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天皇陛下 83歳の誕生日
2016-12-22 22:41:21

天皇陛下は、23日、83歳の誕生日を迎えられました。これを前に記者会見に臨んだ天皇陛下は、ことし1年を振り返る中で、8月にビデオメッセージで表明したお気持ちについて、「多くの人々が耳を傾け、おのおのの立場で親身に考えてくれていることに、深く感謝しています」と話されました。
天皇陛下は、誕生日を前に皇居・宮殿で記者会見に臨み、ことし1年を振り返って感じたことを述べられました。
この中で、天皇陛下は、まず、1月に皇后さまとフィリピンを訪れ、日本とフィリピン両国の戦没者を慰霊したことについて、「両国の今日の友好関係は、先の大戦で命を落とした多くのフィリピン人、日本人の犠牲の上に、長い年月を経て築かれてきました。こうした戦没者の霊の鎮まるそれぞれの場を訪ね、冥福を祈る機会を得たことは、有り難いことでした」と話されました。
また、東日本大震災の発生から5年になることし、福島、宮城、岩手の東北3県を訪れ、被災地の実情を視察したことを振り返りながら、「この5年間、皆が協力して復興の努力を積み重ね、多くの成果がもたらされてきました。しかし同時に、今なお多くの人が困難をしのんでおり、この人々が、1日も早く日常を取り戻せるよう、国民皆が寄り添い、協力していくことが必要と感じます」と述べられました。
さらに、ことしの自然災害も振り返り、4月の熊本地震で大きな被害が出たあとも長く余震が続いたことに触れ、「人々の不安はいかばかりであったかと思います」と被災者を気遣うとともに、8月の台風10号による大雨災害についても、「高齢者グループホームの人たちを含め、多くの人が犠牲になったことも痛ましいことでした」と話されました。
続いて、天皇陛下は、8月にビデオメッセージで表明したお気持ちについて語り、「天皇としてのみずからの歩みを振り返り、この先の在り方、務めについて、ここ数年考えてきたことを内閣とも相談しながら表明しました」と述べられました。そして、「多くの人々が耳を傾け、おのおのの立場で親身に考えてくれていることに、深く感謝しています」と話されました。
天皇陛下は、ブラジルのリオデジャネイロで開かれたオリンピックとパラリンピックにも触れて、「毎朝テレビで、日本人選手の活躍する姿が見られたことは、楽しいことでした。オリンピックと同様に、パラリンピックにも多くの人々の関心が寄せられていることをうれしく思いました」と述べられました。
皇居では23日、一般参賀が行われ、天皇陛下は皇族方とともに、午前中3回、宮殿のベランダに立ち、お祝いを受けられます。
この中で、天皇陛下は、まず、1月に皇后さまとフィリピンを訪れ、日本とフィリピン両国の戦没者を慰霊したことについて、「両国の今日の友好関係は、先の大戦で命を落とした多くのフィリピン人、日本人の犠牲の上に、長い年月を経て築かれてきました。こうした戦没者の霊の鎮まるそれぞれの場を訪ね、冥福を祈る機会を得たことは、有り難いことでした」と話されました。
また、東日本大震災の発生から5年になることし、福島、宮城、岩手の東北3県を訪れ、被災地の実情を視察したことを振り返りながら、「この5年間、皆が協力して復興の努力を積み重ね、多くの成果がもたらされてきました。しかし同時に、今なお多くの人が困難をしのんでおり、この人々が、1日も早く日常を取り戻せるよう、国民皆が寄り添い、協力していくことが必要と感じます」と述べられました。
さらに、ことしの自然災害も振り返り、4月の熊本地震で大きな被害が出たあとも長く余震が続いたことに触れ、「人々の不安はいかばかりであったかと思います」と被災者を気遣うとともに、8月の台風10号による大雨災害についても、「高齢者グループホームの人たちを含め、多くの人が犠牲になったことも痛ましいことでした」と話されました。
続いて、天皇陛下は、8月にビデオメッセージで表明したお気持ちについて語り、「天皇としてのみずからの歩みを振り返り、この先の在り方、務めについて、ここ数年考えてきたことを内閣とも相談しながら表明しました」と述べられました。そして、「多くの人々が耳を傾け、おのおのの立場で親身に考えてくれていることに、深く感謝しています」と話されました。
天皇陛下は、ブラジルのリオデジャネイロで開かれたオリンピックとパラリンピックにも触れて、「毎朝テレビで、日本人選手の活躍する姿が見られたことは、楽しいことでした。オリンピックと同様に、パラリンピックにも多くの人々の関心が寄せられていることをうれしく思いました」と述べられました。
皇居では23日、一般参賀が行われ、天皇陛下は皇族方とともに、午前中3回、宮殿のベランダに立ち、お祝いを受けられます。
天皇陛下のこの1年
天皇陛下は、この1年、皇后さまとともに戦争の歴史に向き合い、自然災害の被災地に心を寄せ続けられました。
1月には、54年ぶりにフィリピンを公式訪問されました。国際親善に努める一方で、マニラ郊外にある日本政府の慰霊碑を訪ねて、長く心にかけてきた日本人戦没者の慰霊を果たし、フィリピン側の戦没者も追悼されました。
5月には、熊本地震で大きな被害を受けた南阿蘇村と益城町を訪れ、被災した人たちを見舞われました。
東日本大震災から5年が経ったことしは、福島、宮城、岩手の東北3県の被災地も訪れて、復興に向かう人たちを励まされました。3県を同じ年に訪問されるのは、震災があった年以来のことでした。
8月8日には、ビデオメッセージで10分余りにわたって国民に語りかけ、退位の意向が強くにじむお気持ちを表わされました。
天皇陛下は、その後も変わりなく公務に臨み、皇后さまと全国各地を回って、多くの人たちと触れ合われました。
1月には、54年ぶりにフィリピンを公式訪問されました。国際親善に努める一方で、マニラ郊外にある日本政府の慰霊碑を訪ねて、長く心にかけてきた日本人戦没者の慰霊を果たし、フィリピン側の戦没者も追悼されました。
5月には、熊本地震で大きな被害を受けた南阿蘇村と益城町を訪れ、被災した人たちを見舞われました。
東日本大震災から5年が経ったことしは、福島、宮城、岩手の東北3県の被災地も訪れて、復興に向かう人たちを励まされました。3県を同じ年に訪問されるのは、震災があった年以来のことでした。
8月8日には、ビデオメッセージで10分余りにわたって国民に語りかけ、退位の意向が強くにじむお気持ちを表わされました。
天皇陛下は、その後も変わりなく公務に臨み、皇后さまと全国各地を回って、多くの人たちと触れ合われました。
表明されたお気持ちは
天皇陛下は、ことしの8月8日、10分余りに及ぶビデオメッセージで、退位の意向が強くにじんだお気持ちを表明されました。
この中で、天皇陛下は、はじめに、天皇の立場上、今の皇室制度に具体的に触れることは控えるとしたうえで、「社会の高齢化が進む中、天皇もまた高齢となった場合、どのような在り方が望ましいか、個人として、これまでに考えて来たことを話したい」と述べられました。
そして、高齢による体力の低下を感じるようになったと話し、「次第に進む身体の衰えを考慮する時、これまでのように、全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないかと案じています」と胸の内を語られました。
続いて、天皇陛下は、天皇の高齢化に伴う対応について言及し、公務を限りなく減らしていくことには無理があるという考えを示されました。
また、天皇の行為を代行する摂政を置いた場合、天皇が、求められる務めを十分に果たせぬまま、生涯、天皇であり続けることになるとして、否定的な考えを表されました。
天皇陛下が表明されたお気持ちは、退位の意向が強くにじむもので、最後に、「象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じる」として国民に理解を求められました。
この中で、天皇陛下は、はじめに、天皇の立場上、今の皇室制度に具体的に触れることは控えるとしたうえで、「社会の高齢化が進む中、天皇もまた高齢となった場合、どのような在り方が望ましいか、個人として、これまでに考えて来たことを話したい」と述べられました。
そして、高齢による体力の低下を感じるようになったと話し、「次第に進む身体の衰えを考慮する時、これまでのように、全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないかと案じています」と胸の内を語られました。
続いて、天皇陛下は、天皇の高齢化に伴う対応について言及し、公務を限りなく減らしていくことには無理があるという考えを示されました。
また、天皇の行為を代行する摂政を置いた場合、天皇が、求められる務めを十分に果たせぬまま、生涯、天皇であり続けることになるとして、否定的な考えを表されました。
天皇陛下が表明されたお気持ちは、退位の意向が強くにじむもので、最後に、「象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じる」として国民に理解を求められました。
ソース:NHK ニュース