高齢こうれい者しゃの運転うんてん 相次あいつぐ事故じこで日本にっぽん認知にんち症しょう学会がっかいなどが提言ていげん

高齢こうれい者しゃが運転うんてんする自動車じどうしゃによる事故じこが後ごを絶たちませんが、日本にっぽん認知にんち症しょう学会がっかいなどは、認知にんち症しょう検査けんさが強化きょうかされることし３月さんがつの改正かいせい道路どうろ交通こうつう法ほうの施行しこうを前まえに、運転うんてんを中止ちゅうししたあとの生活せいかつの質しつの保証ほしょうに努つとめることや運転うんてん能力のうりょくの適正てきせいな判断はんだん基準きじゅんの作成さくせいを求もとめる提言ていげんをまとめました。

ことし３月さんがつに施行しこうされる改正かいせい道路どうろ交通こうつう法ほうでは、７なな５ご歳さい以上いじょうを対象たいしょうにした検査けんさで「認知にんち症しょうのおそれがある」と判断はんだんされた場合ばあいには、医師いしの診断しんだんを義務ぎむづけるなど、認知にんち症しょう検査けんさの態勢たいせいが強化きょうかされます。

日本にっぽん認知にんち症しょう学会がっかいや日本にっぽん老年ろうねん医い学会がっかいなど４よっつの学会がっかいが今回こんかいまとめた提言ていげんでは、まず、高齢こうれい者しゃ、特とくに認知にんち症しょうの人ひとの尊厳そんげんを守まもり、運転うんてん中止ちゅうし後ごの本人ほんにんや家族かぞくの生活せいかつの質しつを保証ほしょうすることが重要じゅうようだとしたうえで、社会しゃかいから孤立こりつしないよう公共こうきょう交通こうつうシステムを整備せいびし直なおすなどし、可能かのうなかぎり強制きょうせい的てきな手段しゅだんではなく、運転うんてん免許めんきょ証しょうの自主じしゅ返納へんのうを促進そくしんする必要ひつようがあるとしています。

また、ごく初期しょきの認知にんち症しょうの人ひとや軽度けいど認知にんち障害しょうがいの人ひとと一般いっぱんの高齢こうれい者しゃの間までは、運転うんてん行動こうどうの違ちがいは必かならずしも明あきらかではないとしたうえで、特とくに、初期しょきの認知にんち症しょうの人ひとの運転うんてん免許めんきょ証しょうの取り消とりけしにあたっては、実際じっさいの運転うんてん技能ぎのうを実車じっしゃテスト等とうによって専門せんもん家かが判断はんだんする必要ひつようがあるとしています。

この提言ていげんは、高齢こうれい者しゃの事故じこ防止ぼうし策さくを検討けんとうしている国くにのワーキングチームにも送おくられていて、日本にっぽん認知にんち症しょう学会がっかいの秋山あきやま治彦はるひこ理事りじ長ちょうは「社会しゃかいの高齢こうれい化かが進すすむなか、高齢こうれい者しゃが運転うんてんをやめても生活せいかつの質しつを保たもてるような社会しゃかい基盤きばんづくりを、さまざまな分野ぶんやの人ひとが協力きょうりょくして、早期そうきに進すすめる必要ひつようがある」と話はなしています。

ソース：NHK ニュース