マレーシア 拘束こうそくの北朝鮮きたちょうせん国籍こくせきの男おとこを国外こくがい退去たいきょ処分しょぶんへ

北朝鮮きたちょうせんのキム・ジョンウン（金きむ正ただし恩おん）朝鮮ちょうせん労働党ろうどうとう委員いいん長ちょうの兄あに、キム・ジョンナム（金きむ正男まさお）氏しが、猛毒もうどくのＶＸで殺害さつがいされた事件じけんで、マレーシアの司法しほう長官ちょうかんは、警察けいさつに拘束こうそくされている北朝鮮きたちょうせん国籍こくせきの４よん６ろく歳さいの男おとこについて、関与かんよを裏付うらづける十分じゅうぶんな証拠しょうこが得えられなかったとして、勾留こうりゅう期限きげんの３さん日にちに釈放しゃくほうし、国外こくがい退去たいきょ処分しょぶんにする方針ほうしんを明あきらかにしました。一方いっぽう、マレーシア政府せいふは、これまでビザなしでの渡航とこうを認みとめてきた北朝鮮きたちょうせんの国民こくみんに対にたいし、今月こんげつ６ろく日にちからビザの取得しゅとくを義務ぎむづけることを明あきらかにし、北朝鮮きたちょうせん側がわの反発はんぱつも予想よそうされます。

マレーシアの警察けいさつは、１いち日にちに起訴きそされたベトナム人じんとインドネシア人じんの合あわせて２に人にんの女おんなのほかに、北朝鮮きたちょうせん国籍こくせきのリ・ジョンチョル容疑ようぎ者しゃ（４よん６ろく）を拘束こうそくし、事件じけんとの関連かんれんを調しらべてきました。

しかし、リ容疑ようぎ者しゃについて、マレーシアのアパンディ司法しほう長官ちょうかんは２に日にち、ＮＨＫえぬえいちけいの取材しゅざいに対にたいし、捜査そうさの結果けっか、関与かんよを裏付うらづける十分じゅうぶんな証拠しょうこが得えられなかったとして、勾留こうりゅう期限きげんの３さん日にち、釈放しゃくほうする方針ほうしんを明あきらかにしました。そのうえで、リ容疑ようぎ者しゃは、マレーシアに不法ふほうに滞在たいざいしていたとして、釈放しゃくほう後ご、国外こくがい退去たいきょ処分しょぶんにする方針ほうしんを示しめしました。

地元じもとのメディアは、警察けいさつ関係かんけい者しゃの話はなしとして、リ容疑ようぎ者しゃについて、空港くうこうの監視かんしカメラに写うつっていなかったうえ、起訴きそされた２に人にんとの接点せってんも判明はんめいしなかったと伝つたえています。

一方いっぽう、マレーシア国営こくえいのベルナマ通信つうしんによりますと、マレーシアのザヒド副ふく首相しゅしょうは２に日にち、ビザなしでの渡航とこうを認みとめてきた北朝鮮きたちょうせんの国民こくみんに対にたいし、今月こんげつ６ろく日にちからビザの取得しゅとくを義務ぎむづけることを明あきらかにしたということです。

ザヒド副ふく首相しゅしょうは、「国くにの安全あんぜんのためだ」と説明せつめいしており、キム・ジョンナム氏しの殺害さつがい事件じけんを受うけた措置そちだと見みられます。

北朝鮮きたちょうせんとマレーシアは１いち９きゅう７なな３さん年ねんに国交こっこうを結むすび、２に０ぜろ０ぜろ９きゅう年ねんからは互たがいの国民こくみんがビザなしで渡航とこうすることを認みとめていただけに、北朝鮮きたちょうせん側がわの反発はんぱつも予想よそうされます。

北朝鮮きたちょうせん高官こうかん 遺体いたい引き渡ひきわたし求もとめる

北朝鮮きたちょうせんのリ・ドンイル前ぜん国連こくれん次席じせき大使たいしは、日本にっぽん時間じかんの午後ごご６ろく時半じはん前まえ、クアラルンプールにある北朝鮮きたちょうせん大使館たいしかんの前まえに集あつまった記者きしゃ団だんに向むかって、マレーシア政府せいふに対にたいし、「キム・チョル」という名前なまえの北朝鮮きたちょうせん国籍こくせきの男性だんせいだとする遺体いたいの引き渡ひきわたしと、警察けいさつに拘束こうそくされている北朝鮮きたちょうせん国籍こくせきのリ・ジョンチョル容疑ようぎ者しゃとの面会めんかいを改あらためて求もとめました。
そのうえで、リ前ぜん国連こくれん次席じせき大使たいしは、男性だんせいの死因しいんは病死びょうしだとして、猛毒もうどくのＶぶいＸえっくすによって殺害さつがいされたという見方みかたを真っ向まっこうから否定ひていしました。

ソース：NHK ニュース