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糸魚川の大規模火災 密集建物のひさし伝いに延焼も
2016-12-23 09:51:04

22日、新潟県糸魚川市で住宅などおよそ150棟が焼けた大規模火災は、火の粉などが風にあおられて離れた場所に飛んだことや、密集する建物のひさしを伝って燃え広がったことで、被害が拡大したと複数の住民が証言していることがわかりました。警察と消防は、24日も検証を行うことにしています。
22日午前10時半ごろ、新潟県糸魚川市のラーメン店から火が出て、住宅や店舗などおよそ150棟が延焼し、住民や消防団員の合わせて11人がけがをしました。
消防が消火活動を続けた結果、出火からおよそ30時間たった、23日午後4時半ごろ、火は完全に消し止められ、鎮火しました。
市の災害対策本部によりますと、延焼した範囲はおよそ4万平方メートルに及ぶとみられ、今も付近の363世帯の744人に避難勧告が出されています。
警察と消防は、23日、6時間余りにわたって火が出たラーメン店を中心に検証を行い、警察官や消防隊員が建物の中で写真を撮ったり、焼け落ちた屋根や柱を運び出したりしていました。
今回の火災では、火元から火の粉などが風にあおられて離れた場所に次々と飛んだことや、密集する建物のひさしを伝って燃え広がったことで、被害が拡大したと複数の住民が証言していることがわかりました。
現場の消防隊員も、消火活動が難航する中で、離れた住宅などに次々と火の粉などが飛んでいったと証言しています。
警察と消防は、24日も検証を行い、火が出た原因や、延焼した状況を調べることにしています。
消防が消火活動を続けた結果、出火からおよそ30時間たった、23日午後4時半ごろ、火は完全に消し止められ、鎮火しました。
市の災害対策本部によりますと、延焼した範囲はおよそ4万平方メートルに及ぶとみられ、今も付近の363世帯の744人に避難勧告が出されています。
警察と消防は、23日、6時間余りにわたって火が出たラーメン店を中心に検証を行い、警察官や消防隊員が建物の中で写真を撮ったり、焼け落ちた屋根や柱を運び出したりしていました。
今回の火災では、火元から火の粉などが風にあおられて離れた場所に次々と飛んだことや、密集する建物のひさしを伝って燃え広がったことで、被害が拡大したと複数の住民が証言していることがわかりました。
現場の消防隊員も、消火活動が難航する中で、離れた住宅などに次々と火の粉などが飛んでいったと証言しています。
警察と消防は、24日も検証を行い、火が出た原因や、延焼した状況を調べることにしています。
飛び火 大規模な市街地火災に
火の粉による飛び火が大規模な市街地火災につながる場合は過去にも起きています。
今から40年前の昭和51年に山形県酒田市で1800棟近くが燃える大規模市街地火災となった「酒田大火」では、被害が拡大した要因の1つが飛び火でした。火災後に行われた調査で、風速10メートルを超える強風にあおられ、火の粉が500メートル以上風下に飛び、同時多発的な火災につながったことが明らかになっています。
4年前に国の研究機関などは茨城県つくば市で木造3階建ての学校を模した実物大の建物を燃やす実験を行い、火の粉がどの程度飛ぶのかを調べました。
このときの風速は4メートルほどでしたが、新たな火災につながる直径数センチほどの火の粉は、建物からおよそ700メートル離れた場所まで達していたことがわかっています。
また、建築研究所などが地震によって瓦が落ちた屋根に火の粉が飛んだという想定で行った実験では、小さな火の粉でも風にあおられるとわずか8分程度で燃えています。
現在は、燃えにくい材料を使った住宅が増えたことや、延焼を防ぐために幅の広い道路や公園などが整備されているため、延焼の危険性は少なくなってきていると考えられていました。
今から40年前の昭和51年に山形県酒田市で1800棟近くが燃える大規模市街地火災となった「酒田大火」では、被害が拡大した要因の1つが飛び火でした。火災後に行われた調査で、風速10メートルを超える強風にあおられ、火の粉が500メートル以上風下に飛び、同時多発的な火災につながったことが明らかになっています。
4年前に国の研究機関などは茨城県つくば市で木造3階建ての学校を模した実物大の建物を燃やす実験を行い、火の粉がどの程度飛ぶのかを調べました。
このときの風速は4メートルほどでしたが、新たな火災につながる直径数センチほどの火の粉は、建物からおよそ700メートル離れた場所まで達していたことがわかっています。
また、建築研究所などが地震によって瓦が落ちた屋根に火の粉が飛んだという想定で行った実験では、小さな火の粉でも風にあおられるとわずか8分程度で燃えています。
現在は、燃えにくい材料を使った住宅が増えたことや、延焼を防ぐために幅の広い道路や公園などが整備されているため、延焼の危険性は少なくなってきていると考えられていました。
専門家「相次いだ飛び火が要因の1つ」
今回の火災で延焼が拡大したことについて火災のメカニズムや建物の防火について詳しい専門家は、強風によって火の粉だけでなく、大きさが10センチ以上もある燃えた建物の一部などが飛ばされ、「飛び火」が相次いだことが要因の1つだったと指摘しています。
今回の火災では複数の住民が長さ10センチほどの燃える板や、火のついた木が強風に飛ばされているのを目撃していたほか、最初の火元から離れた複数の場所で火が出ているのを目撃していました。
火災のメカニズムや建物の防火に詳しい早稲田大学理工学術院の長谷見雄二教授によりますと、一般に風速が7、8メートル以上になると、火の粉だけでなく、火元の木材なども強風によって飛ばされるようになるため、「飛び火」によって延焼が起きる危険性がさらに高まるということです。
糸魚川市では22日は風速10メートル前後の強風が吹き続けていて、長谷見教授は、住民の証言や当時の映像から、火がついた木材なども強風によって飛ばされたために、火元から離れた場所で、同時多発的に飛び火が起きて火が燃え広がったと考えられると指摘しています。
さらに複数の場所で火災が相次いで起きた結果、地元の消防体制では完全に対応できず、延焼が拡大したのではないかと分析しています。
また、今回の火災が起きた地域は木造の建物が密集し、住宅だけでなく商店や倉庫なども点在していて、燃えやすい物が長い時間燃え続け、延焼の拡大につながった可能性もあるとしています。
そのうえで長谷見教授は「住宅や商店などが混在した木造密集地は全国に数多くあり、冬場の風の強い時に条件が重なれば、同じような大規模な火災はどこでも起こりうると考えておくべきだ。また、飛び火は燃え広がったあとでは手がつけられなくなるが初期であれば個人でも対応できる場合がある。消火器を準備するなど住民や地域がいざという場合に備えておくことも重要だ」と話しています。
今回の火災では複数の住民が長さ10センチほどの燃える板や、火のついた木が強風に飛ばされているのを目撃していたほか、最初の火元から離れた複数の場所で火が出ているのを目撃していました。
火災のメカニズムや建物の防火に詳しい早稲田大学理工学術院の長谷見雄二教授によりますと、一般に風速が7、8メートル以上になると、火の粉だけでなく、火元の木材なども強風によって飛ばされるようになるため、「飛び火」によって延焼が起きる危険性がさらに高まるということです。
糸魚川市では22日は風速10メートル前後の強風が吹き続けていて、長谷見教授は、住民の証言や当時の映像から、火がついた木材なども強風によって飛ばされたために、火元から離れた場所で、同時多発的に飛び火が起きて火が燃え広がったと考えられると指摘しています。
さらに複数の場所で火災が相次いで起きた結果、地元の消防体制では完全に対応できず、延焼が拡大したのではないかと分析しています。
また、今回の火災が起きた地域は木造の建物が密集し、住宅だけでなく商店や倉庫なども点在していて、燃えやすい物が長い時間燃え続け、延焼の拡大につながった可能性もあるとしています。
そのうえで長谷見教授は「住宅や商店などが混在した木造密集地は全国に数多くあり、冬場の風の強い時に条件が重なれば、同じような大規模な火災はどこでも起こりうると考えておくべきだ。また、飛び火は燃え広がったあとでは手がつけられなくなるが初期であれば個人でも対応できる場合がある。消火器を準備するなど住民や地域がいざという場合に備えておくことも重要だ」と話しています。
ソース:NHK ニュース