東芝とうしば社長しゃちょう 半導体はんどうたい事業じぎょう分社ぶんしゃ化か「資金しきん調達ちょうたつ手段しゅだんを拡充かくじゅう」

アメリカの原子力げんしりょく事業じぎょうで巨額きょがくの損失そんしつが明あきらかになった東芝とうしばの綱川つなかわ智さとし社長しゃちょうは、２に７なな日にち午後ごご４よん時半じはんから都内とないの本社ほんしゃで記者きしゃ会見かいけんし、主力しゅりょくの半導体はんどうたい事業じぎょうを分社ぶんしゃ化かする方針ほうしんを決きめたことについて、「安定あんてい的てきに需要じゅようの拡大かくだいに対応たいおうしていくためには、大だい規模きぼな設備せつび投資とうしが必要ひつようであり、資金しきん調達ちょうたつ手段しゅだんの拡充かくじゅうを図はかって事業じぎょうのさらなる成長せいちょうを実現じつげんするために分社ぶんしゃ化かを決定けっていした」と述のべました。

そのうえで綱川つなかわ社長しゃちょうは、分社ぶんしゃ化かして設立せつりつする新しん会社かいしゃについては「外部がいぶから資本しほんを受け入うけいれるならば２に０ぜろ％未満みまんにすることが基本きほん的てきな考え方かんがえかただ」と述のべました。

一方いっぽう、アメリカの原子力げんしりょく事業じぎょうで巨額きょがくの損失そんしつを計上けいじょうする見通みとおしになったことについて、「責任せきにんを大おおきく感かんじている。進退しんたい、去就きょしゅうについては指名しめい委員いいん会かいに判断はんだんを委ゆだねるというのが基本きほんだ。資本しほん増強ぞうきょうについては３月さんがつまでに対応たいおうしていくので、それは責任せきにんを持もって遂行すいこうしていきたい」と述のべました。

さらに綱川つなかわ社長しゃちょうは、経営けいえいの管理かんり体制たいせいを強化きょうかするため、原子力げんしりょく事業じぎょうを社長しゃちょう直属ちょくぞくの組織そしきにすることを明あきらかにしました。

そのうえで海外かいがいの原子力げんしりょく事業じぎょうについて、「新規しんきの受注じゅちゅう計画けいかくに関にかんしては考え直かんがえなおすということであり、受注じゅちゅう目標もくひょうの具体ぐたい的てきな数字すうじについては２月にがつに公表こうひょうする事業じぎょう計画けいかくの中なかに盛り込もりこみたい」と述のべ、東芝とうしばが２に０ぜろ３さん０ぜろ年度ねんどまでに海外かいがいで目指めざしている４よん５ご基き以上いじょうの原発げんぱつの新規しんきの受注じゅちゅう計画けいかくについて、見直みなおしを進すすめる考かんがえを明あきらかにしました。

東芝とうしばの半導体はんどうたい事業じぎょうとは

「ＮＡＮＤ型がたフラッシュメモリー」は、１いち９きゅう８はち７なな年ねんに東芝とうしばが開発かいはつした記憶きおく用ようの半導体はんどうたいで、東芝とうしばの収益しゅうえきの多おおくを支ささえるいわば虎の子とらのこの事業じぎょうです。

東芝とうしばの去年きょねん９月くがつまでの半年はんとし間かんの決算けっさんでは、本業ほんぎょうのもうけを示しめす営業えいぎょう利益りえき９きゅう６ろく７なな億おく円えんのうち、半導体はんどうたい事業じぎょうが７なな８はち３さん億おく円えんを占しめ、原子力げんしりょくを中心ちゅうしんとするエネルギー関連かんれん事業じぎょうが９きゅう６ろく億おく円えんとなっています。

半導体はんどうたいと原子力げんしりょくを中核ちゅうかく事業じぎょうにすえ、特とくに半導体はんどうたい事業じぎょうは稼かせぎ頭あたまになっています。

ＮＡＮＤ型がたフラッシュメモリーは、記憶きおくの書き込かきこみと消去しょうきょが繰り返くりかえし可能かのうで、電源でんげんを切きっても記憶きおくが消きえない特徴とくちょうを持もち、スマートフォンなどには欠かかせない半導体はんどうたいです。

ＩＴ技術ぎじゅつの調査ちょうさ会社かいしゃ、「ガートナー」によりますとおととしの世界せかい市場しじょうでの売り上うりあげのシェアは、トップが韓国かんこくのサムスン電子でんしで３さん２に．６ろく％、東芝とうしばは２に１いち％で世界せかい２に位い、東芝とうしばと三重みえ県けん四日市よっかいち市しの半導体はんどうたい工場こうじょうを共同きょうどう運営うんえいしているアメリカのウエスタンデジタルは１いち５ご．４よん％の３さん位いとなっています。

高性能こうせいのう化かが進すすむスマートフォンや企業きぎょうのデータセンターなどで今後こんごも需要じゅようの拡大かくだいが見込みこまれることから世界せかいの主要しゅようメーカーの間まで激はげしい開発かいはつ競争きょうそうが続つづいています。

しかし、フラッシュメモリー事業じぎょうは競争きょうそう力りょくを高たかめるためには製品せいひんの高性能こうせいのう化かを進すすめることが不可欠ふかけつで、事業じぎょうの成長せいちょうには毎年まいとし３さん０ぜろ０ぜろ０ぜろ億おく円えん規模きぼの巨額きょがくな設備せつび投資とうしを続つづけていくことが宿命しゅくめいとなっています。

メーカー各社かくしゃとの競争きょうそうに勝かった場合ばあいは、大おおきな収益しゅうえきを生み出うみだす源泉げんせんとなりますが、ひとたび競争きょうそうにまけると、その設備せつび投資とうしの大おおきさが経営けいえいにとって大おおきな負担ふたんとなるリスクをはらんでいます。

このため、今回こんかいの巨額きょがく損失そんしつによって東芝とうしばの財務ざいむ基盤きばんが弱よわまれば、大だい規模きぼな設備せつび投資とうしを続つづけること自体じたいが経営けいえいの負担ふたんになる可能かのう性せいもあります。

東芝とうしばは、来月らいげつ、四日市よっかいち市しにある生産せいさん拠点きょてんで、新あらたな製造せいぞう棟とうの建設けんせつを始はじめるなど、今年度こんねんどから３さん年間ねんかんで８はち６ろく０ぜろ０ぜろ億おく円えんを投資とうしする計画けいかくを進すすめています。

ソース：NHK ニュース