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国連こくれん安保理あんぽり みなみスーダン制裁せいさい決議けつぎ採択さいたくされず 日本にっぽん棄権きけん

2016-12-23 14:49:56

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民族みんぞくかん対立たいりつつづみなみスーダンに武器ぶき禁輸きんゆなどの制裁せいさい国連こくれん安全あんぜん保障ほしょう理事りじかい決議けつぎあん採決さいけつにかけられ、ななか国かこく賛成さんせいしたものの、のこはちか国かこく棄権きけんし、採択さいたくされませんでした。現地げんち国連こくれんPKOぴ-けいお-平和へいわ維持いじ活動かつどう自衛隊じえいたい派遣はけんしている日本にっぽんは、「和平わへいけた取り組とりくみを後押あとおしするべきで、制裁せいさいぎゃく効果こうかだ」として、棄権きけんまわりました。
みなみスーダンでは、自衛隊じえいたい派遣はけんされている首都しゅとジュバをのぞいて民族みんぞくかん衝突しょうとつなど相次あいついでいて、アメリカは「これ以上いじょう武器ぶき出回でまわ虐殺ぎゃくさつなどに発展はってんするのをふせぐため」として、現地げんち政府せいふふく紛争ふんそう当事者とうじしゃ武器ぶき禁輸きんゆなどの制裁せいさい安保理あんぽり決議けつぎあん提出ていしゅつしていました。

さんにちおこなわれた採決さいけつでは、安保理あんぽりいちか国かこくのうちアメリカやイギリスなどななか国かこく賛成さんせいしたものの、ロシア中国ちゅうごくといった常任じょうにん理事りじこく日本にっぽんなどはちか国かこく棄権きけんし、決議けつぎ採択さいたくされませんでした。採決さいけつ棄権きけんした理由りゆうについてロシアや中国ちゅうごく代表だいひょうは、「みなみスーダン政府せいふ圧力あつりょくをかけ和平わへいあやうくする」としており、日本にっぽん別所べっしょ国連こくれん大使たいしも「政府せいふはん政府せいふ勢力せいりょくとの対話たいわ周辺しゅうへんこく部隊ぶたい受け入うけいれをすすめようとするなか制裁せいさいぎゃく効果こうかになりかねない」とべました。

日本にっぽん外交がいこうすじNHKえぬえいちけい取材しゅざいに対にたいし、「制裁せいさいによってみなみスーダン政府せいふPKOぴ-けいお-協力きょうりょくてきになれば、治安ちあん悪化あっかして自衛隊じえいたいけつけ警護けいごおこな事態じたいえるおそれもある」としています。これに対にたいして、アメリカのパワー国連こくれん大使たいしは、「非常ひじょう残念ざんねんだ。現地げんち残虐ざんぎゃく状況じょうきょうに、なぜ各国かっこく良心りょうしんいたまないのか。このあと、どのような事態じたい発展はってんするのか心配しんぱいだ」とべ、名指なざしはけながらも日本にっぽんなどの対応たいおう批判ひはんしました。

みなみスーダン大使たいし 採択さいたく歓迎かんげい

安保理あんぽりみなみスーダンに対にたいして武器ぶき禁輸きんゆなどの制裁せいさい決議けつぎあん採択さいたくされなかったことをけ、みなみスーダンのマロック国連こくれん次席じせき大使たいしさんにち安保理あんぽり議場ぎじょう発言はつげんし、「過去かこ長期ちょうきにわたる内戦ないせん武器ぶき市民しみんわたっていることなどから、武器ぶき禁輸きんゆはさらに政府せいふちからよわめ、おおくの武装ぶそう勢力せいりょくちからつよめることになる」とべ、武器ぶき禁輸きんゆ和平わへい実現じつげんぎゃく効果こうかだというかんがえをしめし、採決さいけつ結果けっか歓迎かんげいしました。

そのうえで、「政府せいふ国民こくみん平和へいわをもたらすため、安保理あんぽりふくむすべての関係かんけいしゃ協力きょうりょくして和平わへい合意ごうい履行りこう努力どりょくする」とべ、あらためて国際こくさい社会しゃかい協力きょうりょくして和平わへい目指めざ姿勢しせい強調きょうちょうしました。

棄権きけん日本にっぽん PKOぴ-けいお-への影響えいきょう懸念けねん

日本にっぽん決議けつぎあん採決さいけつ棄権きけんしたことについて、国連こくれん日本にっぽん外交がいこうすじは、みなみスーダンに派遣はけんされた自衛隊じえいたい安全あんぜん確保かくほするうえで、現地げんち政府せいふとの協力きょうりょく関係かんけいたもち、対立たいりつけたい思惑おもわくがある、としています。

アフリカ各国かっこく部隊ぶたい受け入うけいれるなど、協力きょうりょくてき姿勢しせいはじめたみなみスーダン政府せいふにいま制裁せいさいせば、政府せいふ自衛隊じえいたいふく国連こくれんPKOぴ-けいお-協力きょうりょくてきになり、治安ちあん悪化あっかして自衛隊じえいたいけつけ警護けいごおこな事態じたいえることも懸念けねんされるといいます。

日本にっぽん政府せいふとしては、武器ぶき禁輸きんゆ意義いぎみとめつつも、現時点げんじてんでは治安ちあん安定あんていけたみなみスーダン政府せいふ取り組とりくみを後押あとおしすることを優先ゆうせんすべきだと判断はんだんし、あえて採決さいけつ棄権きけんしたと、外交がいこうすじ説明せつめいしています。

べい国連こくれん大使たいし非常ひじょうにがっかり」

みなみスーダンに武器ぶき禁輸きんゆなどの制裁せいさい国連こくれん安全あんぜん保障ほしょう理事りじかい決議けつぎあん採択さいたくされなかったことについて、アメリカのパワー国連こくれん大使たいしさんにち記者きしゃだんに対にたいし、「非常ひじょうにがっかりしている。国連こくれん事務じむ総長そうちょうまでもが、過剰かじょう武器ぶき流入りゅうにゅうによって大勢たいせい人々ひとびといのちとしていると指摘してきしているのに、これ以上いじょう議論ぎろんつづける必要ひつようがあるのか。現地げんち残虐ざんぎゃく状況じょうきょう安保理あんぽりメンバーの良心りょうしん揺り動ゆりうごかされないのか」とべ、日本にっぽんふく採決さいけつ棄権きけんした国々くにぐに批判ひはんしました。

そのうえで「これから現地げんちなに待ち受まちうけているのか、非常ひじょう心配しんぱいだ」として、決議けつぎ採択さいたくされなかったことで今後こんご武器ぶき流入りゅうにゅうつづき、現地げんち民族みんぞくかん虐殺ぎゃくさつなどに発展はってんする事態じたいつよ懸念けねん表明ひょうめいしました。

国際こくさい人権じんけん団体だんたい日本にっぽん説明せつめい理解りかいくるしむ」

日本にっぽん棄権きけんしたことについて、国際こくさい人権じんけんNGO、ヒューマン・ライツ・ウォッチの専門せんもんジョナサン・ペドノさんにちNHKえぬえいちけい取材しゅざいおうじました。このなかでペドノは、「みなみスーダン政府せいふは、これまでも市民しみん攻撃こうげきしないと国際こくさいてき約束やくそくしながら、繰り返くりかえしそれをやぶってきた。それにもかかわらず、みなみスーダン政府せいふ平和へいわへの取り組とりくみを優先ゆうせんさせたいという日本にっぽん説明せつめい理解りかいくるしむ」とべ、日本にっぽん対応たいおう批判ひはんしました。

さらにペドノは、「ことし7月しちがつ首都しゅとジュバで戦闘せんとう再燃さいねんしたときには、国連こくれん施設しせつ攻撃こうげきされ、PKOぴ-けいお-要員よういんにも死傷ししょうしゃた。PKOぴ-けいお-ふたた政府せいふぐんなどによって攻撃こうげきされる事態じたいになれば、輸入ゆにゅうされた武器ぶき使つかわれるおそれがたかい」と指摘してきし、日本にっぽんPKOぴ-けいお-派遣はけんしている陸上りくじょう自衛隊じえいたい部隊ぶたい安全あんぜんまもるためにも、むしろ決議けつぎあん支持しじするべきだったというかんがえをしめしました。
ソース:NHK ニュース