殺傷さっしょう事件じけんから半年はんとし 元もと職員しょくいんは障害しょうがい者しゃ冒ぼうとくの供述きょうじゅつ続つづける

相模原さがみはら市しの知的ちてき障害しょうがい者しゃ施設しせつで４よん６ろく人にんが殺傷さっしょうされた事件じけんから２に６ろく日にちで半年はんとし。殺人さつじんの疑うたがいで逮捕たいほされた２に７なな歳さいの元もと職員しょくいんは、調しらべに対にたいし障害しょうがい者しゃを冒ぼうとくする内容ないようの供述きょうじゅつを一貫いっかんして続つづけていて、来月らいげつ下旬げじゅんまで専門せんもん家かによる精神せいしん鑑定かんていが行おこなわれています。検察けんさつは、鑑定かんてい結果けっかなどを踏ふまえて元もと職員しょくいんの起訴きそについて判断はんだんする見通みとおしです。

この事件じけんは、去年きょねん７月しちがつ２に６ろく日にちの未明みめい、相模原さがみはら市し緑みどり区くの知的ちてき障害しょうがい者しゃの入所にゅうしょ施設しせつ「津久井つくいやまゆり園えん」で入所にゅうしょ者しゃが次々つぎつぎに刃物はもので刺さされ、１いち９きゅう人にんが死亡しぼう、２に７なな人にんが重軽傷じゅうけいしょうを負おったもので、施設しせつの元もと職員しょくいん、植松うえまつ聖きよし容疑ようぎ者しゃ（２に７なな）が、１いち９きゅう人にんを殺害さつがいしたとして逮捕たいほされています。
また、重軽傷じゅうけいしょうを負おった２に４よん人にんに対にたいする殺人さつじん未遂みすいなどの疑うたがいでも追つい送検そうけんされ、現在げんざい専門せんもん家かによる精神せいしん鑑定かんていが行おこなわれています。

これまでの調しらべで、植松うえまつ容疑ようぎ者しゃは、去年きょねん１月いちがつから２月にがつにかけて障害しょうがい者しゃに対にたいする危険きけんな言動げんどうが目立めだつようになり、事件じけんの５ごか月かげつ前まえには衆議院しゅうぎいん議長ぎちょうに宛あてた手紙てがみの中なかでも障害しょうがい者しゃやその家族かぞくを冒ぼうとくし、みずからの行動こうどうを正当せいとう化かする内容ないようを記しるしています。

植松うえまつ容疑ようぎ者しゃは、調しらべに対にたいし、こうした主張しゅちょうを一貫いっかんして供述きょうじゅつしているということで、捜査そうさ関係かんけい者しゃによりますと、取り調とりしらべの中なかでその考かんがえは問題もんだいがあると指摘してきされると「わかっていない」などと反論はんろんしていたということです。
専門せんもん家かによる鑑定かんていは、来月らいげつ２に０ぜろ日にちまでの予定よていで、検察けんさつは鑑定かんてい結果けっかなどを踏ふまえて起訴きそについて判断はんだんする見通みとおしです。

家族かぞく会かい会長かいちょうが思おもい語かたる

「津久井つくいやまゆり園えん」の家族かぞく会かい「みどり会かい」の会長かいちょう、大月おおつき和かず真しんさんは、事件じけんから半年はんとしとなった今いまも心こころの整理せいりがつかずにいる遺族いぞくの思おもいなどを踏ふまえて初はじめてインタビュー取材しゅざいに答こたえました。

大月おおつきさんは「亡なくなった方々かたがたの葬儀そうぎに参列さんれつし、ご遺族いぞくとお話おはなししましたが、なぜこんなことになったのか、なすすべもなく命いのちを奪うばわれた方々かたがたの無念むねんさを思おもうと、本当ほんとうに悔くやしくてなりません」と無念むねんの思おもいを語かたりました。
そのうえで関係かんけい者しゃだけで開ひらいたお別わかれ会かいでのエピソードを紹介しょうかいし「あるご遺族いぞくからは、家族かぞくで姉あねを守まもってきたつもりが実じつは姉あねに支ささえられていたことに気付きづいたというお話おはなしや、宝物ほうもつのように育そだててきたというお話おはなしがありました。一方いっぽうで、事件じけんを思い出おもいだすとつらいし、『やまゆり園えん』という言葉ことばも聞ききたくないという方ほうもいて、大切たいせつな家族かぞくを失うしなったご遺族いぞくの心境しんきょうを思おもうといたたまれない気持きもちです」と話はなしました。

そして事件じけんから半年はんとしがたつ今いまも犠牲ぎせい者しゃ１いち９きゅう人にんの方々かたがたが匿名とくめいとなっていることについて「理由りゆうはさまざまだと思おもいますが、１いち９きゅう人にんのご遺族いぞくが皆みな、かけがえのない家族かぞくを失うしない、まだ心こころの整理せいりもつかず、静しずかに暮くらしたいという思おもいも強つよいのではないでしょうか。自分じぶんの息子むすこも被害ひがいに遭あっていたらと思おもうと、ご遺族いぞくの心情しんじょうは理解りかいできます。いずれは語かたってくださる時ときが来くるかもしれませんが、それにはもう少もうすこし時間じかんが必要ひつようではないでしょうか」と答こたえました。

また、けがをした人ひとたちなどが、現在げんざい複数ふくすうの施設しせつにわかれて暮くらしていることについて「大だいけがをした方ほうが、事件じけんの後のち、体からだに触ふれられるのを嫌いやがるという話はなしも聞きいていますし、けがをしなかった人ひとも怖こわい思おもいをしたと思おもいます。皆みな、慣なれない環境かんきょうで不安ふあんな生活せいかつを送おくっていて、少すこしでも早はやく落ち着おちついた元もとの生活せいかつに戻もどしてほしいです」と話はなしていました。

ソース：NHK ニュース