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文科省天下り 前事務次官 仲介役のOBへの情報提供認める
2017-02-07 09:58:56
文部科学省の天下りの問題を受けて、衆議院予算委員会で集中審議が行われ、前川前事務次官は、再就職に関する情報を仲介役だった人事課OBの嶋貫和男氏に組織的に提供していたことを認めました。また、嶋貫氏はあっせんを始めた平成21年から2つの団体と企業に再就職し、年間およそ1200万円の収入を得ていたことを明らかにしました。
この中で前川前事務次官は、仲介役だった人事課OBの嶋貫和男氏との情報のやり取りに関して「私を含めて、文部科学省の職員が折々、さまざまな団体や大学とつき合う中で『人材が欲しい』という情報に接することはある。私どもは直接、あっせんすることは法に触れると考えていたので、OBである嶋貫さんに情報を渡すということはしていた」と述べ、職務上知り得た再就職に関する情報を嶋貫氏に組織的に提供していたことを認めました。
また、嶋貫氏は、再就職先や退職予定者の情報について「私が仕事をやっていく中で、再就職に絡むような話を聞いたものもあり、私学の方からも折々にお聞きし、自分のメモにしていたが、記録用にというか、一度整理するという意味で、お願いしたことはある」と述べ、文部科学省の人事課と協力して資料を作成していたと説明しました。そして、退職予定者の再就職先が決まった際には、文部科学省の幹部や人事課に報告したケースもあったことを明らかにしました。
さらに嶋貫氏は、あっせんを始めた平成21年から、教職員の福利厚生などを支援する財団法人「教職員生涯福祉財団」の審議役として、週に3日程度の勤務でおよそ700万円、文部科学省の職員や退職者が加入する火災保険などの保険代理店、株式会社「第一成和事務所」の顧問としておよそ500万円、合わせて年間およそ1200万円の収入を得ていたことを明らかにしました。
一方、安倍総理大臣は「違法な天下りには、懲戒処分だけでなく刑事罰を科すことを検討すべきだ」と求められたのに対し、「再就職等監視委員会によって、国土交通省や今回の文部科学省の事案も摘発された。その際、相当の処分もなされているが、再発防止にどれくらいの効果があるかということだ。他の処罰等の均衡等のこともあり、慎重に検討していくべきことだ」と述べました。
また松野文部科学大臣は、再就職等監視委員会の調査報告書で一部が黒塗りになっている事案の内容の一部を説明するよう求められたのに対し、「公表は、現時点では差し控える。優先して調査すべき事項であり、できるだけ早い時点で結果を公表したい」などと繰り返し答弁したことに、民進党は「不十分だ」と反発し、審議がたびたび中断しました。
また、嶋貫氏は、再就職先や退職予定者の情報について「私が仕事をやっていく中で、再就職に絡むような話を聞いたものもあり、私学の方からも折々にお聞きし、自分のメモにしていたが、記録用にというか、一度整理するという意味で、お願いしたことはある」と述べ、文部科学省の人事課と協力して資料を作成していたと説明しました。そして、退職予定者の再就職先が決まった際には、文部科学省の幹部や人事課に報告したケースもあったことを明らかにしました。
さらに嶋貫氏は、あっせんを始めた平成21年から、教職員の福利厚生などを支援する財団法人「教職員生涯福祉財団」の審議役として、週に3日程度の勤務でおよそ700万円、文部科学省の職員や退職者が加入する火災保険などの保険代理店、株式会社「第一成和事務所」の顧問としておよそ500万円、合わせて年間およそ1200万円の収入を得ていたことを明らかにしました。
一方、安倍総理大臣は「違法な天下りには、懲戒処分だけでなく刑事罰を科すことを検討すべきだ」と求められたのに対し、「再就職等監視委員会によって、国土交通省や今回の文部科学省の事案も摘発された。その際、相当の処分もなされているが、再発防止にどれくらいの効果があるかということだ。他の処罰等の均衡等のこともあり、慎重に検討していくべきことだ」と述べました。
また松野文部科学大臣は、再就職等監視委員会の調査報告書で一部が黒塗りになっている事案の内容の一部を説明するよう求められたのに対し、「公表は、現時点では差し控える。優先して調査すべき事項であり、できるだけ早い時点で結果を公表したい」などと繰り返し答弁したことに、民進党は「不十分だ」と反発し、審議がたびたび中断しました。
元人事課長6人 OBが仲介役のあっせん認識
衆議院予算委員会には、天下りの規制が強化された平成20年以降に、文部科学省の人事課長を務めた8人が参考人として出席しました。このうち文部科学省による組織的な天下りのあっせんについて、平成20年から22年にかけて人事課長だった小松親次郎氏と常盤豊氏の2人は認識していなかったとする一方で、平成22年7月以降の6人は、特定のOBを仲介役とした天下りのあっせんを認識していたと認めました。
また、違法性への認識に関して、平成25年から26年にかけて人事課長だった、伯井美徳氏は「特定のOBを介したあっせん行為は、客観的に見れば、組織的な法のせん脱行為だという指摘を受けており、そのとおりだと認識している」と述べる一方、平成22年から24年にかけて人事課長だった、関靖直氏は「あっせん行為は嶋貫氏が行っていたが、違法だという認識はなかった」と述べました。
一方、組織的に天下りをあっせんする仕組みについて、平成26年から27年にかけて人事課長だった藤原章夫氏は、「着任した当時は、すでに嶋貫氏のもとに再就職に関する情報が集約され、その情報が人事課の職員を通じて人事課長や事務次官に提供される仕組みになっていた」と述べました。
また、平成27年から去年にかけて人事課長だった藤江陽子氏は、「特定OBに対して退職予定者の情報などが伝達されたり、私のほうに報告があったりした」と述べました。さらに6日に文部科学省が公表した調査結果で文部科学省が、嶋貫氏にあっせんを続けてもらうため、活動する場所や再就職先を探したと見られる記録に関連して、伯井氏は「嶋貫氏と人事課の職員が相談しながら私に報告し、当時の事務次官にも報告したと記憶している」と述べました。
また、違法性への認識に関して、平成25年から26年にかけて人事課長だった、伯井美徳氏は「特定のOBを介したあっせん行為は、客観的に見れば、組織的な法のせん脱行為だという指摘を受けており、そのとおりだと認識している」と述べる一方、平成22年から24年にかけて人事課長だった、関靖直氏は「あっせん行為は嶋貫氏が行っていたが、違法だという認識はなかった」と述べました。
一方、組織的に天下りをあっせんする仕組みについて、平成26年から27年にかけて人事課長だった藤原章夫氏は、「着任した当時は、すでに嶋貫氏のもとに再就職に関する情報が集約され、その情報が人事課の職員を通じて人事課長や事務次官に提供される仕組みになっていた」と述べました。
また、平成27年から去年にかけて人事課長だった藤江陽子氏は、「特定OBに対して退職予定者の情報などが伝達されたり、私のほうに報告があったりした」と述べました。さらに6日に文部科学省が公表した調査結果で文部科学省が、嶋貫氏にあっせんを続けてもらうため、活動する場所や再就職先を探したと見られる記録に関連して、伯井氏は「嶋貫氏と人事課の職員が相談しながら私に報告し、当時の事務次官にも報告したと記憶している」と述べました。
官房長官 再発防止へ規制強化を検討
菅官房長官は午後の記者会見で、文部科学省の天下りの問題について「行政全般への国民の信頼を著しく損なうものだ」として、すべての府省庁を対象に行っている調査の結果を踏まえ、再発防止に向けた規制の強化を検討する考えを示しました。
この中で菅官房長官は、文部科学省の天下りの問題について「文部科学省のみならず、行政全般に対する国民の信頼を著しく損なうものだ。国民の疑念を払拭(ふっしょく)するために、安倍総理大臣の指示で、同様の事案がないか全省庁で徹底的に調査している」と述べました。
そのうえで菅官房長官は「調査結果が出次第、速やかに結果を明らかにしていくと同時に、必要な対策を検討していきたい」と述べ、すべての府省庁を対象に行っている調査の結果を踏まえ、再発防止に向けた規制の強化を検討する考えを示しました。
また菅官房長官は、記者団が「規制強化の一環として刑事罰を科すことについてはどう考えるか」と質問したのに対し、「どういう原因で今回の事案が組織的に出てきたのかもしっかりと調査し、国民から疑念が生じないような対応策をしっかり作っていく」と述べました。
この中で菅官房長官は、文部科学省の天下りの問題について「文部科学省のみならず、行政全般に対する国民の信頼を著しく損なうものだ。国民の疑念を払拭(ふっしょく)するために、安倍総理大臣の指示で、同様の事案がないか全省庁で徹底的に調査している」と述べました。
そのうえで菅官房長官は「調査結果が出次第、速やかに結果を明らかにしていくと同時に、必要な対策を検討していきたい」と述べ、すべての府省庁を対象に行っている調査の結果を踏まえ、再発防止に向けた規制の強化を検討する考えを示しました。
また菅官房長官は、記者団が「規制強化の一環として刑事罰を科すことについてはどう考えるか」と質問したのに対し、「どういう原因で今回の事案が組織的に出てきたのかもしっかりと調査し、国民から疑念が生じないような対応策をしっかり作っていく」と述べました。
ソース:NHK ニュース