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韓国政府 マレーシアで殺害の男性はキム・ジョンナム氏と発表
2017-02-15 03:56:42

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の兄、キム・ジョンナム(金正男)氏が、マレーシアで何者かに殺害されたと伝えられていることについて、韓国政府は15日午前、殺害された人物がキム・ジョンナム氏であるのは確実だと判断していることを明らかにしました。
マレーシアのクアラルンプール国際空港で13日、北朝鮮国籍の男性が体調不良を訴えて病院へ搬送される途中で死亡し、韓国メディアなどはこの男性は、北朝鮮のキム・ジョンウン朝鮮労働党委員長の兄、キム・ジョンナム氏で、何者かに殺害されたと伝えています。
これについて韓国統一省のチョン・ジュンヒ(鄭俊煕)報道官は15日、記者会見で、「韓国政府として、殺害された人物がキム・ジョンナム氏であるのは確実だと判断している」と述べました。ただ、チョン報道官は、そのように判断した根拠については明らかにせず、「マレーシア政府はキム・ジョンナム氏だとは特定しておらず、現在、捜査が進められている」とも述べ、現地での捜査結果を見極める必要があると説明しました。
一方、パク・クネ(朴槿恵)大統領の職務を代行しているファン・ギョアン(黄教安)首相は、15日に開かれたNSC=国家安全保障会議で、「極めて重大な事件だという認識のもと、北の動向を鋭意注視している」と述べました。そのうえで、ファン首相は「殺害が北の政権によって行われたことが確認されれば、キム・ジョンウン政権の残虐性と反人道性を見せつける事例だ」と非難しました。
これについて韓国統一省のチョン・ジュンヒ(鄭俊煕)報道官は15日、記者会見で、「韓国政府として、殺害された人物がキム・ジョンナム氏であるのは確実だと判断している」と述べました。ただ、チョン報道官は、そのように判断した根拠については明らかにせず、「マレーシア政府はキム・ジョンナム氏だとは特定しておらず、現在、捜査が進められている」とも述べ、現地での捜査結果を見極める必要があると説明しました。
一方、パク・クネ(朴槿恵)大統領の職務を代行しているファン・ギョアン(黄教安)首相は、15日に開かれたNSC=国家安全保障会議で、「極めて重大な事件だという認識のもと、北の動向を鋭意注視している」と述べました。そのうえで、ファン首相は「殺害が北の政権によって行われたことが確認されれば、キム・ジョンウン政権の残虐性と反人道性を見せつける事例だ」と非難しました。
遺体 別の病院に移送
キム・ジョンナム氏と見られる男性の遺体が安置されていたマレーシアの首都、クアラルンプール近郊の病院は、NHKの取材に対して、15日午前、遺体が市内にある別の総合病院に移されたことを明らかにしました。
15日午前、救急車などの車両数台が病院をあとにする様子が見られました。病院側は、遺体が移された理由などについては、いっさい説明していませんが、警察は、別の病院で、遺体を詳しく調べて死因の特定を急ぐものと見られます。
一方、マレーシアのメディアは、15日、男性が体調不良を訴えた空港の現場から、不審な女2人が逃げ出す様子を空港の監視カメラが捉えていたと伝えました。警察は、監視カメラの映像を分析して、ジョンナム氏と見られる男性が襲われたときの状況などを調べています。
15日午前、救急車などの車両数台が病院をあとにする様子が見られました。病院側は、遺体が移された理由などについては、いっさい説明していませんが、警察は、別の病院で、遺体を詳しく調べて死因の特定を急ぐものと見られます。
一方、マレーシアのメディアは、15日、男性が体調不良を訴えた空港の現場から、不審な女2人が逃げ出す様子を空港の監視カメラが捉えていたと伝えました。警察は、監視カメラの映像を分析して、ジョンナム氏と見られる男性が襲われたときの状況などを調べています。
官房長官「関係国と連携し情報収集」
菅官房長官は午前の記者会見で、「報道は承知している。政府として、杉田官房副長官を議長とする合同情報会議を開催し、関係国とも連携しながら情報収集・分析を行っているが、事柄の性質上、具体的な情報の内容や分析について、お答えすることは控えたい」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は「現時点では、わが国の安全保障に直接影響のあるような特異な事象は確認していない。北朝鮮の動向は、平素より重大な関心をもって注視し、警戒・情報収集に努めている」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は「現時点では、わが国の安全保障に直接影響のあるような特異な事象は確認していない。北朝鮮の動向は、平素より重大な関心をもって注視し、警戒・情報収集に努めている」と述べました。
北京 北朝鮮大使館に動きなし
キム・ジョンナム氏が死亡したという情報が伝えられてから一夜明けた15日朝、中国・北京にある北朝鮮大使館は、いつもと変わった雰囲気はなく、16日のキム・ジョンイル(金正日)総書記の生誕75年の記念日を前に、大使館の前や敷地内で花束が売られていて、関係者が買い求める姿が見られました。大使館を訪れた北朝鮮の人たちに、キム・ジョンナム氏について質問すると、みな、一様に何も答えず、険しい表情で大使館の中に入っていきました。
マレーシアは北朝鮮外交の舞台にも
北朝鮮にとってマレーシアは、1973年に国交を結んだ友好国で、首都クアラルンプールでは、2000年、北朝鮮のミサイル開発問題などをめぐってアメリカと北朝鮮の政府間協議が行われました。
また、2002年、日本と北朝鮮の国交正常化交渉が行われ、拉致被害者5人の家族の帰国をめぐって話し合ったほか、去年10月には、北朝鮮外務省の高官とアメリカ国務省の元高官が非公式に接触して意見を交わすなど、北朝鮮外交の舞台にもなってきました。
キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長のおじのチャン・ソンテク氏が2013年に粛清された際には、駐マレーシア大使を務めていたチャン氏のおいが帰国を命じられ、その後、処罰されたと見られています。
また、マレーシアでは、北朝鮮の工作員たちが貿易関係者などを装って活動する拠点になっているとも言われています。
また、2002年、日本と北朝鮮の国交正常化交渉が行われ、拉致被害者5人の家族の帰国をめぐって話し合ったほか、去年10月には、北朝鮮外務省の高官とアメリカ国務省の元高官が非公式に接触して意見を交わすなど、北朝鮮外交の舞台にもなってきました。
キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長のおじのチャン・ソンテク氏が2013年に粛清された際には、駐マレーシア大使を務めていたチャン氏のおいが帰国を命じられ、その後、処罰されたと見られています。
また、マレーシアでは、北朝鮮の工作員たちが貿易関係者などを装って活動する拠点になっているとも言われています。
ソース:NHK ニュース