Show Furigana
北朝鮮国籍の4人 ICPO通じ各国に情報提供を要請
2017-02-23 10:16:52

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の兄、キム・ジョンナム氏(金正男)が殺害された事件で、マレーシアの警察は、すでに出国した北朝鮮国籍の容疑者4人について、ICPO=国際刑事警察機構を通じて各国の警察に情報提供を求める国際手配を要請したことを明らかにしました。
この事件で、マレーシアの警察はインドネシア人とベトナム人の2人の女と北朝鮮国籍の男1人を拘束するとともに、事件直後にマレーシアを出国した北朝鮮国籍の容疑者4人の引き渡しを北朝鮮に対して求めています。
マレーシア警察のハリド長官は23日、記者団に対し、すでに北朝鮮に帰国したと見ている4人について、これまでにICPO=国際刑事警察機構を通じて、各国の警察に情報の提供を求める国際手配を要請したことを明らかにしました。
この手配は、「赤手配」と呼ばれる容疑者の身柄の拘束を要請するものではなく、「青手配」と呼ばれる容疑者の居場所や犯罪歴などに関する情報を求めるものです。
ただ、北朝鮮はICPOに加盟しておらず、ほかの国の警察が持っている4人に関する情報も限られていると見られています。
一方、ハリド長官は、事情を聴きたいとしている北朝鮮大使館の2等書記官について、外交官の捜査を制限している国際条約で強制的な手段は取れないとしたうえで、「隠すことがないなら協力すべきだ」と述べました。
北朝鮮は今回の捜査に反発を強めており、協力するかどうかは不透明で、警察は難しい捜査を迫られています。
マレーシア警察のハリド長官は23日、記者団に対し、すでに北朝鮮に帰国したと見ている4人について、これまでにICPO=国際刑事警察機構を通じて、各国の警察に情報の提供を求める国際手配を要請したことを明らかにしました。
この手配は、「赤手配」と呼ばれる容疑者の身柄の拘束を要請するものではなく、「青手配」と呼ばれる容疑者の居場所や犯罪歴などに関する情報を求めるものです。
ただ、北朝鮮はICPOに加盟しておらず、ほかの国の警察が持っている4人に関する情報も限られていると見られています。
一方、ハリド長官は、事情を聴きたいとしている北朝鮮大使館の2等書記官について、外交官の捜査を制限している国際条約で強制的な手段は取れないとしたうえで、「隠すことがないなら協力すべきだ」と述べました。
北朝鮮は今回の捜査に反発を強めており、協力するかどうかは不透明で、警察は難しい捜査を迫られています。
日米韓高官が協議へ
韓国外務省のチョ・ジュンヒョク(趙俊赫)報道官は23日の記者会見で、今月27日、ワシントンで行われる日本、アメリカ、韓国の政府高官による協議で、キム・ジョンナム氏が殺害された事件について意見が交わされるという見通しを示しました。
協議には、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議で日米韓のそれぞれ首席代表を務める外務省の金杉アジア大洋州局長、アメリカ国務省のジョセフ・ユン特別代表、韓国外務省のキム・ホンギュン(金※ホン均)朝鮮半島平和交渉本部長が出席するということです。
協議の内容について、チョ報道官は「北が弾道ミサイルを発射して挑発行為を行い、キム・ジョンナム氏が殺害される事件が起きる中、よいタイミングで行われると評価している」と説明しました。
※(金ホン均)のホンは「火」偏に「共」
協議には、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議で日米韓のそれぞれ首席代表を務める外務省の金杉アジア大洋州局長、アメリカ国務省のジョセフ・ユン特別代表、韓国外務省のキム・ホンギュン(金※ホン均)朝鮮半島平和交渉本部長が出席するということです。
協議の内容について、チョ報道官は「北が弾道ミサイルを発射して挑発行為を行い、キム・ジョンナム氏が殺害される事件が起きる中、よいタイミングで行われると評価している」と説明しました。
※(金ホン均)のホンは「火」偏に「共」
北朝鮮大使館と非合法活動
北朝鮮の大使館と非合法な活動との関わりが疑われるケースはこれまでもありました。
4年前の2013年、キューバから北朝鮮に向かっていた貨物船がパナマ当局の臨検を受け、積み荷の砂糖の下に戦闘機やミサイル部品など大量の武器が隠されているのが見つかりました。この事件では、国連の安全保障理事会の専門家パネルの調査で、シンガポールの北朝鮮大使館と同じ住所に登記された企業が、船の運航を資金面で支えていた疑いがあることが分かり、国連の制裁対象になりました。
このほか、各国に駐在する北朝鮮の外交官が大量の現金を持ち運んだりするケースも発覚していて、「外交特権」を使った非合法な活動が行われている疑いが指摘されています。
国連の安全保障理事会は去年11月、違法な取り引きに関わっているとして、北朝鮮のエジプトとミャンマーの大使を制裁対象に加えたほか、北朝鮮の外交官が不正な活動を通じて外貨を得ているとして、各国に対し、自国で活動する北朝鮮の外交官の数を減らすよう求める制裁決議を採択しています。
4年前の2013年、キューバから北朝鮮に向かっていた貨物船がパナマ当局の臨検を受け、積み荷の砂糖の下に戦闘機やミサイル部品など大量の武器が隠されているのが見つかりました。この事件では、国連の安全保障理事会の専門家パネルの調査で、シンガポールの北朝鮮大使館と同じ住所に登記された企業が、船の運航を資金面で支えていた疑いがあることが分かり、国連の制裁対象になりました。
このほか、各国に駐在する北朝鮮の外交官が大量の現金を持ち運んだりするケースも発覚していて、「外交特権」を使った非合法な活動が行われている疑いが指摘されています。
国連の安全保障理事会は去年11月、違法な取り引きに関わっているとして、北朝鮮のエジプトとミャンマーの大使を制裁対象に加えたほか、北朝鮮の外交官が不正な活動を通じて外貨を得ているとして、各国に対し、自国で活動する北朝鮮の外交官の数を減らすよう求める制裁決議を採択しています。
「大使館の外交官は非合法活動に不可欠」
去年春まで国連安全保障理事会の専門家パネルのメンバーを務め、最前線で調査に当たった古川勝久氏は、北朝鮮の大使館と非合法活動との関係について、「北朝鮮の大使館がほかの国の大使館と違うのは、外交活動だけでなく、武器の輸出などの非合法活動に深く関与していることが疑われる点だ。大使館に所属する外交官は外交特権に守られ逮捕されないため、非合法活動に不可欠な存在になっていると考えられる」と話しています。
また、今回の事件との接点が伝えられている2等書記官については、「一般的に2等書記官には若い人が就くことが多いが、北朝鮮の場合、比較的、年配の人が着任しているケースがある。外交の表舞台に出ることはあまりなく、工作活動に適した“隠れみの”のようなポストであると言える」と指摘しています。
また、今回の事件との接点が伝えられている2等書記官については、「一般的に2等書記官には若い人が就くことが多いが、北朝鮮の場合、比較的、年配の人が着任しているケースがある。外交の表舞台に出ることはあまりなく、工作活動に適した“隠れみの”のようなポストであると言える」と指摘しています。
ソース:NHK ニュース