加した人たちは「高裁判決は政府の言い分をうのみにしている。最高裁はまともな審理を行うべきだ」などと口々に訴えました。そして、午後3時すぎに沖縄県が敗訴したことが伝えられると、抗議の声を上げ、「地方自治体は何でも国に従えと言うのか。最高裁には裏切られた」などと訴えていました。
午後3時からの判決の言い渡しを前に、最高裁判所の前では、普天間基地の移設計画に反対する団体のメンバーなどが集会を開き、主催者によりますと、およそ100人が参加したということです。
集まった人たちは、「新辺野古基地NO」とか、「辺野古の海を守ろう」などと書かれたプラカードを最高裁に向かって掲げていました。
参加した人たちは「高裁判決は政府の言い分をうのみにしている。最高裁はまともな審理を行うべきだ」などと口々に訴えました。そして、午後3時すぎに沖縄県が敗訴したことが伝えられると、抗議の声を上げ、「地方自治体は何でも国に従えと言うのか。最高裁には裏切られた」などと訴えていました。
国と沖縄県の対立の経緯
名護市辺野古沖の埋め立て承認をめぐる国と沖縄県の対立は、双方が裁判を起こして争う異例の事態となりました。
アメリカ軍普天間基地の辺野古沖への移設計画に反対する翁長知事は、去年10月、仲井真前知事が3年前に行った埋め立て承認について、「法律上問題があった」として取り消しました。
これに対して、国は「著しく公益を害する」として、去年11月、知事の代わりに取り消しを撤回する代執行を求める訴えを福岡高等裁判所那覇支部に起こしました。これに対して県も、工事を早急に止めるには裁判を起こす必要があるとして、国を訴えました。
主張が対立する中、裁判所は和解を勧告し、ことし3月に双方が受け入れて、埋め立て工事は中止されました。
和解条項では、国と県が問題の解決に向けた協議を行うことや、その間の法的な手続きが示され、国はこの条項に基づいて承認の取り消しを撤回するよう求める是正の指示を出しました。県は、この指示には応じられないとして、国と地方の争いを調停する国地方係争処理委員会に審査を申し出ました。
ことし6月、委員会は、国の指示が違法かどうか判断しないとする結論をまとめ、国と県が協議して解決するよう求めました。
翁長知事は、国の指示には応じないまま、協議を通じて問題の解決を目指したいという考えを伝えました。これに対して国は、県が指示に応じないのは違法だとして、今回の裁判を起こし、再び法廷で争うことになりました。
ことし9月、福岡高等裁判所那覇支部は、国の主張を全面的に認め、翁長知事が承認を取り消したのは違法だとする判決を言い渡し、県が上告しました。
そして今月12日、最高裁判所が高等裁判所の判断を変更する際に必要な弁論を開かずに判決を言い渡すことを決め、沖縄県の敗訴が確定することになりました。
翁長知事は、敗訴が確定したとしても、知事が持つあらゆる権限を使って移設計画を阻止する考えを示していて、今後の対応が焦点となります。
アメリカ軍普天間基地の辺野古沖への移設計画に反対する翁長知事は、去年10月、仲井真前知事が3年前に行った埋め立て承認について、「法律上問題があった」として取り消しました。
これに対して、国は「著しく公益を害する」として、去年11月、知事の代わりに取り消しを撤回する代執行を求める訴えを福岡高等裁判所那覇支部に起こしました。これに対して県も、工事を早急に止めるには裁判を起こす必要があるとして、国を訴えました。
主張が対立する中、裁判所は和解を勧告し、ことし3月に双方が受け入れて、埋め立て工事は中止されました。
和解条項では、国と県が問題の解決に向けた協議を行うことや、その間の法的な手続きが示され、国はこの条項に基づいて承認の取り消しを撤回するよう求める是正の指示を出しました。県は、この指示には応じられないとして、国と地方の争いを調停する国地方係争処理委員会に審査を申し出ました。
ことし6月、委員会は、国の指示が違法かどうか判断しないとする結論をまとめ、国と県が協議して解決するよう求めました。
翁長知事は、国の指示には応じないまま、協議を通じて問題の解決を目指したいという考えを伝えました。これに対して国は、県が指示に応じないのは違法だとして、今回の裁判を起こし、再び法廷で争うことになりました。
ことし9月、福岡高等裁判所那覇支部は、国の主張を全面的に認め、翁長知事が承認を取り消したのは違法だとする判決を言い渡し、県が上告しました。
そして今月12日、最高裁判所が高等裁判所の判断を変更する際に必要な弁論を開かずに判決を言い渡すことを決め、沖縄県の敗訴が確定することになりました。
翁長知事は、敗訴が確定したとしても、知事が持つあらゆる権限を使って移設計画を阻止する考えを示していて、今後の対応が焦点となります。
ソース:NHK ニュース