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退位検討の有識者会議 一代限りの退位望ましい立場にじませる
2017-01-23 09:38:54

天皇陛下の退位などを検討する政府の有識者会議は、退位を将来のすべての天皇を対象にする場合と、天皇陛下一代に限った場合のそれぞれについて、積極的な意見と課題を併記した論点整理を取りまとめ、公表しました。すべての天皇を対象とすることに多くの課題をあげ、一代限りの退位が望ましいとする立場をにじませる内容となっています。
天皇陛下の退位などを検討する政府の有識者会議は、23日、総理大臣官邸で、安倍総理大臣や菅官房長官も出席して9回目の会合を開き、これまでの議論を踏まえた論点整理を取りまとめ、公表しました。
論点整理では、天皇の負担軽減に向けた具体策を、現行制度下での対応と、制度改正による対応の2つに分けて取り上げていて、このうち制度改正の方法として、摂政の設置要件の拡大や退位などについて、「積極的に進めるべきとの意見」と「課題」を併記しています。
そして、摂政の設置要件の拡大については、積極的意見として、退位を回避できる点など3項目をあげる一方、課題として、摂政が長期化する可能性や権威の二重性など、7項目をあげています。
一方、退位の是非については、「円滑な皇位継承が行われる」といった積極的意見と、「天皇の地位が不安定になる」といった課題を、それぞれ8項目ずつあげたうえで、退位を可能とする際の方法として、将来のすべての天皇を対象にする場合と、天皇陛下一代に限った場合の論点も整理しています。
このうち、退位を将来のすべての天皇を対象にする場合については、積極的意見として、「恒久的な制度とすることが憲法の趣旨に沿う」など、10項目をあげる一方、課題として、将来の国民の意識や社会情勢を見据えて退位を制度化することが難しいなど、23項目をあげました。
これに対し、天皇陛下一代に限った場合については、積極的意見として、「天皇陛下の退位を例外とし、将来考えるべき場合はその時に国会などで判断したほうがよい」などと4項目をあげる一方、課題として、長寿社会を迎える中で高齢の天皇の課題は今後も生じる点など、3項目をあげています。
論点整理では、すべての天皇を対象とすることに多くの課題をあげ、一代限りの退位が望ましいとする立場をにじませるる内容となっています。有識者会議は今後、論点整理に対する世論の動向や、衆参両院の正副議長のもとでの議論の行方を見極めながら、最終的な提言に向けて議論を続けることにしています。
論点整理では、天皇の負担軽減に向けた具体策を、現行制度下での対応と、制度改正による対応の2つに分けて取り上げていて、このうち制度改正の方法として、摂政の設置要件の拡大や退位などについて、「積極的に進めるべきとの意見」と「課題」を併記しています。
そして、摂政の設置要件の拡大については、積極的意見として、退位を回避できる点など3項目をあげる一方、課題として、摂政が長期化する可能性や権威の二重性など、7項目をあげています。
一方、退位の是非については、「円滑な皇位継承が行われる」といった積極的意見と、「天皇の地位が不安定になる」といった課題を、それぞれ8項目ずつあげたうえで、退位を可能とする際の方法として、将来のすべての天皇を対象にする場合と、天皇陛下一代に限った場合の論点も整理しています。
このうち、退位を将来のすべての天皇を対象にする場合については、積極的意見として、「恒久的な制度とすることが憲法の趣旨に沿う」など、10項目をあげる一方、課題として、将来の国民の意識や社会情勢を見据えて退位を制度化することが難しいなど、23項目をあげました。
これに対し、天皇陛下一代に限った場合については、積極的意見として、「天皇陛下の退位を例外とし、将来考えるべき場合はその時に国会などで判断したほうがよい」などと4項目をあげる一方、課題として、長寿社会を迎える中で高齢の天皇の課題は今後も生じる点など、3項目をあげています。
論点整理では、すべての天皇を対象とすることに多くの課題をあげ、一代限りの退位が望ましいとする立場をにじませるる内容となっています。有識者会議は今後、論点整理に対する世論の動向や、衆参両院の正副議長のもとでの議論の行方を見極めながら、最終的な提言に向けて議論を続けることにしています。
首相「国民の理解深まること期待」
有識者会議の座長を務める経団連の今井敬名誉会長は、「論点整理は、有識者会議でのこれまでの議論で明らかになった論点や課題を分かりやすく整理したもので、公表することで、国民の理解が深まることを期待する。論点整理に対する、国会や世論の動向等も参考としながら、さらに有識者会議の議論を深めたい」と述べたうえで、論点整理を安倍総理大臣に手渡しました。
これに対し安倍総理大臣は、「この問題は、国の基本と長い歴史と、これからの未来にかけての極めて重い課題であり、しっかりと議論しなければならない。論点整理の公表で、国民の理解が一層深まると期待している」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は、「各党各会派における検討の際にも、論点整理を参考としていただくよう、衆参両院の議長副議長にお願いするとともに、各党各会派の協議の場で論点整理の内容を説明したい。論点整理に対する意見をふまえつつ、さらに議論を進めていただきたい」と述べました。
これに対し安倍総理大臣は、「この問題は、国の基本と長い歴史と、これからの未来にかけての極めて重い課題であり、しっかりと議論しなければならない。論点整理の公表で、国民の理解が一層深まると期待している」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は、「各党各会派における検討の際にも、論点整理を参考としていただくよう、衆参両院の議長副議長にお願いするとともに、各党各会派の協議の場で論点整理の内容を説明したい。論点整理に対する意見をふまえつつ、さらに議論を進めていただきたい」と述べました。
有識者会議のメンバーで東京大学の山内昌之名誉教授は、会合のあと記者団に対し、「これまでの議論で、まだ出されていない問題、もう少し議論されたほうがいい問題があると思うので、きょうのまとめについて、国会や世論、さまざまな国民の反響や反応を精査しながら、今後の議論を進めていきたい」と述べました。
ソース:NHK ニュース