主要しゅよう企業きぎょう トランプ新しん政権せいけんの政策せいさく見極みきわめる考かんがえ

ＮＨＫえぬえいちけいが主要しゅような企業きぎょう１いち０ぜろ０ぜろ社しゃを対象たいしょうにアンケートを行おこなったところ、トランプ氏しが率ひきいるアメリカの新しん政権せいけんの経済けいざい政策せいさくの自社じしゃへの影響えいきょうについて、半数はんすうを超こえる企業きぎょうが「どちらともいえない」と答こたえ、トランプ氏しが就任しゅうにん後ご、どのような政策せいさくを実際じっさいに打ち出うちだすのか見極みきわめたいという考かんがえがうかがえます。

ＮＨＫえぬえいちけいは、今月こんげつ中旬ちゅうじゅんにかけて主要しゅような企業きぎょう１いち０ぜろ０ぜろ社しゃを対象たいしょうに、２に０ぜろ日にちにアメリカの大統領だいとうりょうに就任しゅうにんするトランプ氏しの経済けいざい政策せいさくなどについて、アンケート調査ちょうさを行おこないました。

この中なかで、新しん政権せいけんの政策せいさくが自社じしゃの事業じぎょうに与あたえる影響えいきょうについて聞きいたところ、「プラスの影響えいきょう」と答こたえた企業きぎょうが２に社しゃ、「どちらかといえばプラスの影響えいきょう」と答こたえた企業きぎょうが１いち６ろく社しゃでした。
これらの企業きぎょうは、トランプ氏しが掲かかげる積極せっきょく的てきなインフラへの投資とうしや、法人ほうじん税率ぜいりつの引き下ひきさげなどを評価ひょうかしています。

一方いっぽう、「マイナスの影響えいきょう」と答こたえた企業きぎょうはありませんでしたが、１いち１いち社しゃが「どちらかといえばマイナスの影響えいきょう」と答こたえ、これらの企業きぎょうは新しん政権せいけんの保護ほご主義しゅぎ的てきな貿易ぼうえき政策せいさくをその理由りゆうに挙あげています。

最もっとも多おおかったのが「どちらともいえない」と答こたえた企業きぎょうで、半数はんすうを超こえる５ご６ろく社しゃとなり、トランプ氏しが就任しゅうにんしたあと、実際じっさいにどのような政策せいさくを打ち出うちだすのか見極みきわめたいという考かんがえがうかがえます。

ただ、今後こんごのアメリカ事業じぎょうの見通みとおしを聞きいたところ、「どちらかというと拡大かくだい」が２に９きゅう社しゃ、「拡大かくだいする」が２に５ご社しゃで、過半数かはんすうの企業きぎょうがアメリカでの事業じぎょうには積極せっきょく的てきな姿勢しせいを示しめしています。

企業きぎょうトップはどう見みている？

アメリカで自動車じどうしゃなどに使つかわれる樹脂じゅしなどを生産せいさんする大手おおて化学かがくメーカー、旭化成あさひかせいの小堀こぼり秀毅ひでき社長しゃちょうは「アメリカでインフラ投資とうしや規制きせい緩和かんわ、それに減税げんぜいという政策せいさくが本当ほんとうに実行じっこうされるのであれば、当面とうめんは強つよい経済けいざいが続つづくと思おもうが、保護ほご主義しゅぎをとるのであれば、日本にっぽんにも影響えいきょうが出でてくる。言いっていることと実際じっさいに行おこなわれる政策せいさくの一致いっち度どをしっかり見極みきわめる必要ひつようがある」と述のべ、トランプ氏しの政策せいさくを慎重しんちょうに見極みきわめる姿勢しせいを示しめしました。

また、メキシコで検討けんとうしている自動車じどうしゃ用ようの樹脂じゅしの工場こうじょう建設けんせつについて、小堀こぼり社長しゃちょうは「少すこし前提ぜんていが不透明ふとうめいになっているので、建設けんせつするしないも含ふくめてしっかりと検討けんとうしたい。トランプ氏しの具体ぐたい的てきな施策しさくが議会ぎかいと連動れんどうして実施じっしされるならアメリカへの投資とうしもありうる」と述のべ、トランプ氏しの政策せいさくによってはメキシコでの工場こうじょう建設けんせつ計画けいかくを見直みなおす可能かのう性せいもあるという考かんがえを示しめしました。

日本にっぽん・世界せかい経済けいざいへの影響えいきょう 読よみ切きれず

トランプ次期じき大統領だいとうりょうのもとで、アメリカ経済けいざいが日本にっぽんや世界せかいにどのような影響えいきょうを及およぼすのか、多おおくの専門せんもん家かが「不ふ確実かくじつ性せいが高たかい」と指摘してきし、読み切よみきれていないのが現状げんじょうです。

ＩＭＦあいえむえふ＝国際こくさい通貨つうか基金ききんは今月こんげつ１いち６ろく日にち、アメリカ経済けいざいについて、トランプ氏しが掲かかげるインフラ投資とうしなどの積極せっきょく的てきな財政ざいせい政策せいさくを踏ふまえ、ことしの経済けいざい成長せいちょう率りつを２に．３さん％に上方かみがた修正しゅうせいしました。

アメリカの景気けいきが上向うわむけば、日本にっぽんにとっても輸出ゆしゅつの伸のびなどを通をつうじてプラスになる可能かのう性せいがあります。ただアメリカ議会ぎかいの支持しじを取とりつけ、公約こうやくどおりに減税げんぜいやインフラ投資とうしを実行じっこうできるかどうかは不透明ふとうめいなうえ、財政ざいせい赤字あかじを膨ふくらませる景気けいき刺激しげき策さくは、長期ちょうき金利きんりの上昇じょうしょうを招まねくおそれもあります。

アメリカの金利きんりの上昇じょうしょうがさらなるドル高だかにつながれば、新興しんこう国こくから資金しきんが大幅おおはばに流出りゅうしゅつするほか、ドル建だての借り入かりいれを膨ふくらませてきた新興しんこう国こく経済けいざいに打撃だげきが及および、世界せかい経済けいざいの不透明ふとうめい感かんが強つよまる可能かのう性せいもあります。

また貿易ぼうえき政策せいさくで保護ほご主義しゅぎ的てきなトランプ氏しの方針ほうしん次第しだいでは、アメリカが主導しゅどう的てきな役割やくわりを果はたして作り上つくりあげてきた自由じゆう貿易ぼうえき体制たいせいにほころびが生しょうじ、相互そうごに結むすびつきを強つよめてきた世界せかい経済けいざいが減速げんそくするおそれを指摘してきする専門せんもん家かも少すくなくありません。

一方いっぽう、トランプ次期じき大統領だいとうりょうは、法人ほうじん税ぜいの税率ぜいりつを今いまの３さん５ご％から１いち５ご％に引き下ひきさげると主張しゅちょうしてきました。
アメリカ議会ぎかいの与党よとう・共和党きょうわとうは２に０ぜろ％に引き下ひきさげるとしていて、トランプ氏しとの間まに隔へだたりがありますが、法人ほうじん税ぜいの引き下ひきさげ方向ほうこうでは一致いっちしています。

アメリカの法人ほうじん実効じっこう税率ぜいりつはおよそ４よん０ぜろ％で、日本にっぽんの２に０ぜろ．９きゅう７なな％を上回うわまわり、主要しゅよう７ななか国かこくでは最高さいこう水準すいじゅんとなっていますが、引き下ひきさげが決きまれば、日本にっぽんを下回したまわる可能かのう性せいがあり、その行方ゆくえに日本にっぽん企業きぎょうなども注目ちゅうもくしています。

トランプ次期じき大統領だいとうりょうの就任しゅうにん後ご、実際じっさいにどのような政策せいさくが実行じっこうに移うつされるのかは不ふ確実かくじつ性せいが高たかく、日本にっぽんをはじめ各国かっこくが注視ちゅうししています。

ソース：NHK ニュース