子宮しきゅう頸がんワクチン全国ぜんこく調査ちょうさ 未み接種せっしゅでも症状しょうじょう 一定いってい割合わりあい

子宮しきゅう頸がんワクチンを接種せっしゅしたあとに、原因げんいん不明ふめいの体からだの痛いたみなどの症状しょうじょうを訴うったえる女性じょせいが相次あいついだ問題もんだいで、厚生こうせい労働ろうどう省しょうの研究けんきゅう班はんは、接種せっしゅしていない女性じょせいにも一定いっていの割合わりあいで同様どうようの症状しょうじょうがみられたとする全国ぜんこく調査ちょうさの結果けっかを公表こうひょうしました。厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、「この結果けっかだけでは接種せっしゅと症状しょうじょうとの因果いんが関係かんけいは判断はんだんできない」として、現在げんざい中止ちゅうししている接種せっしゅの積極せっきょく的てきな呼よびかけを再開さいかいするかどうかは、引き続ひきつづき検討けんとうするとしています。

子宮しきゅう頸がんワクチンは、国内こくないで７なな年ねん前まえに接種せっしゅが始はじまり、平成へいせい２に５ご年度ねんどからは定期ていき接種せっしゅに追加ついかされましたが、接種せっしゅのあとに体からだの痛いたみなどを訴うったえる女性じょせいが相次あいつぎ、国くにが３さん年ねん以上いじょう、接種せっしゅの積極せっきょく的てきな呼よびかけを中止ちゅうししています。厚生こうせい労働ろうどう省しょうの研究けんきゅう班はんは、２に６ろく日にちの専門せんもん家か会議かいぎの中なかで実態じったいを把握はあくするために行いった全国ぜんこく調査ちょうさの結果けっかを報告ほうこくしました。

調査ちょうさでは、去年きょねん末まつまでの半年はんとし間かんに全国ぜんこくの病院びょういんを受診じゅしんした１いち２に歳さいから１いち８はち歳さいの男女だんじょ２に５ご０ぜろ０ぜろ人にん余あまりの症状しょうじょうについて、「体からだの痛いたみや運動うんどう障害しょうがい、それに記憶きおく力りょくの低下ていかなどの症状しょうじょうが３さんか月かげつ以上いじょう続つづいて、仕事しごとや学校がっこう生活せいかつに支障ししょうが出でていないか」を分析ぶんせきしました。その結果けっか、子宮しきゅう頸がんワクチンを接種せっしゅした女性じょせいでは、推計すいけいで１いち０ぜろ万まん人にん当あたり２に７なな．８はち人にんに症状しょうじょうが確認かくにんされた一方いっぽうで、接種せっしゅしていない女性じょせいにも、推計すいけいで１いち０ぜろ万まん人にん当あたり２に０ぜろ．４よん人にんに症状しょうじょうがみられることがわかったということです。

この結果けっかについて、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、「同おなじ症状しょうじょうが出でた場合ばあいでも、社会しゃかい問題もんだいとなったことで、ワクチンを接種せっしゅした人ひとのほうが医療いりょう機関きかんを受診じゅしんすることが多おおいとみられるうえ、医師いしもより慎重しんちょうに診断しんだんするため報告ほうこくが上あがりやすくなることも考かんがえられる」としたうえで、「今回こんかいの調査ちょうさ結果けっかだけで接種せっしゅした人ひとと、していない人ひとの発症はっしょう率りつを比くらべることはできず、接種せっしゅと症状しょうじょうとの因果いんが関係かんけいは判断はんだんできない」としています。

このため厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、引き続ひきつづき専門せんもん家か会議かいぎで因果いんが関係かんけいの検証けんしょうを進すすめたうえで、接種せっしゅの積極せっきょく的てきな呼よびかけを再開さいかいするかどうかを判断はんだんしたいとしています。

子宮しきゅう頸がんワクチンめぐる経緯けいい

子宮しきゅう頸がんワクチンは、国内こくないで７なな年ねん前まえから接種せっしゅが始はじまり、３さん年ねん前まえの平成へいせい２に５ご年ねん４月しがつに、小学しょうがく６ろく年生ねんせいから高校こうこう１いち年生ねんせいの女子じょしを対象たいしょうとする定期ていき接種せっしゅに追加ついかされました。ところが、ワクチンを接種せっしゅしたあと、原因げんいん不明ふめいの体からだの痛いたみなどを訴うったえる患者かんじゃが相次あいつぎ、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは、定期ていき接種せっしゅを始はじめたわずか２にか月かげつ後ご、接種せっしゅの呼よびかけを中止ちゅうしする異例いれいの対応たいおうを取とりました。

接種せっしゅと症状しょうじょうとの因果いんが関係かんけいを調査ちょうさしてきた厚生こうせい労働ろうどう省しょうの専門せんもん家か会議かいぎは、おととし１月いちがつ、「ワクチンの成分せいぶんによって神経しんけいや免疫めんえきなどに異常いじょうが起おきるとは考かんがえにくく、接種せっしゅの際さいの不安ふあんや痛いたみなどがきっかけで症状しょうじょうが引き起ひきおこされた可能かのう性せいがある」とする見解けんかいをまとめました。

しかし、その後そのごも詳くわしい原因げんいんは特定とくていできず、去年きょねん１１月じゅういちがつ、厚生こうせい労働ろうどう省しょうは接種せっしゅしていない人ひとにも症状しょうじょうが出でているかを調しらべるため、大だい規模きぼな調査ちょうさを行おこなう方針ほうしんを打ち出うちだしました。

今回こんかいの調査ちょうさ結果けっかは、接種せっしゅの積極せっきょく的てきな呼よびかけを再開さいかいするかどうかの厚生こうせい労働ろうどう省しょうの判断はんだんに大おおきな影響えいきょうを与あたえる可能かのう性せいがあるとして注目ちゅうもくが集あつまっていました。

ソース：NHK ニュース