論文ろんぶんデータ改かいざん事件じけん 製薬せいやく会社かいしゃと元もと社員しゃいんに無罪むざい判決はんけつ 東京とうきょう地裁ちさい

大手おおて製薬せいやく会社かいしゃ「ノバルティスファーマ」の高こう血圧けつあつ治療ちりょう薬やくの論文ろんぶんデータ改かいざん事件じけんで、薬事やくじ法ほう違反いはんの罪つみに問とわれた会社かいしゃと元もと社員しゃいんに対にたいし、東京とうきょう地方ちほう裁判所さいばんしょは「元もと社員しゃいんによるデータの改かいざんは認みとめられるが、発表はっぴょうされた論文ろんぶんは薬事やくじ法ほうで規制きせいされた広告こうこくにはあたらない」として、いずれも無罪むざいを言い渡いいわたしました。

大手おおて製薬せいやく会社かいしゃ「ノバルティスファーマ」と元もと社員しゃいん、白しろ橋きょう伸雄のぶおさん（６ろく６ろく）は、高こう血圧けつあつ治療ちりょう薬やく「ディオバン」の臨床りんしょう研究けんきゅうでデータを改かいざんし、京都きょうと府立ふりつ医科いか大学だいがくの研究けんきゅうチームに虚偽きょぎの論文ろんぶんを発表はっぴょうさせたとして、薬事やくじ法ほう違反いはんの罪つみに問とわれました。

裁判さいばんでは元もと社員しゃいんが論文ろんぶんのデータを改かいざんしたかどうかや、論文ろんぶんを雑誌ざっしに掲載けいさいさせた行為こういが薬事やくじ法ほうで規制きせいされた広告こうこくにあたるかどうかなどが争点そうてんになりました。

１いち６ろく日にちの判決はんけつで、東京とうきょう地方ちほう裁判所さいばんしょの辻川つじかわ靖夫やすお裁判さいばん長ちょうは「元もと社員しゃいんが臨床りんしょう研究けんきゅうの数値すうちを水増みずましし、意図いと的てきに改かいざんしたデータを研究けんきゅうチームに提供ていきょうしたことは認みとめられる」と指摘してきしました。そのうえで、「研究けんきゅうチームが発表はっぴょうし、雑誌ざっしに掲載けいさいされた論文ろんぶんは一般いっぱんの学術がくじゅつ論文ろんぶんと異ことなるところがなく、薬事やくじ法ほうで規制きせいされた治療ちりょう薬やくの購入こうにゅう意欲いよくを高たかめるための広告こうこくにはあたらない」として、ノバルティスファーマと元もと社員しゃいんにいずれも無罪むざいを言い渡いいわたしました。

東京とうきょう地検ちけん「主張しゅちょう認みとめられず遺憾いかん」

判決はんけつについて、東京とうきょう地方ちほう検察庁けんさつちょうの落合おちあい義和よしかず次席じせき検事けんじは「検察官けんさつかんの主張しゅちょうが認みとめられなかったことは遺憾いかんであり、判決はんけつ内容ないようを十分じゅうぶん検討けんとうして、適切てきせつに対処たいしょしたい」というコメントを出だしました。

ソース：NHK ニュース