三島みしま由紀夫ゆきおが語かたる文学ぶんがくや憲法けんぽう 未み公開こうかいテープ見みつかる

昭和しょうわ４よん５ご年ねんに自殺じさつした作家さっかの三島みしま由紀夫ゆきおが、その９きゅうか月かげつ前まえに受うけたインタビューの録音ろくおんテープが、未み公開こうかいのまま保管ほかんされていたことがわかりました。文学ぶんがくや憲法けんぽうなどについて語かたった肉声にくせいが残のこされていて、専門せんもん家かは「存在そんざい自体じたいが知しられていなかった極きわめて貴重きちょうな資料しりょうだ」と話はなしています。

テープは東京とうきょうの放送ほうそう局きょく、ＴＢＳてぃ-び-えすに保管ほかんされていたもので、三島みしま由紀夫ゆきおがイギリスの翻訳ほんやく家かから受うけたインタビューが、およそ１いち時間じかん２に０ぜろ分ふんにわたって録音ろくおんされていました。

三島みしまはみずからの生い立おいたちから文学ぶんがくや死生しせい観かん、憲法けんぽうについての考え方かんがえかたなど、幅広はばひろい話題わだいについて語かたり、その内容ないようから、東京とうきょう・市ヶ谷いちがやの自衛隊じえいたいで割腹かっぷく自殺じさつをする９きゅうか月かげつほど前まえの昭和しょうわ４よん５ご年ねん２月にがつ中旬ちゅうじゅんに収録しゅうろくされたと見みられます。
ＴＢＳてぃ-び-えすなどによりますと、インタビューが録音ろくおんされたいきさつはわかっていないということです。

この中なかで、作品さくひんの欠点けってんについて問とわれた三島みしまは「僕ぼくは油絵あぶらえ的てきに文章ぶんしょうをみんな塗ぬっちゃうんです。僕ぼくにはそういう欠点けってんがあるんですね」と率直そっちょくに話はなすなど、これまで知しられていなかった文章ぶんしょう論ろんが語かたられています。

一方いっぽう、憲法けんぽう９きゅう条じょうについて「理想りそうは理想りそうで立派りっぱだと思おもう。僕ぼくは憲法けんぽう９きゅう条じょうというのがすべていけないと言いっているんじゃないんです。人類じんるいが戦争せんそうをしないというのは立派りっぱなことです」と述のべたうえで、戦後せんごの社会しゃかいが言葉ことばの重おもみを軽視けいししてきたとして、「日本にっぽんの変へんな学者がくしゃが逆ぎゃく解釈かいしゃくして自衛隊じえいたいを認みとめているわけでしょ、そういうようなことをやって日本人にっぽんじんはごまかしごまかし生いきてきた」などと持論じろんを展開てんかいしています。

テープの内容ないようを分析ぶんせきした日本にっぽん大学だいがく芸術げいじゅつ学部がくぶの山中やまなか剛史たけし非ひ常勤じょうきん講師こうしは「存在そんざい自体じたいが知しられていなかった極きわめて貴重きちょうな資料しりょうだ。海外かいがいの読者どくしゃに向むけて率直そっちょくな語り口かたりくちでみずからの欠点けってんを語かたっているのはとても新鮮しんせんで興味深きょうみぶかい。晩年ばんねんの長編ちょうへんを読み解よみとくうえでも重要じゅうようだ」と話はなしています。

ソース：NHK ニュース