ＳＴＡＰ細胞さいぼう ＮＨＫえぬえいちけい番組ばんぐみにＢＰＯが再発さいはつ防止ぼうしを勧告かんこく

ＮＨＫえぬえいちけいが３さん年ねん前まえに放送ほうそうしたＳＴＡＰ細胞さいぼうの問題もんだいを検証けんしょうした報道ほうどう番組ばんぐみで、理化りか学がく研究所けんきゅうじょ元もと研究けんきゅう員いんの小保こぼ方かた晴子はるこ氏しが人権じんけんを侵害しんがいされたと申し立もうしたてたことについて、ＢＰＯ＝放送ほうそう倫理りんり・番組ばんぐみ向上こうじょう機構きこうの委員いいん会かいは「名誉めいよ毀損きそんの人権じんけん侵害しんがいが認みとめられる」として、ＮＨＫえぬえいちけいに対にたいし、再発さいはつ防止ぼうしに努つとめるよう勧告かんこくしました。

３さん年ねん前まえの７月しちがつに放送ほうそうされたＮＨＫえぬえいちけいスペシャル「調査ちょうさ報告ほうこくＳＴＡＰ細胞さいぼう不正ふせいの深層しんそう」について、理化りか学がく研究所けんきゅうじょ元もと研究けんきゅう員いんの小保こぼ方かた晴子はるこ氏しは人権じんけんを侵害しんがいされたとしてＢＰＯに申し立もうしたてていました。

これについて、ＢＰＯの放送ほうそう人権じんけん委員いいん会かいは、１いち０ぜろ日にち、記者きしゃ会見かいけんし、番組ばんぐみの一部いちぶについて、「場面ばめん転換てんかんなどへの配慮はいりょを欠かいたという編集へんしゅう上じょうの問題もんだいがあり、小保こぼ方かた氏しが元もと留学生りゅうがくせい作製さくせいのＥＳ細胞さいぼうを不正ふせい行為こういにより入手にゅうしゅして混入こんにゅうし、ＳＴＡＰ細胞さいぼうを作製さくせいした疑惑ぎわくがあると受け取うけとられる内容ないようになっている」としたうえで、「名誉めいよ毀損きそんの人権じんけん侵害しんがいが認みとめられる」と指摘してきしました。

また、番組ばんぐみの放送ほうそう直前ちょくぜんに行おこなわれた小保こぼ方かた氏しへの取材しゅざいについて行き過いきすぎがあり、放送ほうそう倫理りんり上じょうの問題もんだいがあったとしました。
そのうえで、ＮＨＫえぬえいちけいに対にたいし、再発さいはつ防止ぼうしに努つとめるよう勧告かんこくしました。

一方いっぽうで９きゅう人にんの委員いいんのうち２に人にんが「人権じんけん侵害しんがいがあったとまでは言いえない」、「名誉めいよ毀損きそんとするべきものではない」と、決定けっていとは異ことなる意見いけんを出だしました。

決定けっていについて小保こぼ方かた氏しは、代理人だいりにんの弁護士べんごしを通をつうじてコメントを出だし、「私わたしが受うけた名誉めいよ毀損きそんの人権じんけん侵害しんがいや放送ほうそう倫理りんり上じょうの問題もんだい点てんなどを正当せいとうに認定にんていしていただいたことをＢＰＯに感謝かんしゃしております。国くにを代表だいひょうする放送ほうそう機関きかんであるＮＨＫえぬえいちけいから人権じんけん侵害しんがいにあたる番組ばんぐみを放送ほうそうされ、このような申し立もうしたてが必要ひつようとなったことは非常ひじょうに残念ざんねんなことでした。ＮＨＫえぬえいちけいスペシャルの放送ほうそうが私わたしの人生じんせいに及およぼした影響えいきょうは一生いっしょう消きえるものではありません」としています。

一方いっぽう、ＮＨＫえぬえいちけいは「ＢＰＯの決定けっていを真摯しんし（しんし）に受け止うけとめますが、番組ばんぐみは関係かんけい者しゃへの取材しゅざいを尽つくし、客観きゃっかん的てきな事実じじつを積み上つみあげ、表現ひょうげんにも配慮はいりょしながら制作せいさくしたもので、人権じんけんを侵害しんがいしたものではないと考かんがえます。今後こんご、決定けってい内容ないようを精査せいさしたうえで、ＢＰＯにもＮＨＫえぬえいちけいの見解けんかいを伝つたえ、意見いけん交換こうかんをしていきます。また、放送ほうそう倫理りんり上じょうの問題もんだいを指摘してきされた取材しゅざいの方法ほうほうについては、再発さいはつ防止ぼうしを徹底てっていしていきます」としています。

ソース：NHK ニュース