中国ちゅうごくの空母くうぼが初はじめて太平洋たいへいように 活動かつどう活発かっぱつ化かの可能かのう性せいも

２に４よん日にち、東シナ海ひがししなかいでの航行こうこうが確認かくにんされた中国ちゅうごく海軍かいぐんの空母くうぼが２に５ご日にち、沖縄おきなわ本島ほんとうと宮古みやふる島とうの間まを通過つうかし、太平洋たいへいように出でたことを防衛ぼうえい省しょうが確認かくにんしました。中国ちゅうごく海軍かいぐんは２に４よん日にち夜よる、空母くうぼなどが西太平洋にしたいへいようで訓練くんれんを行おこなうと発表はっぴょうしていて、防衛ぼうえい省しょうは今後こんご、活動かつどうをさらに活発かっぱつ化かさせる可能かのう性せいもあると見みて、分析ぶんせきを続つづけています。

防衛ぼうえい省しょうによりますと、２に５ご日にち午前ごぜん１いち０ぜろ時じごろ、中国ちゅうごく海軍かいぐんの空母くうぼ「遼寧りょうねい」がミサイル駆逐くちく艦かんなど合あわせて６ろく隻せきで沖縄おきなわ本島ほんとうと宮古みやふる島とうの間まを通過つうかし、太平洋たいへいように出でたということです。

中国ちゅうごく初はつの空母くうぼとして４よん年ねん前まえに就役しゅうえきした遼寧りょうねいは、基地きちに近ちかい海域かいいきで基礎きそ的てきな訓練くんれんを行おこなってきましたが、２に４よん日にち午後ごご、東シナ海ひがししなかいを東ひがしに向むけて航行こうこうしているのを海上かいじょう自衛隊じえいたいが確認かくにんしていました。

中国ちゅうごく海軍かいぐんは２に４よん日にち夜よる、「『遼寧りょうねい』などからなる艦隊かんたいが、西太平洋にしたいへいようで遠洋えんよう訓練くんれんを行おこなう」という報道ほうどう官かんのコメントを発表はっぴょうしていて、防衛ぼうえい省しょうによりますと、中国ちゅうごくの空母くうぼが太平洋たいへいように出でたのを確認かくにんしたのは今回こんかいが初はじめてだということです。

今回こんかいの航行こうこうに関にかんしては、中国ちゅうごく国防省こくぼうしょうから日本にっぽん側がわに連絡れんらくがあったということで、日本にっぽんの領海りょうかいへの侵入しんにゅうはありませんでした。

防衛ぼうえい省しょうは海洋かいよう進出しんしゅつを強つよめる中国ちゅうごくが、今後こんご、活動かつどうをさらに活発かっぱつ化かさせる可能かのう性せいもあると見みて分析ぶんせきを続つづけています。

中国ちゅうごく 海軍かいぐんの活動かつどう範囲はんいを拡大かくだい

中国ちゅうごくは台湾たいわん海峡かいきょうでの有事ゆうじなどの際さいに、アメリカ軍ぐんの空母くうぼ機動きどう部隊ぶたいなどを寄よせつけないようにする、いわゆる「接近せっきん拒否きょひ戦略せんりゃく」を掲かかげ、以前いぜんは中国ちゅうごくの近海きんかいに限かぎられていた海軍かいぐんの活動かつどう範囲はんいを、遠洋えんようへと拡大かくだいする方針ほうしんを示しめしています。

２に０ぜろ１いち３さん年ねん１０月じゅうがつには、北海ほっかい艦隊かんたい、東海とうかい艦隊かんたい、南海なんかい艦隊かんたいの３みっつの艦隊かんたいが、沖縄おきなわからフィリピンに連つらなる「第だい１いち列島れっとう線せん」の東側ひがしがわの海域かいいきに初はじめて同時どうじに出でて、実戦じっせん形式けいしきの演習えんしゅうを行おこないました。

航空こうくう機きが宮古みやこ海峡かいきょうなどの上空じょうくうを通過つうかして、西太平洋にしたいへいように出でる訓練くんれんも頻繁ひんぱんに行おこなうようになり、参加さんかする機種きしゅや飛行ひこうパターンも増ふえています。

今月こんげつに入はいってからは、空母くうぼ「遼寧りょうねい」が渤海うみから黄海こうかい、それに東シナ海ひがししなかいにかけての海域かいいきで総合そうごう的てきな訓練くんれんを実施じっししていて、艦載かんさい機きの「殲１いち５ご」がミサイルを発射はっしゃするもようを初はじめて公開こうかいし、戦闘せんとう能力のうりょくをアピールしました。

中国ちゅうごく国防省こくぼうしょうは去年きょねんの年末ねんまつに、初はつの国産こくさん空母くうぼの建造けんぞうも行おこなっていることを公表こうひょうしました。将来しょうらいは少すくなくとも４よん隻せきの空母くうぼを運用うんようするようになるという見方みかたも出でていて、今回こんかいの遼寧りょうねいの訓練くんれんには、海軍かいぐん力りょくの向上こうじょうをアメリカや日本にっぽんなどの周辺しゅうへん国こくに見みせつけてけん制けんせいする狙ねらいもありそうです。

中国ちゅうごく 国産こくさん空母くうぼの建造けんぞうも

中国ちゅうごくは遼寧りょうねいのほか、初はつの国産こくさん空母くうぼの建造けんぞうも進すすめています。

また、イギリスのシンクタンク「国際こくさい戦略せんりゃく研究所けんきゅうじょ」が、ことし発表はっぴょうした報告ほうこく書しょ「ミリタリーバランス」によりますと、中国ちゅうごく海軍かいぐんは潜水せんすい艦かん６ろく１いち隻せき、駆逐くちく艦かん１いち９きゅう隻せき、フリゲート艦ふりげ-とかん５ご４よん隻せきを保有ほゆうしています。

アメリカ国防こくぼう総省そうしょうがことし５月ごがつに公表こうひょうした、中国ちゅうごくの軍事ぐんじ動向どうこうを分析ぶんせきした年次ねんじ報告ほうこく書しょでは、２に０ぜろ２に０ぜろ年ねんまでに中国ちゅうごく海軍かいぐんが保有ほゆうする潜水せんすい艦かんの数かずは、最大さいだいで７なな８はち隻せきに増ふえる可能かのう性せいがあると指摘してきしています。

台湾たいわん「厳きびしく監視かんしする」

台湾たいわんの国防こくぼう部ぶは２に５ご日にち、「厳きびしく監視かんししている」とするコメントを発表はっぴょうしました。国防こくぼう部ぶはさらに、「中国ちゅうごくの空母くうぼが遠洋えんよう訓練くんれんのあと、台湾たいわんの南側みなみがわのバシー海峡かいきょうを航行こうこうして南部なんぶの艦隊かんたいと合流ごうりゅうし演習えんしゅうを行おこなうことがないか監視かんしする」として、中国ちゅうごく軍ぐんの動うごきを継続けいぞくして警戒けいかいする考かんがえを強調きょうちょうしました。

中国ちゅうごくは、台湾たいわんの蔡英文えいぶん総統そうとうが、正式せいしきな外交がいこう関係かんけいがないアメリカのトランプ次期じき大統領だいとうりょうと今月こんげつ、異例いれいの電話でんわ会談かいだんを行おこなったことに反発はんぱつしていて、台湾たいわんのメディアは、今回こんかいの空母くうぼの訓練くんれんはアメリカや台湾たいわんをけん制けんせいする狙ねらいもあるとの専門せんもん家かの見方みかたを伝つたえています。

ソース：NHK ニュース