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トミー・ジョン手術しゅじゅつ よんわり高校生こうこうせい以下いか 野球やきゅう指導しどうしゃ意識いしき改革かいかく

2019-07-30 20:38:32

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ひじをいためたプロ野球やきゅう選手せんしゅおこなことでられる「トミー・ジョン手術しゅじゅつ」、じん帯じんたい切除せつじょしておこな大手おおてじゅつですが、この手術しゅじゅつおこな病院びょういん取材しゅざいしたところ、手術しゅじゅつけたおよそよんわり高校生こうこうせい以下いかどもで、なかには小学生しょうがくせいもいることがかりました。医師いしは「予防よぼうすれば必要ひつようのない手術しゅじゅつであり、野球やきゅう指導しどうしゃ意識いしきえる必要ひつようある」とはなしています。
群馬ぐんまけん館林たてばやしあるけいとも整形せいけい外科げか病院びょういんは「トミー・ジョン手術しゅじゅつ」をおこな国内こくないでも有数ゆうすう病院びょういんで、これまでプロ野球やきゅう選手せんしゅふくめおよそ1200けん手術しゅじゅつおこなっています。

このうち、10ねん以上いじょうにわたって600けん以上いじょう手術しゅじゅつおこなってきた古島こじまひろしさん医師いしが、担当たんとうした患者かんじゃ分析ぶんせきしたところ、高校生こうこうせい以下いかどもがおよそよんわりめ、なかには小学生しょうがくせいもいたことがかりました。

トミー・ジョン手術しゅじゅつはひじのじん帯じんたい切除せつじょし、ほか部分ぶぶんのけんを移植いしょくするもので、手術しゅじゅつけたどものおおくは投球とうきゅうできない状態じょうたいになっていて、手術しゅじゅつ以外いがい回復かいふくする方法ほうほうがなかったケースおおということです。

古島こじま医師いしは「ほねができあがっていないどもの時期じきやすまずにげすぎることで、ひじをいためるリスクがどんどんたかくなる予防よぼうをすれば必要ひつようのない手術しゅじゅつであり、指導しどうしゃ絶対ぜったいにけがをさせないというように意識いしきえる必要ひつようある」とはなしています。

手術しゅじゅつける高校生こうこうせいほぼいちにんげていた」

強豪きょうごうこうかよ16さい高校こうこういち年生ねんせい投手とうしゅは、ちか、トミー・ジョン手術しゅじゅつけることになりました。

ひじにいたかんじるようになったのは小学生しょうがくせいときで、中学校ちゅうがっこうはいいち試合しあいで100きゅうほどいちか月かげつではわせて試合しあいで800きゅうほどげることがあり、つよいたみをかんじることもてきました。

高校こうこうはいいたはさらにひどくなり、病院びょういん検査けんさでひじの内側うちがわじん帯じんたいについているほねがはがれていることがかり手術しゅじゅつまりました。

この投手とうしゅは「中学ちゅうがくではわりのピッチャーがいないため、大会たいかい練習れんしゅう試合しあいほぼいちにんげていたことが原因げんいんだとおも」とはなしていました。

手術しゅじゅつおこな古島こじま医師いしによると、野球やきゅう関連かんれん新規しんき患者かんじゃ年間ねんかんおよそ800にんおとずれますが、そのおよそよんぶんさん高校生こうこうせい以下いかどもで、「小中こなか学生がくせいほねよわのでたますうげていなくてもひじをいためる。またいたくないとっても、検査けんさをするとひじのほね変形へんけいしていることがたくさんある将来しょうらいかんがえるいたがなくてもいちかい検査けんさけてほしい」とはなしています。

検査けんさした小学生しょうがくせいの28% “ひじをいためる”

古島こじま医師いしがことし1月いちがつ野球やきゅうチーム所属しょぞくしている小学生しょうがくせい289にんのひじの状態じょうたい検査けんさした結果けっか過去かこにひじをいためたり、現在げんざいひじをいためたりしている選手せんしゅは89にんで28%にのぼりました。

また病院びょういんある高校こうこう野球やきゅう選手せんしゅ60にん調しらべたところ、39にん小中こなか学校がっこうでひじをいためた経験けいけんがありこのうち半数はんすうちか高校こうこうでもひじをいためていました。

一方いっぽう小中こなか学校がっこうでひじをいためた経験けいけんのないのは21にんで、このうち高校こうこうでひじをいためたのはにんにとどまりました。

古島こじま医師いし小中こなか学校がっこう、ひじをいためない環境かんきょうづくりがながくプレーをしていくうえで必要ひつようだとしていて、「おおのは上手じょうず選手せんしゅ試合しあいつづけて、けがをするパターンどものときにこだわった指導しどうをしているかぎりひじをいためる選手せんしゅらない」とはなしています。

たますう制限せいげん議論ぎろん活発かっぱつ

どもたちのかたやひじのけがをふせためのたますう制限せいげんをめぐっては全国ぜんこく議論ぎろん活発かっぱつになっています。

ぜん日本にっぽん軟式なんしき野球やきゅう連盟れんめいは、ことしの全国ぜんこく大会たいかいから試合しあいでのピッチャーのいちにち投球とうきゅうすうを70きゅうまでに制限せいげんすることをめました。

ぜん日本にっぽん軟式なんしき野球やきゅう連盟れんめいによりますと、ここ年間ねんかん全国ぜんこく大会たいかいでのかくチーム投球とうきゅうすうは、いち試合しあい平均へいきん100きゅう程度ていどで、いちにん投手とうしゅ最後さいごまでいた試合しあい全体ぜんたいの53%にのぼっていて、連盟れんめいは、たますう制限せいげん導入どうにゅうによってげすぎを未然みぜんふせ効果こうかあるとしています。

一方いっぽう競技きょうぎしゃすう減少げんしょうなど複数ふくすうのピッチャーの育成いくせいむずかしいチームあるという意見いけんもあったということです。

また高野連こうやれん日本にっぽん高校こうこう野球やきゅう連盟れんめい投手とうしゅ負担ふたん軽減けいげんさくについて検討けんとうする有識者ゆうしきしゃ会議かいぎ設置せっちしています。

6月ろくがつひらかれた会議かいぎでは、たますう制限せいげん必要ひつようだということで意見いけん一致いっちしたということす。

しかしいち試合しあいごとにたますう制限せいげんかけることについて「チームへの制約せいやくおおきい」という反対はんたい意見いけんたことから、日数にっすうなど一定いってい期間きかんもうけてたますう制限せいげんするあん提言ていげんする方針ほうしんめました。

有識者ゆうしきしゃ会議かいぎではことし11月下げっかしゅんまでに議論ぎろんをまとめ、提言ていげんおこなことにしています。

けが防止ぼうし べいでは「ピッチ・スマート公表こうひょう

アメリカでは、大リーグだいり-ぐ機構きこうなどが2014ねんに18さい以下いかアマチュア投手とうしゅのけが防止ぼうしのためのガイドライン「ピッチ・スマート」を公表こうひょうしています。

年齢ねんれいごとにいちにち試合しあい最大さいだい投球とうきゅうすうさだめ、ななさいからはちさいは50きゅう、11さいから12さいは85きゅう日本にっぽん高校生こうこうせいにあたる17さいから18さいは105きゅうまでなどとしています。

さらに、いちにちげる投球とうきゅうすうごとにつぎ登板とうばんまでの休息きゅうそく期間きかんしめしていて、17さいから18さいでは31きゅうから45きゅう休息きゅうそく期間きかんいち日間にちかん、76きゅう以上いじょうげるとよん日間にちかん休息きゅうそく期間きかん必要ひつようなどどしています。

また15さいから18さいでは、いち年間ねんかんに100イニングをえてげてはいけないこともめています。

古島こじま医師いしは「外国がいこくでは、どもにけがをさせると指導しどうしゃとしてはやっていけなくなるくにもある投球とうきゅうすう基準きじゅんをつくることで、指導しどうしゃ保護ほごしゃどもをけがからまもろうという意識いしきまれてくるとおも」とはなしています。
ソース:NHK ニュース