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トランプ新政権 中小企業や農家も影響を懸念
2017-01-23 07:30:52

アメリカのトランプ大統領が、TPP=環太平洋パートナーシップ協定からの離脱や、NAFTA=北米自由貿易協定の再交渉を打ち出したことを受けて、国内の中小企業や農家からは、戸惑いや先行きへの不安などを訴える声も聞かれ、影響が懸念されています。
トランプ新政権が、TPP=環太平洋パートナーシップ協定から離脱することを明らかにしたことについて、TPP発効による輸出拡大を期待していた石川県七尾市の繊維メーカーからは落胆の声が聞かれました。
七尾市の繊維メーカー、天池合繊は、髪の毛の5分の1ほどの細い糸を使って重さが1平方メートルあたり5グラムしかない生地を商品化し、高級ブランドのドレスなどに採用されています。メーカーは、TPPによる関税撤廃を期待して、アメリカへの輸出拡大を計画していました。
天池多喜子取締役は「アメリカの方に買い求めやすい価格で商品を提供できればとTPPに期待していたが、残念です。これから輸出しやすい方向に日米間で交渉してほしい」と話していました。
七尾市の繊維メーカー、天池合繊は、髪の毛の5分の1ほどの細い糸を使って重さが1平方メートルあたり5グラムしかない生地を商品化し、高級ブランドのドレスなどに採用されています。メーカーは、TPPによる関税撤廃を期待して、アメリカへの輸出拡大を計画していました。
天池多喜子取締役は「アメリカの方に買い求めやすい価格で商品を提供できればとTPPに期待していたが、残念です。これから輸出しやすい方向に日米間で交渉してほしい」と話していました。
輸出拡大検討の繊維メーカーは
トランプ新政権が、TPP=環太平洋パートナーシップ協定から離脱することを明らかにしたことについて、TPP発効による輸出拡大を期待していた石川県七尾市の繊維メーカーからは落胆の声が聞かれました。
七尾市の繊維メーカー、天池合繊は、髪の毛の5分の1ほどの細い糸を使って重さが1平方メートルあたり5グラムしかない生地を商品化し、高級ブランドのドレスなどに採用されています。メーカーは、TPPによる関税撤廃を期待して、アメリカへの輸出拡大を計画していました。
天池多喜子取締役は「アメリカの方に買い求めやすい価格で商品を提供できればとTPPに期待していたが、残念です。これから輸出しやすい方向に日米間で交渉してほしい」と話していました。
七尾市の繊維メーカー、天池合繊は、髪の毛の5分の1ほどの細い糸を使って重さが1平方メートルあたり5グラムしかない生地を商品化し、高級ブランドのドレスなどに採用されています。メーカーは、TPPによる関税撤廃を期待して、アメリカへの輸出拡大を計画していました。
天池多喜子取締役は「アメリカの方に買い求めやすい価格で商品を提供できればとTPPに期待していたが、残念です。これから輸出しやすい方向に日米間で交渉してほしい」と話していました。
近江牛の生産農家は
滋賀県の特産品、近江牛の生産農家からは先行きへの不安の声が聞かれています。
滋賀県によりますと、近江牛は、昨年度およそ29トンがシンガポールなど東南アジアに輸出されていて、TPPを契機に滋賀県が輸出の拡大を目指す一方、生産農家からは、安い外国産牛肉の輸入が増えることで価格が低下するのではという懸念も出ています。
トランプ新政権が、TPPからの離脱を表明したことについて、東近江市の近江牛の生産農家、田井中龍史さんは、「日本はTPPに参加しないほうがいいと思っていたが、アメリカの離脱表明後の先行きが見えず、不安だ。今後の交渉がどうなるかは分からないが、政府は農家の不安を解消するよう分かりやすく説明していってほしい」と話しています。
一方、滋賀県も出資し、海外向けに近江牛を加工している近江八幡市の滋賀食肉市場の望月常司社長は「日本がTPPに参加したあと、海外市場へさらに攻勢を強めようと意気込んでいたので、アメリカの離脱表明は非常に困る。海外市場は開かれたものであってほしい」と、交渉の継続に期待を寄せています。また、滋賀県の食のブランド推進課の西村誠副参事は、「国内市場が縮小する中で海外に販路を広げるという戦略は変わらない。地道にPRを行うことで、知名度の向上を図るとともに、農家への情報提供もきめ細かに行いたい」と話しています。
滋賀県によりますと、近江牛は、昨年度およそ29トンがシンガポールなど東南アジアに輸出されていて、TPPを契機に滋賀県が輸出の拡大を目指す一方、生産農家からは、安い外国産牛肉の輸入が増えることで価格が低下するのではという懸念も出ています。
トランプ新政権が、TPPからの離脱を表明したことについて、東近江市の近江牛の生産農家、田井中龍史さんは、「日本はTPPに参加しないほうがいいと思っていたが、アメリカの離脱表明後の先行きが見えず、不安だ。今後の交渉がどうなるかは分からないが、政府は農家の不安を解消するよう分かりやすく説明していってほしい」と話しています。
一方、滋賀県も出資し、海外向けに近江牛を加工している近江八幡市の滋賀食肉市場の望月常司社長は「日本がTPPに参加したあと、海外市場へさらに攻勢を強めようと意気込んでいたので、アメリカの離脱表明は非常に困る。海外市場は開かれたものであってほしい」と、交渉の継続に期待を寄せています。また、滋賀県の食のブランド推進課の西村誠副参事は、「国内市場が縮小する中で海外に販路を広げるという戦略は変わらない。地道にPRを行うことで、知名度の向上を図るとともに、農家への情報提供もきめ細かに行いたい」と話しています。
みかん農家から戸惑いの声
一方、みかんの収穫量が全国一の和歌山県の農家からは、農作物の輸出などへの影響がどうなるのか先行きが見えないという戸惑いの声が聞かれました。
和歌山県は12年連続でみかんの収穫量が全国一です。トランプ新政権がTPPからの離脱を明らかにしたことについて、去年からアメリカやカナダなどに向けてジュースやジャムといった加工品の輸出に力を入れている有田市のみかん農園、早和果樹園の秋竹新吾社長は、「アメリカにジュースなどを輸出する段取りもつき、今後さらに力を入れようとしていたところだったので、今後どう影響するのかと戸惑っています」と話していました。そのうえで「どのような状況になっても生産者として所得を確保できるよう、みかんが健康によいことなどもPRしながら、商品の付加価値を上げていきたい」と話していました。
和歌山県は12年連続でみかんの収穫量が全国一です。トランプ新政権がTPPからの離脱を明らかにしたことについて、去年からアメリカやカナダなどに向けてジュースやジャムといった加工品の輸出に力を入れている有田市のみかん農園、早和果樹園の秋竹新吾社長は、「アメリカにジュースなどを輸出する段取りもつき、今後さらに力を入れようとしていたところだったので、今後どう影響するのかと戸惑っています」と話していました。そのうえで「どのような状況になっても生産者として所得を確保できるよう、みかんが健康によいことなどもPRしながら、商品の付加価値を上げていきたい」と話していました。
メキシコに進出のメーカーは
トランプ大統領がNAFTA=北米自由貿易協定の再交渉を打ち出したことについて、メキシコに進出している広島県の自動車部品メーカーは現地工場の競争力を高めることで対応していきたいとしています。
広島県にある北川鉄工所は、5年前にメキシコに工場を建設し、日系自動車メーカーが現地で生産する車に変速機の部品を供給しています。トランプ大統領がNAFTAの再交渉を打ち出したことについて、神田芳明常務執行役員は、メキシコで生産している部品の需要が減るおそれがあるとした一方、再交渉の結果、自動車メーカーが部品の調達先を見直せば新たな取引先が開拓できる可能性もあるとして、「リスクとともに新しいビジネスチャンスが存在しているという2つの見方をしている」と話しています。
この会社では、現在、およそ30億円をかけてメキシコの工場の生産能力を2倍に増強する工事を進めていて、今のところ計画に変更はないということです。神田常務執行役員は「メキシコの労働力の質は高い。NAFTAの問題を踏まえ、現地で他社より優位に立てるよう競争力をつけていくことがいちばん重要だ」と話しています。
広島県にある北川鉄工所は、5年前にメキシコに工場を建設し、日系自動車メーカーが現地で生産する車に変速機の部品を供給しています。トランプ大統領がNAFTAの再交渉を打ち出したことについて、神田芳明常務執行役員は、メキシコで生産している部品の需要が減るおそれがあるとした一方、再交渉の結果、自動車メーカーが部品の調達先を見直せば新たな取引先が開拓できる可能性もあるとして、「リスクとともに新しいビジネスチャンスが存在しているという2つの見方をしている」と話しています。
この会社では、現在、およそ30億円をかけてメキシコの工場の生産能力を2倍に増強する工事を進めていて、今のところ計画に変更はないということです。神田常務執行役員は「メキシコの労働力の質は高い。NAFTAの問題を踏まえ、現地で他社より優位に立てるよう競争力をつけていくことがいちばん重要だ」と話しています。
ソース:NHK ニュース