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サンシャイン水族館の魚大量死 恒例のイベント中止に
2017-11-09 07:47:57

東京 池袋の「サンシャイン水族館」では8日、「サンシャインラグーン」と呼ばれる大型水槽で飼育されていた魚の9割余りに当たる1235匹が死んでいるのが見つかりました。水族館によりますと、この水槽では魚の体にはんてんが現れる病気がはやっていたことから、7日に薬品を投入してその効果を高めるため、細かい空気の泡で水槽内のフンなどを取り除く装置を止めたところ、海水に含まれる酸素の濃度が減り、魚が死んだ可能性があるということです。
大型水槽の展示は9日から再開されていますが、幅およそ12メートルの水槽にはヨスジフエダイやトラフザメなど生き残った26種類、73匹の魚が展示されているのみで、魚の姿がほとんど見られない状況となっています。また、クリスマスにちなんでサンタクロースの姿をしたダイバーが水槽に潜る恒例のイベントが9日から行われる予定でしたが、中止となりました。
子どもと訪れた37歳の女性は「たくさんの魚が見られると思って楽しみにしていたのですが、ほとんどいないので残念です。魚が増えたらまた子どもと一緒に見に来たいです」と話していました。
水族館によりますと、水槽に新たな魚を補充することや中止となっているイベントを再開することを検討しているということですが、具体的な見通しは立っていないということです。
サンシャイン水族館の飼育員、山本昭さんは「今回の事態は全く想定していなかったのでショックが大きいが、酸素を供給する装置を増設するなどして再発防止に努めたい。一日も早く多くの魚を見て楽しんでもらえるようにしたい」と話していました。
大型水槽の展示は9日から再開されていますが、幅およそ12メートルの水槽にはヨスジフエダイやトラフザメなど生き残った26種類、73匹の魚が展示されているのみで、魚の姿がほとんど見られない状況となっています。また、クリスマスにちなんでサンタクロースの姿をしたダイバーが水槽に潜る恒例のイベントが9日から行われる予定でしたが、中止となりました。
子どもと訪れた37歳の女性は「たくさんの魚が見られると思って楽しみにしていたのですが、ほとんどいないので残念です。魚が増えたらまた子どもと一緒に見に来たいです」と話していました。
水族館によりますと、水槽に新たな魚を補充することや中止となっているイベントを再開することを検討しているということですが、具体的な見通しは立っていないということです。
サンシャイン水族館の飼育員、山本昭さんは「今回の事態は全く想定していなかったのでショックが大きいが、酸素を供給する装置を増設するなどして再発防止に努めたい。一日も早く多くの魚を見て楽しんでもらえるようにしたい」と話していました。
魚が大量死した水槽では、大小さまざまな種類の魚を1度に見ることができ、ダイバーが潜って水中で魚を紹介するパフォーマンスも人気です。
今回の大量死について水族館では、寄生虫が原因で白い斑点ができる「白点病」という病気が魚の間で広がったのがきっかけだと話しています。珍しい病気ではありませんが、寄生虫によってエラが炎症を起こして呼吸困難になり、処置が遅れると死に至ることもあります。
このため、水族館では、今月7日、治療のための薬を水槽に入れ、細かい空気の泡に魚のフンなどを吸着させて取り除く装置を止めました。この装置は薬も吸着してしまうため、治療の効果を高めようとしたのです。
ところが翌朝、大型水槽で飼育している魚の9割以上にあたるトビエイやタカサゴなど24種、1235匹が死んでいるのを警備員が見つけます。水族館は、酸素を送り込む装置は正常に作動していたものの、止めた装置が、補助的に酸素を送り込む機能も果たしていたことから、酸素の濃度が想定以上に減ってしまい、魚が死んだ原因となった可能性があると見ています。
今回の大量死について水族館では、寄生虫が原因で白い斑点ができる「白点病」という病気が魚の間で広がったのがきっかけだと話しています。珍しい病気ではありませんが、寄生虫によってエラが炎症を起こして呼吸困難になり、処置が遅れると死に至ることもあります。
このため、水族館では、今月7日、治療のための薬を水槽に入れ、細かい空気の泡に魚のフンなどを吸着させて取り除く装置を止めました。この装置は薬も吸着してしまうため、治療の効果を高めようとしたのです。
ところが翌朝、大型水槽で飼育している魚の9割以上にあたるトビエイやタカサゴなど24種、1235匹が死んでいるのを警備員が見つけます。水族館は、酸素を送り込む装置は正常に作動していたものの、止めた装置が、補助的に酸素を送り込む機能も果たしていたことから、酸素の濃度が想定以上に減ってしまい、魚が死んだ原因となった可能性があると見ています。
大量死 ほかの水族館でも
水族館で魚などが大量に死ぬケースはほかの水族館でも起きています。
東京 江戸川区の葛西臨海水族園では、クロマグロなどの回遊魚を多いときで190匹飼育していましたが、3年前の11月から相次いで死に翌年の3月には1匹が残るだけとなりました。その後の調査で、水中に溶け込んだ空気の濃度が異常に高くなり、血管に気泡ができる「ガス病」の疑いがあるほか、産卵行動に伴うストレスなど複合的な要因が重なったという報告書をまとめました。水族館では水中の気体の濃度を図る機器を新たに導入するなどの対策をとりました。
また、ことし9月には「横浜・八景島シーパラダイス」が、展示をしていない水槽で飼育していた「シンカイハクトウギンチャク」などの深海生物94匹が、冷却設備が故障し水温が上昇したことなどで、すべて死んだと発表しました。水族館では水槽や生物ごとに水温の管理やエサやりなど基本作業のマニュアルを作ったほか、夜間など、担当の飼育員がいない時でもほかのスタッフが異変に気づけるよう、注意点を張り紙で示すなど再発を防ぐ対策をとったということです。
東京 江戸川区の葛西臨海水族園では、クロマグロなどの回遊魚を多いときで190匹飼育していましたが、3年前の11月から相次いで死に翌年の3月には1匹が残るだけとなりました。その後の調査で、水中に溶け込んだ空気の濃度が異常に高くなり、血管に気泡ができる「ガス病」の疑いがあるほか、産卵行動に伴うストレスなど複合的な要因が重なったという報告書をまとめました。水族館では水中の気体の濃度を図る機器を新たに導入するなどの対策をとりました。
また、ことし9月には「横浜・八景島シーパラダイス」が、展示をしていない水槽で飼育していた「シンカイハクトウギンチャク」などの深海生物94匹が、冷却設備が故障し水温が上昇したことなどで、すべて死んだと発表しました。水族館では水槽や生物ごとに水温の管理やエサやりなど基本作業のマニュアルを作ったほか、夜間など、担当の飼育員がいない時でもほかのスタッフが異変に気づけるよう、注意点を張り紙で示すなど再発を防ぐ対策をとったということです。
専門家「失敗の教訓生かすことが大切」
水族館で魚などが大量死するケースが起きていることについて専門家は、「今の水族館では展示が大型化し、これまでにない管理や飼育に直面している」と管理の難しさを指摘したうえで「失敗の教訓をほかの施設でも生かしていくことが大切だ」と話しています。
水族館の飼育員を務め、今も水族館のアドバイザーをしている北里大学海洋生命科学部の三宅裕志准教授は、「世界的に見ても日本は水族館の数が多い。目の肥えた来場者を満足させるため、展示が大型化したり、水の流れを作ったりとこれまでにない工夫を求められている。飼育員は経験したことのないような管理や飼育に直面していると言える」と指摘しています。そのうえで「進化する水族館を運営する中で失敗が起きる事態は避けられない。失敗を教訓にしてほかの施設でも生かしていくことが大切だ」と話しています。
現在、各地の水族館の飼育員が集まり、飼育方法や繁殖方法のノウハウを発表し合う機会があり、こうした場で失敗事例も共有していくことが求められているということです。
水族館の飼育員を務め、今も水族館のアドバイザーをしている北里大学海洋生命科学部の三宅裕志准教授は、「世界的に見ても日本は水族館の数が多い。目の肥えた来場者を満足させるため、展示が大型化したり、水の流れを作ったりとこれまでにない工夫を求められている。飼育員は経験したことのないような管理や飼育に直面していると言える」と指摘しています。そのうえで「進化する水族館を運営する中で失敗が起きる事態は避けられない。失敗を教訓にしてほかの施設でも生かしていくことが大切だ」と話しています。
現在、各地の水族館の飼育員が集まり、飼育方法や繁殖方法のノウハウを発表し合う機会があり、こうした場で失敗事例も共有していくことが求められているということです。
ソース:NHK ニュース