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中国 日本の自衛力増強に理解 83年の首脳会談で
2017-01-12 05:14:05

1983年、中国の胡耀邦総書記が初めて日本を訪れ、当時の中曽根総理大臣と会談した際に、「日本が適当に自衛力を増強させることに中国は反対しない」と述べ、日本の防衛政策に理解を示していたことが、12日に公開された外交文書で明らかになりました。
外務省は、日中国交正常化から11年たった1983年11月に、中曽根総理大臣と日本を訪れた中国の胡耀邦総書記との初めての首脳会談を記録した外交文書を、12日に公開しました。
この中で、中曽根総理大臣は日本の防衛政策について、「わが国は憲法の範囲内で必要な自衛力を整備するが、他国に攻め込むような力は絶対に持たない」などと説明しました。
これに対し、胡総書記は「中国は、日本が経済的に繁栄し政治的には平和を愛する自衛力を備えた大国となることを希望し、この目標に向かって進むことを支持する。日本が適当に自衛力を増強させることに中国は反対しない」と応じました。
そのうえで、「ただし、どの程度まで拡大するかはアジア全体が注目し、不安を持っている。自分としては今世紀末から21世紀はじめにかけては、いかに日本が自衛力を拡大させようと、中国と戦うことにはならないと信じる」などと述べ、自衛隊の活動や防衛予算の増額など、日本の防衛政策に、全面的に理解を示しました。
さらに、胡総書記は朝鮮半島情勢について、「北朝鮮が南に侵攻することに賛成しない。南北朝鮮は、いずれは連邦制による平和自主統一がよいのではないか。片方が片方を食べてしまうのはよくない」と述べたほか、北方領土問題については、「正義の事業であり、中国は今後とも日本を支持する」と述べ、日本の主張への支持を明確にしています。
これについて、外交史が専門の筑波大学の波多野澄雄名誉教授は「この時期の日本は、1970年代までの戦後処理色の濃い外交から解放され、国際国家として自主的で積極的な外交を展開できた時代で、その中で日中関係の良好な状況が生まれた。70年代から80年代にかけては、日中双方の最高首脳が相互訪問を繰り返していて、首脳間の信頼関係の醸成がいちばん重要だということが、現代にもつながる教訓として言えるのではないか」と話しています。
この中で、中曽根総理大臣は日本の防衛政策について、「わが国は憲法の範囲内で必要な自衛力を整備するが、他国に攻め込むような力は絶対に持たない」などと説明しました。
これに対し、胡総書記は「中国は、日本が経済的に繁栄し政治的には平和を愛する自衛力を備えた大国となることを希望し、この目標に向かって進むことを支持する。日本が適当に自衛力を増強させることに中国は反対しない」と応じました。
そのうえで、「ただし、どの程度まで拡大するかはアジア全体が注目し、不安を持っている。自分としては今世紀末から21世紀はじめにかけては、いかに日本が自衛力を拡大させようと、中国と戦うことにはならないと信じる」などと述べ、自衛隊の活動や防衛予算の増額など、日本の防衛政策に、全面的に理解を示しました。
さらに、胡総書記は朝鮮半島情勢について、「北朝鮮が南に侵攻することに賛成しない。南北朝鮮は、いずれは連邦制による平和自主統一がよいのではないか。片方が片方を食べてしまうのはよくない」と述べたほか、北方領土問題については、「正義の事業であり、中国は今後とも日本を支持する」と述べ、日本の主張への支持を明確にしています。
これについて、外交史が専門の筑波大学の波多野澄雄名誉教授は「この時期の日本は、1970年代までの戦後処理色の濃い外交から解放され、国際国家として自主的で積極的な外交を展開できた時代で、その中で日中関係の良好な状況が生まれた。70年代から80年代にかけては、日中双方の最高首脳が相互訪問を繰り返していて、首脳間の信頼関係の醸成がいちばん重要だということが、現代にもつながる教訓として言えるのではないか」と話しています。
ソース:NHK ニュース