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「障害者の逸失利益ゼロは差別」と遺族が施設を提訴
2017-02-14 07:57:40
重い知的障害のある少年が入所先の施設を出て死亡した事故をめぐり、両親が「将来働いて得たと予想される『逸失利益』を施設側がゼロとしたのは障害者差別だ」として、国内の平均賃金を基準に逸失利益を認めるよう、施設側に求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。
都内の障害者施設に入所していた松澤和真さん(当時15)は、おととし9月、施設から外に出て行方がわからなくなり、2か月後、山の中で遺体で見つかりました。
施設側は安全管理の過失を認め、慰謝料として2000万円を示しましたが、和真さんが将来働いて得たと予想される「逸失利益」はゼロとしました。
これに対し、両親は「障害者の命の価値を低くみた差別だ」として、国内の平均賃金を基準におよそ5000万円の逸失利益を含む賠償を施設側に求める訴えを、14日、東京地方裁判所に起こしました。
父親の正美さんは記者会見で、「施設の姿勢には憤りを感じます。裁判が差別の是正につながることを望みます」と述べました。一方、施設側は「訴状を見たうえで弁護士と対応を協議したい」と話しています。
重い知的障害のある人の逸失利益をめぐっては、これまで各地の裁判所で、全く認めなかった判決のほか、最低賃金などを基に一定額を認める判決や和解がありました。
弁護団は今回の訴えで、「障害を理由に逸失利益をゼロにしたり、少なくしたりするべきではない」と主張していて、裁判所がどう判断するか注目されます。
施設側は安全管理の過失を認め、慰謝料として2000万円を示しましたが、和真さんが将来働いて得たと予想される「逸失利益」はゼロとしました。
これに対し、両親は「障害者の命の価値を低くみた差別だ」として、国内の平均賃金を基準におよそ5000万円の逸失利益を含む賠償を施設側に求める訴えを、14日、東京地方裁判所に起こしました。
父親の正美さんは記者会見で、「施設の姿勢には憤りを感じます。裁判が差別の是正につながることを望みます」と述べました。一方、施設側は「訴状を見たうえで弁護士と対応を協議したい」と話しています。
重い知的障害のある人の逸失利益をめぐっては、これまで各地の裁判所で、全く認めなかった判決のほか、最低賃金などを基に一定額を認める判決や和解がありました。
弁護団は今回の訴えで、「障害を理由に逸失利益をゼロにしたり、少なくしたりするべきではない」と主張していて、裁判所がどう判断するか注目されます。
ソース:NHK ニュース