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米マティス国防長官 防衛力強化で日本の果たす役割に期待
2017-02-04 09:40:08

アメリカのトランプ政権の閣僚として初めて日本を訪れたマティス国防長官は、アジア太平洋地域の安全保障を重視する姿勢を明確に打ち出すとともに、北朝鮮や中国を念頭に日米双方とも防衛力を強化していく必要があるという認識を示し、日本の果たす役割に期待を示しました。
アメリカのマティス国防長官は4日、稲田防衛大臣との日米防衛相会談のあと就任後初めてとなる記者会見に臨みました。
この中でマティス長官は「トランプ政権は、この地域に高い優先度を置いていることをはっきりさせておきたい」と述べて、アジア太平洋地域の安全保障を重視する姿勢を明確にしました。そして北朝鮮の核とミサイルの脅威への対応を喫緊の課題に位置づけ、日米韓3か国の連携の重要性を強調しました。
さらに中国については、東シナ海と南シナ海で挑戦的な行動をとっているとしたうえで、「中国は南シナ海で周辺国の信頼を完全に失った。紛争があったとしても帰属の決まっていない土地や公海、公の海を軍事力によって支配しても解決にはならない」と厳しく批判しました。そのうえで南シナ海での人工島の造成への対応については、「現時点では軍事的な行動ではなく、外交による解決が最善だ」と述べ、トランプ政権としても外交努力による解決を目指すべきだという考えを示しました。
そして地域の安全と安定のため日米同盟は不可欠だとしたうえで、「喫緊の課題に直面する今、われわれは現状に満足してはならず、同盟の発展に合わせ軍の能力と兵力に投資し続けることが重要だ」と述べて、日米双方とも防衛力を強化していく必要があるという認識を示し、アジア太平洋地域で今後、日本の果たす役割に期待を示しました。
この中でマティス長官は「トランプ政権は、この地域に高い優先度を置いていることをはっきりさせておきたい」と述べて、アジア太平洋地域の安全保障を重視する姿勢を明確にしました。そして北朝鮮の核とミサイルの脅威への対応を喫緊の課題に位置づけ、日米韓3か国の連携の重要性を強調しました。
さらに中国については、東シナ海と南シナ海で挑戦的な行動をとっているとしたうえで、「中国は南シナ海で周辺国の信頼を完全に失った。紛争があったとしても帰属の決まっていない土地や公海、公の海を軍事力によって支配しても解決にはならない」と厳しく批判しました。そのうえで南シナ海での人工島の造成への対応については、「現時点では軍事的な行動ではなく、外交による解決が最善だ」と述べ、トランプ政権としても外交努力による解決を目指すべきだという考えを示しました。
そして地域の安全と安定のため日米同盟は不可欠だとしたうえで、「喫緊の課題に直面する今、われわれは現状に満足してはならず、同盟の発展に合わせ軍の能力と兵力に投資し続けることが重要だ」と述べて、日米双方とも防衛力を強化していく必要があるという認識を示し、アジア太平洋地域で今後、日本の果たす役割に期待を示しました。
北朝鮮の核実験とミサイル発射
北朝鮮は去年1月と9月に2回の核実験を強行し、核爆弾の小型化などを目指すなど能力の向上を図っていると見られています。さらに、防衛省によりますと、北朝鮮は去年、例年にないペースで弾道ミサイルの発射を繰り返し、合わせて23発に上りました。ミサイルの種類は多岐にわたり、これまで発射が確認されていなかった新型の中距離弾道ミサイル「ムスダン」と見られるものを合わせて8発発射したほか、去年8月には潜水艦発射弾道ミサイルと見られる1発を発射し、およそ500キロ飛行させました。
また、去年8月に発射された弾道ミサイルは秋田県・男鹿半島の西、およそ250キロの日本の排他的経済水域に初めて落下し、翌9月にも3発の弾道ミサイルが北海道奥尻島の西、およそ200キロから250キロの排他的経済水域に落下しました。
去年10月20日以降、弾道ミサイルの発射は確認されていませんが、北朝鮮は、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長が元日の演説で、ICBM=大陸間弾道ミサイルの発射実験の準備が「最終段階に入った」と述べるなど、発射を強行する可能性も示唆しています。
また、去年8月に発射された弾道ミサイルは秋田県・男鹿半島の西、およそ250キロの日本の排他的経済水域に初めて落下し、翌9月にも3発の弾道ミサイルが北海道奥尻島の西、およそ200キロから250キロの排他的経済水域に落下しました。
去年10月20日以降、弾道ミサイルの発射は確認されていませんが、北朝鮮は、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長が元日の演説で、ICBM=大陸間弾道ミサイルの発射実験の準備が「最終段階に入った」と述べるなど、発射を強行する可能性も示唆しています。
中国の海洋進出これまでにない動き
中国は海洋進出をさらに強めていて、この1年はこれまでになかった動きも見せています。
去年6月には沖縄県の尖閣諸島の久場島沖で、中国海軍のフリゲート艦が日本の領海のすぐ外側にある接続水域を航行したのが初めて確認されました。また、同じ6月には、鹿児島県の口永良部島沖で、中国の情報収集艦が、日米印3か国の共同訓練に参加していた艦艇を追うようにして日本の領海に侵入しました。さらに、去年12月には、中国海軍の空母が沖縄本島と宮古島の間を通過し、東シナ海から太平洋に出たことが初めて確認されました。
中国は南西諸島から台湾、フィリピンにかけてのラインを「第1列島線」と呼び、国防上の重要な境界線と位置づけていますが、太平洋に出た空母は南下して中国の海南島に寄港し、その後、北上して台湾の周囲を1周する形で航行しました。
一方、上空でも中国軍の活動が活発になっています。沖縄本島と宮古島の間の上空では中国の爆撃機などの飛行がこれまでにも確認されていますが、去年9月には、戦闘機と見られる2機がこの空域を通過して太平洋に出たのが初めて確認されました。
その後、去年11月と12月にも、中国の戦闘機が同じように太平洋に出たのが相次いで確認されています。中国の軍用機は、このほかにも東シナ海を中心に頻繁に確認されていて、去年4月から12月までの9か月間に自衛隊機が行ったスクランブル=緊急発進は、中国機に対するものが最も多く、その数は644回とすでに昨年度1年間の回数を上回っています。
去年6月には沖縄県の尖閣諸島の久場島沖で、中国海軍のフリゲート艦が日本の領海のすぐ外側にある接続水域を航行したのが初めて確認されました。また、同じ6月には、鹿児島県の口永良部島沖で、中国の情報収集艦が、日米印3か国の共同訓練に参加していた艦艇を追うようにして日本の領海に侵入しました。さらに、去年12月には、中国海軍の空母が沖縄本島と宮古島の間を通過し、東シナ海から太平洋に出たことが初めて確認されました。
中国は南西諸島から台湾、フィリピンにかけてのラインを「第1列島線」と呼び、国防上の重要な境界線と位置づけていますが、太平洋に出た空母は南下して中国の海南島に寄港し、その後、北上して台湾の周囲を1周する形で航行しました。
一方、上空でも中国軍の活動が活発になっています。沖縄本島と宮古島の間の上空では中国の爆撃機などの飛行がこれまでにも確認されていますが、去年9月には、戦闘機と見られる2機がこの空域を通過して太平洋に出たのが初めて確認されました。
その後、去年11月と12月にも、中国の戦闘機が同じように太平洋に出たのが相次いで確認されています。中国の軍用機は、このほかにも東シナ海を中心に頻繁に確認されていて、去年4月から12月までの9か月間に自衛隊機が行ったスクランブル=緊急発進は、中国機に対するものが最も多く、その数は644回とすでに昨年度1年間の回数を上回っています。
ソース:NHK ニュース