福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつ２に号機ごうき 格納かくのう容器ようきで高たかい放射線ほうしゃせん量りょう 推定すいてい

東京とうきょう電力でんりょく福島ふくしま第だい一いち原子力げんしりょく発電はつでん所しょ２に号機ごうきで行おこなわれている調査ちょうさで、東京とうきょう電力でんりょくは撮影さつえいされた画像がぞうの解析かいせきから格納かくのう容器ようきの一部いちぶで、最大さいだいで１いち時間じかん当あたり５ご０ぜろ０ぜろシーベルト余あまりの放射線ほうしゃせん量りょうが推定すいていされることを明あきらかにしました。人ひとが近ちかづくと死しに至いたる高たかい値ねで、東京とうきょう電力でんりょくは、核かく燃料ねんりょうが原子げんし炉ろから溶とけ落おち、格納かくのう容器ようきの内部ないぶで強つよい放射線ほうしゃせんを出だしている可能かのう性せいがあるとして今後こんご、ロボットによる詳くわしい調査ちょうさを行おこなうことにしています。

事故じこで溶とけ落おちた核かく燃料ねんりょうの取り出とりだしに向むけて、福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつ２に号機ごうきでは、先月せんげつ格納かくのう容器ようきの内部ないぶをカメラで撮影さつえいする調査ちょうさが行おこなわれました。東京とうきょう電力でんりょくが、撮影さつえいされた画像がぞうを解析かいせきして放射線ほうしゃせん量りょうを評価ひょうかしたところ、原子げんし炉ろを真下ましたで支ささえているペデスタルと呼よばれる円筒えんとう状じょうのコンクリートの外側そとがわで最大さいだいで１いち時間じかん当あたり５ご３さん０ぜろシーベルトと推定すいていされることを明あきらかにしました。

これは人ひとが近ちかづくと死しに至いたる被ひばくを直ただちに受うける高たかい値ねで、最大さいだいで３さん０ぜろ％程度ていどの誤差ごさがある可能かのう性せいはあるものの、２に号機ごうきの格納かくのう容器ようき内ないで事故じこの翌年よくねんに計測けいそくされた１いち時間じかん当あたり７なな３さんシーベルトに比くらべても、高たかくなっています。

このほかに解析かいせきが行おこなわれた格納かくのう容器ようきの入り口いりくち付近ふきんは最大さいだいで１いち時間じかん当あたり５ご０ぜろシーベルト、ペデスタルの入り口いりくち付近ふきんは１いち時間じかん当あたり２に０ぜろシーベルトで、格納かくのう容器ようきの外側そとがわへの放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつを含ふくむガスの漏ろうえいはないとしています。

また、画像がぞうを処理しょりした結果けっか、原子げんし炉ろの真下ましたにある金属きんぞく製せいの格子こうし状じょうの床ゆかが１いちメートル四方しほうにわたって、脱落だつらくしかかっている部分ぶぶんがあることも新あらたにわかったということです。東京とうきょう電力でんりょくは、核かく燃料ねんりょうが原子げんし炉ろから溶とけ落おち、格納かくのう容器ようきの内部ないぶで強つよい放射線ほうしゃせんを出だしている可能かのう性せいがあるとして今月こんげつ、計画けいかくしているロボットによる調査ちょうさで放射線ほうしゃせん量りょうや温度おんども実測じっそくし、詳くわしく調しらべることにしています。

専門せんもん家か「溶融ようゆう燃料ねんりょうが水みずにつかっていない可能かのう性せい」

原子げんし炉ろを覆おおう格納かくのう容器ようきの内部ないぶで撮影さつえいした画像がぞうから評価ひょうかした値ねとして、１いち時間じかん当あたり５ご０ぜろ０ぜろシーベルト余あまりという極きわめて高たかい放射線ほうしゃせん量りょうが示しめされたことについて、日本にっぽん原子力げんしりょく学会がっかいの「廃はい炉ろ検討けんとう委員いいん会かい」の委員いいん長ちょうで、法政大ほうせいだい学がくの宮野みやの廣ひろし客員きゃくいん教授きょうじゅは、「この値ねが正ただしければ非常ひじょうに高たかい値ねで、溶とけ落おちた核かく燃料ねんりょうの一部いちぶが近ちかくにあって水みずにつかっていない可能かのう性せいがある」と話はなしています。

考かんがえられる状況じょうきょうとして、宮野みやの客員きゃくいん教授きょうじゅは「核かく燃料ねんりょうが原子げんし炉ろの底そこを抜ぬけて落おちる際さいに、一部いちぶが原子げんし炉ろの真下ましたにある『ペデスタル』と呼よばれる円筒えんとう形がたのコンクリートの外側そとがわにまで漏もれ出だし、水みずにつかっていない可能かのう性せいがある。まずはこの値ねが正ただしいか詳くわしく調査ちょうさする必要ひつようがあるが、これほど放射線ほうしゃせん量りょうが高たかいと調査ちょうさ用ようのカメラが長ながく持もたない可能かのう性せいがあり、調査ちょうさ方法ほうほうも工夫くふうする必要ひつようがある」と指摘してきしました。

そのうえで宮野みやの客員きゃくいん教授きょうじゅは「仮かりに溶とけ落おちた核かく燃料ねんりょうの一部いちぶが水みずにつかっていなかったとしても、分厚ぶあついコンクリート製せいの格納かくのう容器ようきに覆おおわれており、外部がいぶに直接ちょくせつ、強つよい放射線ほうしゃせんが出でたり、高たかい濃度のうどの放射ほうしゃ性せい物質ぶっしつが漏もれ出だすことはない」と話はなしています。

ソース：NHK ニュース