“京きょうアニ”放火ほうか 事件じけん前まえに京都きょうとで「聖地せいち巡礼じゅんれい」か

「京都きょうとアニメーション」のスタジオが放火ほうかされ35人にんが死亡しぼうした事件じけんで、青葉あおば真司しんじ容疑ようぎ者しゃは、事件じけんの３さん日にち前まえに京都きょうとに入はいったあと京都きょうとアニメーションが手てがけた人気にんき作品さくひんにゆかりのある場所ばしょを巡めぐっていた可能かのう性せいがあることが警察けいさつへの取材しゅざいでわかりました。

今月こんげつ18日にち、京都きょうと市し伏見ふしみ区くにある「京都きょうとアニメーション」の第だい１いちスタジオが放火ほうかされ、35人にんが死亡しぼう、33人にんが重軽傷じゅうけいしょうを負おった事件じけんで、警察けいさつは、病院びょういんで治療ちりょうを受うけている青葉あおば真司しんじ容疑ようぎ者しゃ（41）について容体ようだいの回復かいふくを待まって放火ほうかや殺人さつじんなどの疑うたがいで逮捕たいほする方針ほうしんです。

これまでの捜査そうさで青葉あおば容疑ようぎ者しゃは、事件じけん３さん日にち前まえの今月こんげつ15日にちに京都きょうとに入はいり、その後そのご、京都きょうとアニメーションの本社ほんしゃなどがある宇治うじ市し周辺しゅうへんを連日れんじつ、移動いどうしていたことが複数ふくすうの防犯ぼうはんカメラの映像えいぞうなどからわかっています。

その後そのごの調しらべで、宇治うじ市内しないでは京都きょうとアニメーションの人気にんき作品さくひん、「響ひびけ！ユーフォニアム」にゆかりの場所ばしょを巡めぐっていた可能かのう性せいがあることがわかりました。

作品さくひんは吹奏楽すいそうがく部ぶの高校生こうこうせいたちの青春せいしゅんを描えがいたアニメで、宇治うじ市内しないに実在じつざいする場所ばしょが数多かずおおく登場とうじょうし、一部いちぶのファンの間まではこうした場所ばしょを巡めぐることを「聖地せいち巡礼じゅんれい」と呼よんで人気にんきを集あつめています。

青葉あおば容疑ようぎ者しゃの自宅じたくの捜索そうさくでは京都きょうとアニメーションの関連かんれん商品しょうひんも押収おうしゅうされていて、警察けいさつは、事件じけん前まえの足取あしどりが動機どうきの解明かいめいにつながるか、調しらべを進すすめています。

作品さくひんの舞台ぶたいを訪おとずれる「聖地せいち巡礼じゅんれい」

アニメなどのファンが作品さくひんの舞台ぶたいとなった場所ばしょを実際じっさいに訪おとずれることは、「聖地せいち巡礼じゅんれい」と呼よばれ、人気にんきを集あつめています。

京都きょうとアニメーションが手てがけたテレビアニメ、「らき☆すた」が平成へいせい19年ねんに放送ほうそうされた際さい、舞台ぶたいとなった埼玉さいたま県けん久喜くき市しの鷲宮わしみや神社じんじゃを多おおくのファンが訪おとずれたことが「聖地せいち巡礼じゅんれい」ブームの先駆さきがけの１ひとつとされています。

そして、３さん年ねん前まえ、平成へいせい28年ねんの「新語しんご・流行りゅうこう語ご大賞たいしょう」では、「聖地せいち巡礼じゅんれい」がノミネートされるなど、社会しゃかい現象げんしょうにもなりました。

京都きょうとアニメーションの本社ほんしゃがある宇治うじ市しは、この会社かいしゃが手てがけたアニメ、「響ひびけ！ユーフォニアム」の舞台ぶたいとなっていて、市内しないにはこの作品さくひんの「聖地せいち」とされる場所ばしょが数多かずおおくあります。

ＪＲじぇいあ-るの宇治うじ駅えきをはじめ、大吉おおよし山さんの登山とざん口ぐちと登山とざん道どうや、宇治うじ神社じんじゃなどの神社じんじゃ、コンビニエンスストアや予備校よびこう、それに市内しないの橋はしや交差点こうさてんなどが「聖地せいち」とされていて、多おおくのファンが訪おとずれています。

29日にちも多おおくの人ひとが献花けんかに

30度どを超こえる暑あつさの中なか、29日にちも大勢たいせいの人ひとたちが「京都きょうとアニメーション」のスタジオ近ちかくの献花けんか台だいを訪おとずれ、花はなを手向たむけたり静しずかに手てを合あわせたりしていました。

献花けんか台だいには東京とうきょうで集あつめられたという７なな枚まいの色紙いろがみがきのうの夜よるから置おかれていて、日本にっぽん語ごのほか、英語えいごや韓国かんこく語ごなどで外国がいこく人じんのファンからとみられる応援おうえんのメッセージが書き込かきこまれていました。

愛知あいち県けんから訪おとずれたという16歳さいの男性だんせいは、「京都きょうとアニメーションの作品さくひんに『思おもいを伝つたえることの大切たいせつさ』を教おしえてもらい、支ささえられてきました。いつかまた、京きょうアニの作品さくひんを見みることができたらいいなと思おもいます」と涙なみだを浮うかべながら話はなしていました。

また、献花けんか台だいから100メートルほど離はなれた現場げんばの建物たてものの前まえにも多おおくの人ひとが訪おとずれ、亡なくなった人ひとたちを悼いたんでいました。

娘むすめが京都きょうとアニメーションのファンだという埼玉さいたま県けんから訪おとずれた79歳さいの女性じょせいは、「『やすらかにお眠ねむりください』とお祈おいのりしました。犯人はんにんは同おなじ人間にんげんのはずなのにどうして人ひとが亡なくなることがつらいことだと考かんがえられなかったんだろう」と話はなしていました。

ソース：NHK ニュース