企業きぎょうの採用さいよう面接めんせつきょうから 罰則ばっそくなく“半数はんすう以上いじょうの学生がくせいに内定ないてい”

来年らいねん春はるに卒業そつぎょうする大学生だいがくせいなどを対象たいしょうにした企業きぎょうの採用さいよう面接めんせつは1日にちから始はじまり、採用さいよう活動かつどうが本格ほんかく化かします。ただ、すでに半数はんすう以上いじょうの学生がくせいが内定ないていを得えているという調査ちょうさ結果けっかもあり、採用さいよう活動かつどうの早期そうき化かが一段いちだんと進すすんでいます。

きょう6月つき1日にちから始はじまる大学生だいがくせいなどの採用さいよう面接めんせつの日程にっていは、以前いぜん、経団連けいだんれんが決きめていましたが、去年きょねんからは政府せいふのルールで行おこなわれています。

就職しゅうしょく情報じょうほう会社かいしゃの「ディスコ」によりますと、先月せんげつ1日にち時点じてんで調査ちょうさした全国ぜんこくの学生がくせい1273人にんのうち58.4％が内定ないていを得えているということです。

新型しんがたコロナウイルスの影響えいきょうがなかったおととしより7ポイント余あまり高たかくなっていて、採用さいよう活動かつどうの早期そうき化かが一段いちだんと進すすむ形かたちとなっています。

また、すでに内定ないていを得えた学生がくせいにその業界ぎょうかいを聞きいたところ、
▽情報じょうほう処理しょり・ソフトウエア・ゲームソフトが36.7％、
▽建設けんせつ・住宅じゅうたく・不動産ふどうさんが17.1％、
▽調査ちょうさ・コンサルタントが11.7％となっています。

デジタルなどの分野ぶんやで人材じんざいの獲得かくとく競争きょうそうが激はげしくなる中なかで企業きぎょうの間まで早期そうきに優秀ゆうしゅうな学生がくせいを確保かくほしようという動うごきが強つよまっていることがうかがえます。

また、採用さいよう活動かつどうのルールには罰則ばっそくがないことも早期そうき化かを後押あとおししているとみられています。

ディスコの武井たけい房子ふさこ上席じょうせき研究けんきゅう員いんは「早期そうき化かが進すすんでいるが、コロナ禍かで打撃だげきを受うけている販売はんばいやサービスといった業種ぎょうしゅの採用さいよう活動かつどうは今後こんご、行おこなわれることが多おおく、そうした企業きぎょうで採用さいようが増ふえないと内定ないてい率りつは最終さいしゅう的てきに伸のびない可能かのう性せいがある」と話はなしています。

OB訪問ほうもんの機会きかい限かぎられ 情報じょうほう収集しゅうしゅう「進すすまない」学生がくせいは半数はんすう以上いじょう

一方いっぽう、学生がくせいにとってはこの1年ねん、大学だいがくの授業じゅぎょうやサークル活動かつどうが十分じゅうぶんできなかったことに加くわえ、OB訪問ほうもんなどの機会きかいも限かぎられてきました。

「ディスコ」が就職しゅうしょく活動かつどうの情報じょうほう収集しゅうしゅうが進すすまないと感かんじた経験けいけんがあるかと聞きいたところ、半数はんすう以上いじょうの学生がくせいが「非常ひじょうにある」または「ややある」と答こたえました。

武井たけい房子ふさこ上席じょうせき研究けんきゅう員いんは「オンラインでスムーズに就職しゅうしょく活動かつどうができる学生がくせいがいる一方いっぽうで、コツをつかめずに、自分じぶんをアピールすることが難むずかしいと感かんじる学生がくせいも多おおいと思おもう。学生がくせいどうしでの情報じょうほう交換こうかんも行おこないにくくなっているようなので、気付きづかずに出遅でおくれている可能かのう性せいもある」と話はなしています。

コロナ禍か 学校がっこうに行いく機会きかい減へり就職しゅうしょく相談そうだんの機会きかいも少すくなく

このうち、東京とうきょう 豊島としま区くの学習がくしゅう院いん大学だいがくでは昨年度さくねんどの授業じゅぎょうは原則げんそくオンラインだったうえ、サークル活動かつどうなども大幅おおはばに制限せいげんされました。

その結果けっか、学校がっこうに行いく機会きかいが減へり、学生がくせいどうしで気軽きがるに情報じょうほう交換こうかんしたり、大学だいがくに相談そうだんしたりする機会きかいが少すくなくなったということで、大学だいがくでは就職しゅうしょく活動かつどうが遅おくれている学生がくせいが例年れいねんより多おおいとみています。

こうした学生がくせいに対にたいして大学だいがくではエントリーシートの書き方かきかたなどの指導しどうを行おこなっています。

さらに活動かつどうが遅おくれた学生がくせいなどに向むけて自己じこ分析ぶんせきのしかたや面接めんせつ対策たいさくなどの要点ようてんをスマートフォンで確認かくにんできる10分ふん程度ていどの短みじかい動画どうがも作成さくせいしました。

4年生ねんせいの男子だんし学生がくせいは「学校がっこうで授業じゅぎょうを受うけていたら、周まわりの変化へんかに敏感びんかんに気きづけたかもしれないが、オンラインで遅おくれてしまった。すでに内定ないていを得えている友達ともだちと比くらべて落ち込おちこむこともあった。まずは行動こうどうすることから始はじめたい」と話はなしていました。

学習がくしゅう院いん大学だいがくのキャリアカウンセラー、淡あわ野の健けんさんは「ネット中心ちゅうしんの情報じょうほう収集しゅうしゅうには限界げんかいがあり、活動かつどうが止とまっている学生がくせいが増ふえていることを心配しんぱいしている。動画どうがなどを見みてもらい学生がくせいとの接触せっしょくの機会きかいを少すこしでも増ふやして活動かつどうを促うながしていきたい」と話はなしていました。

ソース：NHK ニュース