院長いんちょうが火事かじで死亡しぼうの高野たかの病院びょういん 広野こうの町まちが存続そんぞく支援しえんへ

東京とうきょう電力でんりょく福島ふくしま第だい一いち原子力げんしりょく発電はつでん所しょの事故じこの影響えいきょうで一時いちじ、ほとんどの住民じゅうみんが避難ひなんした福島ふくしま県けん広野こうの町まちで、町内ちょうないにとどまって診療しんりょうを続つづけてきた病院びょういんの院長いんちょうが火事かじで死亡しぼうし、広野こうの町まちは地域ちいきに欠かかせない医療いりょう機関きかんを存続そんぞくさせるため、常勤じょうきん医師いしの確保かくほなど支援しえんに乗り出のりだすことを明あきらかにしました。

東京とうきょう電力でんりょく福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつの半径はんけい２に０ぜろキロから３さん０ぜろキロの範囲はんいにある広野こうの町まちでは、原発げんぱつ事故じこのあと、町まち役場やくばやほぼすべての住民じゅうみんが一時いちじ避難ひなんしましたが、町まちにある民間みんかんの高野たかの病院びょういんは診療しんりょうを続つづけました。

この病院びょういんの院長いんちょう、高野たかの英男ひでおさん（８はち１いち）の自宅じたくで先月せんげつ３さん０ぜろ日にちに火事かじがあり、見みつかった男性だんせいの遺体いたいが３さん日にち、高野たかの院長いんちょうと確認かくにんされました。高野たかの院長いんちょうは高野たかの病院びょういん唯一ゆいいつの常勤じょうきん医師いしでしたが、亡なくなったことで、病院びょういんの設置せっちに法律ほうりつ上じょう必要ひつようとなる常勤じょうきんの医師いしがいなくなりました。

広野こうの町まちの遠藤えんどう智さとし町長ちょうちょうは３さん日にち役場やくばで会見かいけんを開ひらき、地域ちいきに欠かかせない医療いりょう機関きかんを存続そんぞくさせるため、支援しえんに乗り出のりだすことを明あきらかにしました。

具体ぐたい的てきには高野たかの病院びょういんの常勤じょうきん医師いし確保かくほのため、福島ふくしま県けんへの協力きょうりょく要請ようせいや全国ぜんこくへの呼よびかけを行おこなうとともに、診療しんりょうの一部いちぶを担になうボランティアの医師いしを募つのる窓口まどぐちを町まち役場やくばに設もうけるということです。また、非常勤ひじょうきんなどの医師いしが町まちを訪おとずれる際さいの交通こうつう費ひや宿泊しゅくはく費ひの補助ほじょも行おこなうということです。

住民じゅうみん「優やさしくていい先生せんせいだった」

広野こうの町まちの７なな０ぜろ代だいの女性じょせいは高野たかのさんについて、「町まちで有名ゆうめいな先生せんせいでした」としたうえで、「病院びょういんは今いまも入院にゅういんしている人ひともいるし、今後こんごも存続そんぞくしてほしい」と話はなしていました。

また、別べつの６ろく０ぜろ代だいの女性じょせいは「おばあちゃんが高野たかの病院びょういんに入院にゅういんしていたときに診みてもらいましたが、優やさしくていい先生せんせいでした。亡なくなったと聞きいて、びっくりしました」と話はなしていました。

原発げんぱつ事故じこで住民じゅうみん避難ひなんもとどまり診療しんりょう続つづける

高野たかの英男ひでおさん（８はち１いち）は、福島ふくしま県けん広野こうの町まちにある民間みんかん病院びょういん、高野たかの病院びょういんの院長いんちょうとして地域ちいきの医療いりょうを支ささえ続つづけてきました。

広野こうの町まちは全域ぜんいきが東京とうきょう電力でんりょく福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつの半径はんけい２に０ぜろキロから３さん０ぜろキロの範囲はんいにあり、原発げんぱつ事故じこのあと一いち時じ、町まち役場やくばや、ほぼすべての住民じゅうみんが避難ひなんしましたが、高野たかの院長いんちょうは入院にゅういん患者かんじゃとともに、町まちにとどまりました。

そして、病院びょういんでただ１いち人にんの常勤じょうきんの医師いしとして、複数ふくすうの非ひ常勤じょうきんなどの医師いしの協力きょうりょくを得えながら、病院びょういんの運営うんえいや診療しんりょうを続つづけてきました。

広野こうの町まちを含ふくめて、原発げんぱつ事故じこで広ひろい範囲はんいに避難ひなん指示しじが出だされた双葉ふたば郡ぐんでは、医療いりょう機関きかんの閉鎖へいさが相次あいつぎ、およそ１いち２に０ぜろ床しょうの高野たかの病院びょういんは、今いまも診察しんさつしている地域ちいきで唯一ゆいいつの病院びょういんです。

病院びょういんは高野たかの院長いんちょうが高齢こうれいになったため、常勤じょうきんの医師いしを募集ぼしゅうしていましたが、見みつからない状況じょうきょうが続つづいています。

常勤じょうきん医師いしの確保かくほには県けんや国くにの支援しえんを

高野たかの病院びょういんの医師いし確保かくほの支援しえんをしている、南みなみ相馬そうま市立しりつ病院びょういんの尾崎おざき章彦あきひこ医師いし（３さん１いち）などによりますと、高野たかの院長いんちょうは高野たかの病院びょういんで、ただ１いち人にんの常勤じょうきん医師いしとして、入院にゅういん患者かんじゃ１いち０ぜろ０ぜろ人にん余あまりの診療しんりょうを行おこなってきました。

さらに外来がいらい患者かんじゃの診察しんさつや、月つきに数すう回かい以上いじょうの夜間やかんの当直とうちょくをこなし、通常つうじょうは検査けんさ技師ぎしが行おこなうことが多おおいＸえっくす線画せんが像ぞうの撮影さつえいも、みずから行おこなっていたということです。

尾崎おざき医師いしは、高野たかの院長いんちょうに代かわる医師いしの人材じんざいを確保かくほすることは容易よういではないとして、常勤じょうきん医師いしの確保かくほのためには福島ふくしま県けんや国くにの全面ぜんめん的てきな支援しえんが必要ひつようだと訴うったえました。

ソース：NHK ニュース