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春闘しゅんとう ベアには慎重しんちょう姿勢しせい企業きぎょういちぜろぜろしゃ調査ちょうさ

2017-01-23 08:24:21

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ことしの春闘しゅんとうについて、NHKえぬえいちけい主要しゅよう企業きぎょういちぜろぜろしゃ対象たいしょうにアンケートをおこなった結果けっか半数はんすうえるいちしゃなんらかのかたち賃上ちんあげを検討けんとうしているものの、基本きほんきゅう引き上ひきあげるベースアップを検討けんとうしている企業きぎょうよんしゃにとどまりました。トランプ政権せいけん発足ほっそくなどで経済けいざい先行さきゆきに確実かくじつせいなか、ベアには慎重しんちょう姿勢しせいがうかがえます。
NHKえぬえいちけいは、今月こんげつ中旬ちゅうじゅんにかけて主要しゅよう企業きぎょういちぜろぜろしゃ対象たいしょう景気けいき賃金ちんぎんに関にかんするアンケート調査ちょうさおこないました。

まず、なんらかのかたち賃上ちんあげを検討けんとうするかどうかをたずねたところ、「検討けんとうする」と回答かいとうしたのはいちしゃで、「検討けんとうしない」はいちぜろしゃでした。

賃上ちんあげの具体ぐたいてき方法ほうほう複数ふくすう回答かいとういたところ、「定期ていき昇給しょうきゅう」がもっとおおさんしゃ、「従業じゅうぎょういん基本きほんきゅう一律いちりつ引き上ひきあげるベースアップ」がいちよんしゃ、「賞与しょうよ」や「いちきん引き上ひきあげ」がいちさんしゃ、「子育こそだ世代せだいなど特定とくていそう基本きほんきゅう引き上ひきあげるベースアップ」がいちぜろしゃ、などとなっています。

ベアに相当そうとうする賃上ちんあげを検討けんとうしている企業きぎょうわせてよんしゃにとどまっていてトランプ政権せいけん発足ほっそくなどで経済けいざい先行さきゆきに確実かくじつせいなか、ベアには慎重しんちょう姿勢しせいがうかがえます。

つぎに、ことしの春闘しゅんとう主要しゅようなテーマになる見通みとおしのはたらかた改革かいかくに関にかんして、政府せいふ検討けんとうしている時間じかんがい労働ろうどう上限じょうげん規制きせいについてたずねたところ、「賛成さんせい」がよんしゃでした。その理由りゆうたずねたところ、「長時間ちょうじかん労働ろうどう是正ぜせい効果こうかがあること」や「従来じゅうらいはたらかたえる必要ひつようがある」などとしています。

これに対にたいし、「反対はんたい」はぜろしゃで、その理由りゆうとして「一律いちりつ規制きせいはなじまないこと」や「いそがしい時期じきいそがしくない時期じきおおきいこと」などをあげています。

また、政府せいふがまとめた「同一どういつ労働ろうどうどういち賃金ちんぎん」のガイドラインのあんについてたずねたところ、「賛成さんせい」と回答かいとうしたのはさんろくしゃで、「正規せいき労働ろうどうしゃやる気やるきにつながること」や、「雇用こよう慣行かんこうわるきっかけになること」などを理由りゆうにあげています。

一方いっぽう、「反対はんたい」はよんしゃで、「日本にっぽん雇用こよう慣行かんこうになじまないこと」や、「正規せいき労働ろうどうしゃおお導入どうにゅう困難こんなんなこと」などを理由りゆうとしています。

トランプ政権せいけん影響えいきょう見極みきわめたい

毎年まいとしはる会社かいしゃがわ賃金ちんぎん水準すいじゅんめている証券しょうけん大手おおて大和やまと証券しょうけんグループ本社ほんしゃは、来年度らいねんど賃金ちんぎん引き上ひきあげを前向まえむきに検討けんとうしますが、アメリカのトランプ政権せいけん世界せかい経済けいざいなどにあたえる影響えいきょう見極みきわめたうえで、判断はんだんしたいとしています。

大和やまと証券しょうけんグループ本社ほんしゃは、平成へいせいろく年度ねんどから今年度こんねんどまでさんねん連続れんぞく国内こくないすべての社員しゃいん対象たいしょう賃上ちんあげを実施じっししていて、新入しんにゅう社員しゃいん初任しょにんきゅう段階だんかいてき引き上ひきあげています。

日比野ひびの隆司たかし社長しゃちょうは、来年度らいねんど賃上ちんあげを実施じっしするかどうかを判断はんだんするポイントについて、「アメリカでトランプ政権せいけん誕生たんじょうし、国際こくさい情勢じょうせいおおきくわることが見込みこまれるので、確実かくじつせいたかまっているてんをしっかりとさえることが重要じゅうようだ」とはなしています。そのうえで「デフレマインドの払拭ふっしょく(ふっしょく)のためにも、なんらかの賃上ちんあげをやっていきたい」とべ、賃上ちんあげに前向まえむきな姿勢しせいしめしています。

賃金ちんぎん人事じんじ制度せいど見直みなお企業きぎょう

企業きぎょうでは、すでに、はたらかた改革かいかくにつながる賃金ちんぎん人事じんじ制度せいど見直みなおすところもています。

紳士しんしふくチェーンのはるやまホールディングスは、ことし4月しがつから、いちか月かげつ残業ざんぎょう時間じかんがゼロだった社員しゃいん月額げつがくいちまんぜろぜろぜろえん手当てあて支給しきゅうする「ノー残業ざんぎょう手当てあて」の導入どうにゅうめました。管理かんりしょくのぞくすべての社員しゃいんいちぜろぜろにんあまりが対象たいしょうで、残業ざんぎょうをせずに効率こうりつよく業務ぎょうむおこなうことをうながし、長時間ちょうじかん労働ろうどうらすのがねらいです。

会社かいしゃによりますと、いちにんたりの残業ざんぎょう時間じかんはこれまでいちか月かげつ平均へいきんいちぜろ時間じかんあまりでしたが、制度せいど導入どうにゅうによってさんわりからよんわりほどらせると見込みこんでいるということです。

店舗てんぽはたら社員しゃいんは「業務ぎょうむ効率こうりつしようという意識いしきづけがされるとおもう。仕事しごとはやえたらいた時間じかんプライベート勉強べんきょう使つかいたい」とはなしていました。

会社かいしゃでは、繁忙はんぼうなどに残業ざんぎょうした場合ばあいはこれまでとおなじように残業ざんぎょう手当てあて支給しきゅうし、総額そうがくいちまんぜろぜろぜろえんたない場合ばあいは、手当てあておながくになるよう差額さがくぶん支払しはらうことにしていて、会社かいしゃがわ負担ふたん年間ねんかんおよそいちおくえんえるということです。

治山ちさん正史せいし社長しゃちょうは「社員しゃいんいちにんいちにんがむだをなくすという意識いしき業務ぎょうむ効率こうりつかんがえれば、費用ひよう以上いじょうのリターンがある。そのために会社かいしゃとして、費用ひよう手間てまをかけても残業ざんぎょうらすんだというつよ意志いししめしたかった」とはなしていました。

ことしの春闘しゅんとう 専門せんもん

ことしの春闘しゅんとうについて、雇用こよう問題もんだいくわしい日本にっぽん総合そうごう研究所けんきゅうじょ山田やまだひさチーフエコノミストは、「企業きぎょう業績ぎょうせき改善かいぜん方向ほうこうかっているので、全体ぜんたいとしては賃上ちんあに対にたいして追い風おいかぜいている。ただ、トランプ大統領だいとうりょう就任しゅうにんによって対外たいがいてき通商つうしょう政策せいさくにかなりの不透明ふとうめいかんがあり、経営けいえいしゃのマインドめん逆風ぎゃくふういてきている」とべ、トランプしん政権せいけん動向どうこう労使ろうし交渉こうしょう影響えいきょうあたえる可能かのうせいがあると指摘してきしています。

そのうえで「ベースアップは、いちかいげると固定こていとなり、簡単かんたんにはげられないので、先行さきゆきが不透明ふとうめいだと決断けつだんがしづらくなる。賃上ちんありつは、これまでさんねん連続れんぞく%を上回うわまわっているがベースアップがどこまで実現じつげんするかが焦点しょうてんだ」とはなしています。

また、政府せいふかかげるはたらかた改革かいかく関連かんれんして山田やまださんは、「同一どういつ労働ろうどうどういち賃金ちんぎん長時間ちょうじかん労働ろうどう是正ぜせい春闘しゅんとうおおきなはしらになる。人手ひとで不足ふそくはたらひとたちの労働ろうどう時間じかん有限ゆうげんだということを前提ぜんてい見直みなおしていかないとまわっていかない。生産せいさんせい向上こうじょうにつながれば、賃上ちんあげにもつながるので重要じゅうようなテーマだ」とべ、はたらかた改革かいかく労使ろうし交渉こうしょう主要しゅようなテーマになると指摘してきしています。
ソース:NHK ニュース