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福島ふくしまだいいち原発げんぱつ 常用じょうよう冷却れいきゃく装置そうち事故じこ前年ぜんねんまで起動きどうしにくい設定せってい

2017-03-12 09:17:57

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ろくねんまえ東京とうきょう電力でんりょく福島ふくしまだいいち原子力げんしりょく発電はつでんしょ事故じこで、最初さいしょにメルトダウンしたいち号機ごうきでは重要じゅうよう常用じょうよう冷却れいきゃく装置そうち事故じこ前年ぜんねんまでさんぜろねんちか起動きどうしにくい設定せっていになっていたことがわかりました。その結果けっか経験けいけんしゃがいない状態じょうたい対応たいおうせまられることになり、専門せんもんは「経験けいけん不足ふそく事故じこ拡大かくだいふせげなかった背景はいけいとなった可能かのうせいがある」と指摘してきしています。
福島ふくしまだいいち原発げんぱついち号機ごうきの「イソコン」とばれる常用じょうよう冷却れいきゃく装置そうちろくねんまえ地震じしんのあと自動じどう起動きどう運転うんてんいん操作そうさによって原子げんし冷却れいきゃくしていましたが、津波つなみ電源でんげんうしなわれたのち稼働かどう状態じょうたいあやまるなど十分じゅうぶんかすことができず、その後そのごいち号機ごうきはメルトダウンし水素すいそ爆発ばくはつこしました。

NHKえぬえいちけい東京とうきょう電力でんりょく関係かんけいしゃ情報じょうほう公開こうかい請求せいきゅうなどを通をつうじて取材しゅざいしたところ、いちきゅうはちいちねんにイソコンが起動きどうしにくくなる設定せってい変更へんこうおこなわれていたことがわかりました。

イソコンはトラブルなどで原子げんし圧力あつりょくたかまると自動じどう起動きどうしますが、このときの設定せってい変更へんこうでは原子げんし圧力あつりょくげるためのべつ機器ききさきうごくようになり、その後そのごさんぜろねんちかく、トラブルがあってもイソコンが作動さどうした記録きろくつかりませんでした。

事故じこまえとし安全あんぜん対策たいさく見直みなおしで今度こんどはイソコンが起動きどうしやすい設定せってい変更へんこうされましたが、その後そのご実際じっさいうごかす試験しけんおこなわれず、福島ふくしまだいいち原発げんぱつではイソコンをうごかした経験けいけんしゃがいない状態じょうたい事故じこ対応たいおうせまられることになりました。

東京とうきょう電力でんりょくいちきゅうはちいちねん設定せってい変更へんこうについて、記録きろくのこっておらず理由りゆう確認かくにんできないとしたうえで実際じっさいうごかす試験しけんおこなわなかったことについては、「イソコンに損傷そんしょうなどがしょうじると放射ほうしゃせい物質ぶっしつそとらすリスクがあった」とし、研修けんしゅうなどで知識ちしき習得しゅうとくしていたとしています。

原子力げんしりょく工学こうがくくわしい法政ほうせい大学だいがく宮野みやのひろし客員きゃくいん教授きょうじゅは「装置そうち実際じっさい使つかってみないと使つかえず、こうした経緯けいい事故じこ拡大かくだいふせげなかった背景はいけいとなった可能かのうせいがある。ほかの原発げんぱつにもある安全あんぜん設備せつびについても試験しけん訓練くんれん在り方ありかた見直みなお必要ひつようがある」と指摘してきしています。

東電とうでんOBお-び- うごかすこと躊躇ちゅうちょする装置そうち

イソコンを実際じっさいうごかす試験しけんおこなわれてこなかった背景はいけいについて、東京とうきょう電力でんりょくもと幹部かんぶビジネス・ブレークスルー大学だいがく二見ふたみ常夫つねお教授きょうじゅは「イソコンは、万一まんいち損傷そんしょうなどがしょうじると放射ほうしゃせい物質ぶっしつそとらすおそれがあり、作動さどうするとごう音ごうおんとともに大量たいりょう蒸気じょうきすため、周辺しゅうへん住民じゅうみん不安ふあんあたえるとしてうごかすことを躊躇ちゅうちょ(ちゅうちょ)するような装置そうちだった」とはなしています。

規制きせいちょう動作どうさ試験しけん リスクまえ調査ちょうさ検討けんとうしたい」

原子力げんしりょく規制きせいちょうNHKえぬえいちけい取材しゅざいに対にたいし、「実際じっさい装置そうちうごかす試験しけん慎重しんちょう検討けんとう必要ひつようだが、アメリカ原発げんぱつ運転うんてんちゅう実際じっさいうごかす試験しけんおこなっており、リスクもまえながら調査ちょうさ検討けんとうしたい」としています。
ソース:NHK ニュース