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病苦の妻に頼まれ殺害 夫に懲役2年8か月 東京地裁
2017-03-10 07:52:43

去年6月、東京・池袋のホテルで、介護していた妻に頼まれて殺害したとして、嘱託殺人の罪に問われた夫に対し、東京地方裁判所は「病気で苦しむ妻の思いに応えて、妻と心中しようとしたことは同情もできるが、周囲に相談することもできたはずだ」として、懲役2年8か月の実刑判決を言い渡しました。
東京・板橋区の無職、山口輝武被告(33)は、妻の美賀さん(当時46)から「死にたい」と頼まれ、去年6月、豊島区池袋のホテルの部屋でナイフで刺して殺害したとして、嘱託殺人の罪に問われました。
10日の判決で、東京地方裁判所の室橋雅仁裁判官は「妻は原因不明の病気に苦しみ、自力でトイレも行けない状態だった。被告は妻の介護などで、仕事ができなくなり、生活に苦しむ中で、妻から『死にたい』と頼まれていた。そして、2人が出会った池袋の街で心中することを決意した」と、事件のいきさつを指摘しました。
そのうえで、「妻の思いに応えて心中しようとしたことは同情もできるが、周囲に相談することもできたはずだ」として、懲役2年8か月の実刑を言い渡しました。
このあと、裁判官は「妻が死ぬ手伝いではなく、生きる手伝いをしてほしかった。長い人生、誰でも死にたいと思うことはあるが、どんなに苦しくても人生を全うしてほしい。あなたも最後まで生き続けてほしい」と語りかけ、被告はじっと前を見て、うなずいていました。
10日の判決で、東京地方裁判所の室橋雅仁裁判官は「妻は原因不明の病気に苦しみ、自力でトイレも行けない状態だった。被告は妻の介護などで、仕事ができなくなり、生活に苦しむ中で、妻から『死にたい』と頼まれていた。そして、2人が出会った池袋の街で心中することを決意した」と、事件のいきさつを指摘しました。
そのうえで、「妻の思いに応えて心中しようとしたことは同情もできるが、周囲に相談することもできたはずだ」として、懲役2年8か月の実刑を言い渡しました。
このあと、裁判官は「妻が死ぬ手伝いではなく、生きる手伝いをしてほしかった。長い人生、誰でも死にたいと思うことはあるが、どんなに苦しくても人生を全うしてほしい。あなたも最後まで生き続けてほしい」と語りかけ、被告はじっと前を見て、うなずいていました。
2人が出会った街で心中を決意
裁判での証言などによりますと、山口被告と妻の美賀さんは7年前に結婚し、都内で2人で暮らしていました。
しかし、結婚から4年後、妻が手のけいれんや、下半身の強い痛みに苦しむようになり、おととし11月ごろからは1人で歩くことができず、車いすを使うようになりました。
妻は大学病院で何度も診察を受けましたが、原因がわからず、有効な治療ができない状態が続きます。山口被告は仕事を辞め、1人で妻の食事や入浴、トイレの手伝いなどの介護を続けました。
生活が苦しくなる中、病状が回復しないことに絶望した妻から「死にたい」と頼まれ、山口被告は妻と心中することを決意します。
そして、去年6月、二人が初めて出会った池袋の街へ行き、食事をしたあと、ホテルの部屋で妻を殺害し、みずからも自殺を図りました。
当時の状況について、山口被告は裁判で「ずっと苦しんでいた妻から『死にたい』と頼まれ、楽にしてあげたいと思った。ずっと二人で生きてきて、彼女がいない人生は考えられず、一緒に死のうと思った」と話していました。
しかし、結婚から4年後、妻が手のけいれんや、下半身の強い痛みに苦しむようになり、おととし11月ごろからは1人で歩くことができず、車いすを使うようになりました。
妻は大学病院で何度も診察を受けましたが、原因がわからず、有効な治療ができない状態が続きます。山口被告は仕事を辞め、1人で妻の食事や入浴、トイレの手伝いなどの介護を続けました。
生活が苦しくなる中、病状が回復しないことに絶望した妻から「死にたい」と頼まれ、山口被告は妻と心中することを決意します。
そして、去年6月、二人が初めて出会った池袋の街へ行き、食事をしたあと、ホテルの部屋で妻を殺害し、みずからも自殺を図りました。
当時の状況について、山口被告は裁判で「ずっと苦しんでいた妻から『死にたい』と頼まれ、楽にしてあげたいと思った。ずっと二人で生きてきて、彼女がいない人生は考えられず、一緒に死のうと思った」と話していました。
ソース:NHK ニュース