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べいトランプ大統領だいとうりょう 入国にゅうこく制限せいげんしん大統領だいとうりょうれい 反発はんぱつこえ

2017-03-06 22:40:08

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アメリカのトランプ大統領だいとうりょうは、テロ対策たいさく強化きょうかするとして、中東ちゅうとうなどのななか国かこくひと入国にゅうこく禁止きんししたことし1月いちがつ大統領だいとうりょうれいわるあらたな大統領だいとうりょうれいしました。今回こんかい対象たいしょうしゃ絞り込しぼりこむなどしていますが、「差別さべつてきだ」などとあらためて反発はんぱつこえがっています。
アメリカのトランプ大統領だいとうりょうろくにち、テロ対策たいさくとして、入国にゅうこく管理かんり強化きょうかするためのあらたな大統領だいとうりょうれい署名しょめいしました。

この大統領だいとうりょうれいは、ことし1月いちがつ、トランプ大統領だいとうりょう中東ちゅうとうやアフリカのななか国かこくひと入国にゅうこく禁止きんしすることなどをめいじた大統領だいとうりょうれいわるものです。

さき大統領だいとうりょうれいは、ワシントンしゅう連邦れんぽう地方ちほう裁判所さいばんしょ即時そくじ停止ていしめいじるかり処分しょぶん決定けっていしたあと、執行しっこう停止ていしされていて、トランプ大統領だいとうりょう対応たいおうさく検討けんとうしてきました。

あらたな大統領だいとうりょうれいでは、前回ぜんかい対象たいしょうとなったななか国かこくのうち、スーダン、シリア、イラン、リビア、ソマリア、イエメンのろくか国かこくひと入国にゅうこくきゅうぜろ日間にちかん禁止きんしします。

前回ぜんかい対象たいしょうとなっていたイラクは、ビザを申請しんせいするひと審査しんさ強化きょうかでアメリカに協力きょうりょくすることで合意ごういし、除外じょがいされました。

さらに、さき大統領だいとうりょうれいによって各地かくち空港くうこうなどで混乱こんらんしょうじ、批判ひはんまねいたことを念頭ねんとうに、永住えいじゅうけんているひとのぞき、新規しんきにビザを申請しんせいするひとのみを対象たいしょうとしていて、入国にゅうこく禁止きんし対象たいしょうしゃ絞り込しぼりこみました。

また、今回こんかい大統領だいとうりょうれいでは、難民なんみん受け入うけいれをいちぜろ日間にちかん停止ていしするとしていますが、前回ぜんかいふくまれていたシリア難民なんみん受け入うけいれの期限きげん停止ていし盛り込もりこまれませんでした。

記者きしゃ会見かいけんしたティラーソン国務こくむ長官ちょうかんは「大統領だいとうりょう国民こくみんまも正当せいとう権利けんり行使こうししている。イスラム過激かげきのテロリストに対にたいするぜい弱ぜいじゃくせい除去じょきょする取り組とりくみだと理解りかいしてほしい」と説明せつめいしました。

今回こんかい大統領だいとうりょうれいは、準備じゅんびのためにいちぜろにち現地げんち時間じかんいちろくにちから執行しっこうされ、さき大統領だいとうりょうれいは、それにあわせて廃止はいしされます。

トランプ大統領だいとうりょうとしてはあらためてテロ対策たいさく強化きょうかをアピールしたかたちですが、人権じんけん団体だんたいが「イスラム教徒きょうとへの差別さべつだ」と批判ひはんするなど、あらためて反発はんぱつこえがっています。

国務省こくむしょう政権せいけんにイラク除外じょがいはたらきかけ

アメリカ国務省こくむしょう中東ちゅうとう地域ちいき担当たんとうする当局とうきょくしゃNHKえぬえいちけい取材しゅざいに対にたいして、前回ぜんかい1月いちがつ大統領だいとうりょうれいされたときには、入国にゅうこく禁止きんし対象たいしょうこくからイラクをはずすよう、国務省こくむしょうがホワイトハウスにもとめたものの、聞き入ききいれられなかったことをあきらかにしました。

この当局とうきょくしゃによりますと、1月いちがつには、トランプ大統領だいとうりょう大統領だいとうりょうれい署名しょめいするよんはち時間じかんまえに、ホワイトハウスから国務省こくむしょう一部いちぶ内容ないよう通知つうちされたということですが、イラクには政府せいふ存在そんざい機能きのうしていることや、イラク政府せいふがテロ対策たいさく重要じゅうようなパートナーであることなどから、すくなくともイラクについては入国にゅうこく禁止きんし対象たいしょうこくから除外じょがいするよう国務省こくむしょう申し入もうしいれたものの、ホワイトハウスからは返答へんとうがなく、そのまま署名しょめいおこなわれたということです。

国務省こくむしょうは、今回こんかいあらたに大統領だいとうりょうれいされるにあたり、国防こくぼう総省そうしょうとも連携れんけいしてたいテロ作戦さくせんぎゃく効果こうかになりかねないとしてイラクを対象たいしょうから除外じょがいするようホワイトハウスにはたらきかけてきたほか、イラク政府せいふもホワイトハウスに直接ちょくせつつよ申し入もうしいれたということですが、ホワイトハウスないには異論いろん根強ねづよ政府せいふない調整ちょうせい長引ながびいたとこの当局とうきょくしゃ説明せつめいしています。

国務省こくむしょうでは、前回ぜんかい大統領だいとうりょうれいけて外交がいこうかん職員しょくいんおよそいちぜろぜろぜろにん大統領だいとうりょうれい批判ひはんする意見いけんしょ省内しょうない提出ていしゅつしたとほうじられていました。

イラク外務省がいむしょう大変たいへんあんどしている」

あらたな大統領だいとうりょうれいでイラクが入国にゅうこく禁止きんし対象たいしょうから除外じょがいされたことについて、イラク外務省がいむしょうろくにち、「大変たいへんあんどしている。イラクとアメリカがテロとのたたかいをはじめさまざまな分野ぶんや戦略せんりゃくてき同盟どうめい関係かんけい強化きょうかし、ただしい方向ほうこうかうための重要じゅうよういちとなる」として、歓迎かんげいする声明せいめい発表はっぴょうしました。

イラクは、アメリカの支援しえんけて過激かげき組織そしきIS=イスラミックステートのイラク国内こくない最大さいだい拠点きょてん、モスルの奪還だっかん作戦さくせんつづけています。

前回ぜんかい大統領だいとうりょうれいに対にたいして、イラクは両国りょうこく連携れんけいそこなうものだとしてつよ反発はんぱつし、アバディ首相しゅしょうがトランプ大統領だいとうりょう電話でんわ直接ちょくせつ見直みなおしを要請ようせいするなど、はたらきかけをつづけていました。

シリアじん難民なんみんからは失望しつぼういかりのこえ

トランプ大統領だいとうりょうあらたな大統領だいとうりょうれい難民なんみん受け入うけいれをいちぜろ日間にちかん停止ていしすることについて、内戦ないせんつづくシリアをのがれて隣国りんごくトルコでらす難民なんみんたちのからは失望しつぼういかりのこえかれました。

このうち、シリア北部ほくぶのアレッポけんからねんまえ避難ひなんしたよんぜろさい男性だんせいは「内戦ないせん被害ひがいけたのはつみのないひとたちです。アメリカのような大国たいこく難民なんみん受け入うけいれをめるのではなく、むしろ手助てだすけすべきです」といきどおっていました。

また、首都しゅとダマスカスからおととし避難ひなんしたよんさい男性だんせいは「シリアじんに対にたいして不公平ふこうへい不適切ふてきせつ命令めいれいです。危機ききてき状況じょうきょうなか支援しえん必要ひつようとしているのにだれたすけてくれません」となげいていました。

べい人権じんけん団体だんたい「イスラム教徒きょうとへの差別さべつ

アメリカの有力ゆうりょく人権じんけん団体だんたい「アメリカ自由じゆう人権じんけん協会きょうかい」はろくにち声明せいめい発表はっぴょうし、「あらたな大統領だいとうりょうれいでは入国にゅうこく禁止きんし対象たいしょうしゃ縮小しゅくしょうされたが、イスラム教徒きょうとへの差別さべつという致命ちめいてき欠陥けっかんがあるてんおなじだ。司法しほう国民こくみん双方そうほうから引き続ひきつづ非難ひなんびるだろう」として、批判ひはんしました。

また、国際こくさいてき人権じんけん団体だんたいのアメリカ支部しぶ「アムネスティ・インターナショナルUSAゆ-えすえ-」はろくにち声明せいめい発表はっぴょうし、「大統領だいとうりょうれい偏見へんけんもとづいてされたもので、基本きほんてき人権じんけん侵害しんがいし、宗教しゅうきょう国籍こくせきによる差別さべつ禁止きんし違反いはんしている。難民なんみん支援しえん中止ちゅうしするというはなしているが、これも安全あんぜんのためではなく、おそれや偏見へんけんによるものだ」と批判ひはんし、大統領だいとうりょうれい反対はんたいするよううったえました。

また、アメリカのイスラムけい団体だんたい「アメリカ・イスラム関係かんけい協議きょうぎかい」はろくにち首都しゅとワシントンで会見かいけんし、「この大統領だいとうりょうれい目的もくてきがイスラム教徒きょうとのアメリカへの入国にゅうこく禁止きんしすることなのはあきらかだ。入国にゅうこく禁止きんしされたくにひとたちが、アメリカの安全あんぜん保障ほしょうにとって脅威きょういになっているという根拠こんきょはない。わたしたちは権利けんりまもるためにたたかう」とべ、提訴ていそ検討けんとうしていることをあきらかにしました。

べい科学かがく振興しんこう協会きょうかい懸念けねん表明ひょうめい

あらたな大統領だいとうりょうれいについて、世界せかい最大さいだい学術がくじゅつ団体だんたい、AAAS=アメリカ科学かがく振興しんこう協会きょうかいはラッシュ・ホルト会長かいちょう名前なまえ声明せいめい発表はっぴょうし、「アメリカの科学かがくしゃたちとともに研究けんきゅうおこなおうとしている科学かがくしゃ学生がくせいわる影響えいきょうあたえる」として懸念けねん表明ひょうめいしました。

声明せいめいでは、「科学かがくは、公開こうかい原則げんそく透明とうめいせい、それにアイデアを自由じゆう表明ひょうめいできることによって進歩しんぽし、アメリカは世界せかい科学かがくしゃきつけ、おおくをてきた。移民いみん入国にゅうこくについての政策せいさく立案りつあんするさいには、科学かがく技術ぎじゅつ、イノベーションにおけるアメリカのリーダーシップへの影響えいきょうかんがえるべきだ」と、つよ批判ひはんしています。

民主党みんしゅとう上院じょういんトップ「取り消とりけされるべきだ」

野党やとう民主党みんしゅとう上院じょういんトップ、シューマー院内いんない総務そうむろくにち声明せいめい発表はっぴょうし、「内容ないようやわらげてはいても依然いぜんとして入国にゅうこく禁止きんしだ。この危険きけん大統領だいとうりょうれいは、われわれを安全あんぜんではなくするとともに、アメリカにふさわしくない。取り消とりけされるべきだ」と批判ひはんしました。

そのうえで、「この大統領だいとうりょうれいは、前回ぜんかい大統領だいとうりょうれいおなじように法廷ほうてい困難こんなん直面ちょくめんするだろう」として、今回こんかい大統領だいとうりょうれい裁判さいばんあらそわれることになるという見方みかたしめしました。

ワシントンしゅう司法しほう長官ちょうかん今後こんご司法しほう手続てつづきを検討けんとう

あらたな大統領だいとうりょうれいされたことをけて、西部せいぶワシントンしゅうのファーガソン司法しほう長官ちょうかんは、ろくにち声明せいめい発表はっぴょうしました。

ファーガソン司法しほう長官ちょうかんは、1月いちがつ前回ぜんかい大統領だいとうりょうれいされたさい違憲いけんだとして提訴ていそし、ワシントンしゅう連邦れんぽう地方ちほう裁判所さいばんしょ先月せんげつさんにち全米ぜんべい大統領だいとうりょうれい即時そくじ停止ていしめいじるかり処分しょぶん決定けっていしました。

ファーガソン司法しほう長官ちょうかん声明せいめいなかで、「トランプ大統領だいとうりょうまえ大統領だいとうりょうれい撤回てっかいしたことでひとつ、明確めいかくにしたことがある。それは、まえ大統領だいとうりょうれい法律ほうりつ憲法けんぽう道徳どうとくといういずれの観点かんてんからも弁護べんごできないものだということだ」として、あらためて、前回ぜんかい大統領だいとうりょうれい違法いほうだと主張しゅちょうしました。

そのうえで、「われわれは注意深ちゅういぶかく、あたらしい大統領だいとうりょうれいがワシントンしゅうあたえる影響えいきょう今後こんご司法しほう手続てつづきを検討けんとうする」としています。
ソース:NHK ニュース