天皇てんのう陛下へいかの退位たいいめぐる法ほう整備せいび 与野党よやとう 意見いけん集約しゅうやくに至いたらず

天皇てんのう陛下へいかの退位たいいをめぐって、与野党よやとう各かく会派かいはによる全体ぜんたい会合かいごうが２に日にちに続つづいて開ひらかれ、自民党じみんとうなどは一いち代だい限かぎりの退位たいいを可能かのうとする特別とくべつ法ほうの制定せいていが望のぞましいという考かんがえを示しめしたのに対にたいし、民進党みんしんとうなどは皇室こうしつ典範てんぱんの改正かいせいによる恒久こうきゅう的てきな法ほう整備せいびを行おこなうべきだと主張しゅちょうし、意見いけん集約しゅうやくには至いたりませんでした。

天皇てんのう陛下へいかの退位たいいをめぐって、衆参しゅうさん両院りょういんの正せい副ふく議長ぎちょうの下した、与野党よやとう各かく会派かいはが参加さんかする全体ぜんたい会合かいごうが２に日にちに続つづいて開ひらかれ、具体ぐたい的てきな法ほう整備せいびの在り方ありかたを議論ぎろんしました。

この中なかで、自民党じみんとうなどは「現げん段階だんかいで、将来しょうらいにわたる天皇てんのうの退位たいいの要件ようけんを定さだめるのは困難こんなんだ」として、一いち代だい限かぎりの退位たいいを可能かのうとする特別とくべつ法ほうの制定せいていが望のぞましいという考かんがえを示しめしました。

これに対にたいし、民進党みんしんとうなどは「特別とくべつ法ほうでは違憲いけんの疑うたがいが生しょうじるとの指摘してきもある」などとして、「皇室こうしつ典範てんぱんの改正かいせいによる恒久こうきゅう的てきな法ほう整備せいびを行おこなうべきだ」と主張しゅちょうしました。

これを受うけて、自民党じみんとうが「将来しょうらいの天皇てんのうの退位たいいも否定ひていしない」としたうえで、違憲いけんの疑うたがいが生しょうじないよう、「特別とくべつ法ほうと皇室こうしつ典範てんぱんの関係かんけいを明確めいかくにする一定いっていの措置そちをとる用意よういがある」と述のべ、理解りかいを求もとめましたが、民進党みんしんとうは「将来しょうらいの退位たいいを否定ひていしないのであれば、皇室こうしつ典範てんぱんを改正かいせいして対応たいおうすべきだ」と指摘してきし、意見いけん集約しゅうやくには至いたりませんでした。

会合かいごうのあと、大島おおしま衆議院しゅうぎいん議長ぎちょうは記者きしゃ会見かいけんで、「具体ぐたい的てきな法体ほうたい系けいの在り方ありかたなどでは、まだ距離きょりがあり、われわれが汗あせをかいて、国会こっかいの総意そういを探さぐる段階だんかいに来きている」と述のべ、来週らいしゅう８はち日にちに３さん回かい目めの全体ぜんたい会合かいごうを開ひらくことになりました。

自民じみん副ふく総裁そうさい「付則ふそくで対応たいおうが当たり前あたりまえの作法さほう」

自民党じみんとうの高村たかむら副ふく総裁そうさいは党とう本部ほんぶで記者きしゃ団だんに対にたいし、「皇室こうしつ典範てんぱんと特別とくべつ法ほうとの関係かんけいをはっきりさせて、特別とくべつ法ほうも実質じっしつ的てきな意味いみの皇室こうしつ典範てんぱんなんだということを示しめすような場合ばあいには、皇室こうしつ典範てんぱんの本則ほんそくではなく、付則ふそくで対応たいおうするのは当たり前あたりまえの立法りっぽう作法さほうだ。憲法けんぽう違反いはんの疑義ぎぎがないように一定いっていの措置そちをする用意よういはあるが、必かならずしも、私わたしたちは付則ふそくで対応たいおうするとは言いっていない」と述のべました。

民みん進しん幹事かんじ長ちょう「皇室こうしつ典範てんぱんの本則ほんそくで対応たいおうを」

民進党みんしんとうの野田のだ幹事かんじ長ちょうは記者きしゃ団だんに対にたいし、「自民党じみんとうや公明党こうめいとうの考え方かんがえかたには、憲法けんぽう学者がくしゃの中なかに違憲いけんの疑うたがいがあるという意見いけんもあるので、違憲いけんの疑うたがいがないように、天皇てんのうの即位そくいと退位たいいは決きめていかなければいけない。自民じみん・公明こうめい両りょう党とうは『将来しょうらいの先例せんれいともなりうる』と言いっているが、天皇てんのうが崩御ほうぎょされた以外いがいにも、生前せいぜんの退位たいいがありえると認みとめるのであれば、きちんと皇室こうしつ典範てんぱんの本則ほんそくで対応たいおうすべきではないか」と述のべました。

公明こうめい副ふく代表だいひょう「将来しょうらいの天皇てんのう その時ときの国会こっかいで審査しんさを」

公明党こうめいとうの北側きたがわ副ふく代表だいひょうは国会こっかい内ないで記者きしゃ団だんに対にたいし、「『一いち代だい限かぎり』というのは、将来しょうらいの天皇てんのうの退位たいいを一切いっさい認みとめないという趣旨しゅしではなく、特別とくべつ法ほうであっても重要じゅうような先例せんれいになる。将来しょうらいの天皇てんのうについては、その時ときの国民こくみんの感情かんじょうや意思いし、皇室こうしつの状況じょうきょう、天皇てんのうの年齢ねんれいなどを勘案かんあんして、その時ときの国会こっかいが慎重しんちょうに審査しんさするのが望のぞましい」と述のべました。

共産きょうさん書記しょき局長きょくちょう「国民こくみん的てき議論ぎろん踏ふまえ憲法けんぽうに適合てきごうを」

共産きょうさん党とうの小池こいけ書記しょき局長きょくちょうは記者きしゃ会見かいけんで、「立法りっぽうの在り方ありかたについては、さまざまな意見いけんがあるが、現行げんこう憲法けんぽうの象徴しょうちょうである天皇てんのうの退位たいいを初はじめて立法りっぽう化かすることは、今後こんごの先例せんれいになると考かんがえる。立法りっぽうの在り方ありかたは、広ひろく国民こくみん的てきな議論ぎろんを踏ふまえて、憲法けんぽうの規定きていに適合てきごうするものとすべきだ」と述のべました。

維新いしん共同きょうどう代表だいひょう「できるだけ早はやく制度せいど化かを」

日本にっぽん維新いしんの会かいの片山かたやま共同きょうどう代表だいひょうは記者きしゃ会見かいけんで、「天皇てんのう陛下へいかの退位たいいは、あくまでも例外れいがいで、極きわめて限定げんてい的てきな仕組しくみとしなければならず、一いち代だい限かぎりの特別とくべつ法ほうの制定せいていはやむをえない。今月こんげつ中ちゅうには国会こっかいの意思いしをまとめて、できるだけ早はやく制度せいど化かすべきだ」と述のべました。

ソース：NHK ニュース