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核兵器かくへいき禁止きんし条約じょうやく交渉こうしょう国連こくれん総会そうかい決議けつぎ採択さいたく

2016-12-24 03:07:44

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核兵器かくへいき法的ほうてき禁止きんしする条約じょうやく制定せいていけて来年らいねんから交渉こうしょう開始かいしするという国連こくれん総会そうかい決議けつぎが、いちいちさんか国かこく賛成さんせい多数たすう採択さいたくされましたが、アメリカなど核兵器かくへいき保有ほゆうこくくわえ、段階だんかいてき核軍縮かくぐんしゅく主張しゅちょうする日本にっぽん反対はんたいし、国際こくさい社会しゃかい足並あしなみがおおきくみだれるかたちとなりました。
この決議けつぎは、核兵器かくへいき法的ほうてき禁止きんしする条約じょうやく制定せいていけて来年らいねん3月さんがつから国連こくれん各国かっこく交渉こうしょうはじめるというもので、核兵器かくへいき保有ほゆうしないオーストリアなどぜろか国かこく以上いじょう共同きょうどう提案ていあんし、ことし10月じゅうがつ国連こくれん総会そうかい委員いいんかい賛成さんせい多数たすう採択さいたくされました。

さんにちには国連こくれん総会そうかいでも決議けつぎあん採決さいけつにかけられ、過半数かはんすういちいちさんか国かこく賛成さんせいして決議けつぎ採択さいたくされましたが、中国ちゅうごくインドのぞ核兵器かくへいき保有ほゆうこくがいずれも反対はんたいしました。
また、唯一ゆいいつ戦争せんそう被爆ひばくこくとして核兵器かくへいき廃絶はいぜつうったえながらアメリカのかくかさしたにある日本にっぽんも、かく軍縮ぐんしゅく核兵器かくへいき保有ほゆうしないくにかく保有ほゆうこく協力きょうりょくして段階だんかいてきすすめるべきだとしてふたた反対はんたいしました。

軍縮ぐんしゅくくわしい国連こくれん外交がいこうすじは「かく保有ほゆうこく核兵器かくへいき近代きんだい増強ぞうきょうという方向ほうこうすすもうとしている現実げんじつと、核軍縮かくぐんしゅくすすめようという国連こくれんなかでの議論ぎろんかい離かいりおおきくなっている。条約じょうやく交渉こうしょうきびしいものになるだろう」と指摘してきしています。

決議けつぎ採択さいたくけて、来年らいねん3月さんがつから核兵器かくへいき禁止きんし条約じょうやく制定せいていけた交渉こうしょうはじまることになりますが、国際こくさい社会しゃかい足並あしなみがおおきくみだれるなか今後こんご世界せかい核軍縮かくぐんしゅくながれにどのような影響えいきょうおよぼすのか注目ちゅうもくされます。

外務省がいむしょう日本にっぽん立場たちば合致がっちせず」

外務省がいむしょうは、NHKえぬえいちけい取材しゅざいに対にたいし「今回こんかい決議けつぎは、核兵器かくへいき保有ほゆうこく保有ほゆうこく対立たいりつ助長じょちょうし、亀裂きれつふかめる内容ないようになっていて、『核兵器かくへいきのない世界せかい』を目指めざすために双方そうほう協力きょうりょくして具体ぐたいてき実践じっせんてき取り組とりくみをかさねる必要ひつようがあるという日本にっぽん立場たちばには合致がっちしなかった」としています。

また、決議けつぎ反対はんたいした背景はいけいには、北朝鮮きたちょうせんかく実験じっけん繰り返くりかえしていることなどきびしい安全あんぜん保障ほしょう環境かんきょう考慮こうりょする必要ひつようがあったとも説明せつめいしています。

一方いっぽう来年らいねん3月さんがつからはじまる条約じょうやく制定せいていけた交渉こうしょうについて、岸田きしだ外務がいむ大臣だいじんは、議論ぎろん参加さんかしてかく保有ほゆうこく保有ほゆうこく協力きょうりょくして核軍縮かくぐんしゅく着実ちゃくじつすすめることの必要ひつようせいうったえたいという意向いこうかさねてしめしていて、今後こんご議論ぎろん参加さんかするかどうか、政府せいふ全体ぜんたい検討けんとうすることにしています。

べい 禁止きんしいそいでもかく軍縮ぐんしゅくにならないと強調きょうちょう

核兵器かくへいき禁止きんしする条約じょうやく制定せいてい交渉こうしょう開始かいしするとする国連こくれん総会そうかい決議けつぎについて、アメリカのウッド軍縮ぐんしゅく大使たいしNHKえぬえいちけい取材しゅざいに対にたいし、「北朝鮮きたちょうせんかく開発かいはつ問題もんだいなど、現在げんざい不安定ふあんてい世界せかい情勢じょうせい無視むしした議論ぎろんで、失敗しっぱいするとしかおもえない」とべ、核兵器かくへいき禁止きんしいそいでもかく軍縮ぐんしゅくにはつながらないというかんがえを強調きょうちょうしました。

核兵器かくへいき法的ほうてき禁止きんしする条約じょうやく制定せいていけた交渉こうしょうはじめるとする決議けつぎ国連こくれん総会そうかい採択さいたくされるのをまえに、国連こくれん核軍縮かくぐんしゅく交渉こうしょうたっているアメリカのロバート・ウッド軍縮ぐんしゅく大使たいしNHKえぬえいちけいのインタビューにおうじました。

このなかでウッド大使たいしは、核兵器かくへいき禁止きんしする条約じょうやく反対はんたいする理由りゆうについて、「いま世界せかい情勢じょうせい不安定ふあんていだ。中国ちゅうごく台頭たいとうし、北朝鮮きたちょうせんかく開発かいはつ問題もんだいがあり、ロシア国際こくさいてき影響えいきょうりょくひろげようとしている。この情勢じょうせいなか核兵器かくへいき禁止きんしけた議論ぎろんはじめることは責任せきにんだ。失敗しっぱいするとしかおもえない」とべました。

また、おおくのくに核兵器かくへいき人道じんどうせいつよ懸念けねんいていることについては、「核兵器かくへいき議論ぎろんには人道じんどう安全あんぜん保障ほしょうふたつの側面そくめんがあり、安全あんぜん保障ほしょうめん考慮こうりょしない核軍縮かくぐんしゅく議論ぎろんきわめて危険きけんだ」と指摘してきしました。

さらに、核兵器かくへいき禁止きんし条約じょうやく停滞ていたいする核軍縮かくぐんしゅく後押あとおしするのではないかといういには、「かく保有ほゆうこく参加さんかしない議論ぎろんが、なぜかく廃絶はいぜつにつながるのか。条約じょうやく制定せいてい強行きょうこうすることは的外まとはずれな努力どりょくとしかおもえない」とべ、核兵器かくへいき禁止きんしいそいでもかく軍縮ぐんしゅくにはつながらないというかんがえを強調きょうちょうしました。
ソース:NHK ニュース