陸上りくじょう 山縣やまがた亮太りょうた 男子だんし100mで9秒びょう95の日本にっぽん新しん記録きろく

陸上りくじょうの山縣やまがた亮太りょうた選手せんしゅが鳥取とっとり市しで行おこなわれた男子だんし100メートルのレースで9秒びょう95の日本にっぽん新しん記録きろくをマークしました。

山縣やまがた選手せんしゅは、鳥取とっとり市しで行おこなわれた「布勢ふせスプリント」に出場しゅつじょうし男子だんし100メートル予選よせんで追い風おいかぜ1.7メートルのなか今いまシーズン国内こくない最高さいこうとなる10秒びょう01の好こうタイムをマークし決勝けっしょうに進すすみました。

決勝けっしょうは追い風おいかぜ2メートルと予選よせんより強つよい追い風おいかぜが吹ふくなか、持ち味もちあじのスタートからスムーズに加速かそくし中盤ちゅうばんで先頭せんとうに立たつと、その勢いきおいのままトップでフィニッシュしました。

注目ちゅうもくのタイムは9秒びょう95で、サニブラウン アブデル・ハキーム選手せんしゅが2019年ねんにアメリカでマークした日本にっぽん記録きろくを100分ぶんの2秒びょう更新こうしんしました。

山縣やまがた選手せんしゅは日本にっぽん選手せんしゅとして4人にん目めの9秒びょう台だいです。

山縣やまがた選手せんしゅがマークした9秒びょう95という日本にっぽん記録きろくのタイムは、どのような位置いちづけにあるのか。

陸上りくじょうの国際こくさい団体だんたい、世界せかい陸連りくれんのホームページによりますと、ことしのタイムでは世界せかいで8位いに並ならぶものです。

また、前回ぜんかいのオリンピック、2016年ねんのリオデジャネイロ大会たいかいでは、3組くみあった準決勝じゅんけっしょうでは全体ぜんたいで4番目ばんめに速はやいタイムで決勝けっしょう進出しんしゅつが可能かのうとなり、決勝けっしょうでは6位い相当そうとうのタイムです。

さらに直近ちょっきんとなる2019年ねんの世界せかい選手権せんしゅけんでも、3組くみあった準決勝じゅんけっしょうの全体ぜんたいで2番目ばんめに速はやいタイムで決勝けっしょう進出しんしゅつが可能かのうで、決勝けっしょうでは5位いに相当そうとうするタイムとなり、最高峰さいこうほうの舞台ぶたいでも世界せかいトップクラスの選手せんしゅたちに十分じゅうぶん匹敵ひってきすることがわかります。

布施ふせスプリント 男子だんし100m決勝けっしょうの結果けっか

1位い 9秒びょう95 山縣やまがた亮太りょうた
2位い 10秒びょう01 多田ただ修平しゅうへい
3位い 10秒びょう13 小池こいけ祐ゆう貴たか
4位い 10秒びょう18 東田ひがしだ旺洋よう
5位い 10秒びょう22 永田ながた駿しゅん斗と
6位い 10秒びょう28 ケンブリッジ飛鳥ひちょう
7位い 10秒びょう36 遠藤えんどう泰司やすじ
（棄権きけん 桐生きりゅう祥さち秀しゅう）
※追い風おいかぜ2メートル

山縣やまがた亮太りょうたとは

山縣やまがた亮太りょうた選手せんしゅは、広島ひろしま県けん出身しゅっしんの28歳さい。
勢いきおいのあるスタートからスピードを維持いじしてフィニッシュにつなげる走はしりが持ち味もちあじです。

オリンピックにはロンドンとリオデジャネイロの2大会たいかいに連続れんぞくで出場しゅつじょうし、リオデジャネイロ大会たいかいでは男子だんし400メートルリレーのメンバーとして銀メダルぎんめだるを獲得かくとくしました。

2018年ねんのアジア大会たいかいでは当時とうじの日本にっぽん歴代れきだい2位いで自己じこベストに並ならぶ10秒びょう00の好こうタイムをマークして銅メダルどうめだるを獲得かくとくしました。

国内こくないトップクラスの実力じつりょくを持もちながら、おととしは肺はいの病気びょうきなどで、昨さくシーズンは右みぎひざの痛いたみの影響えいきょうで不ふ本意ほんいなシーズンを送おくりましたが、巻き返まきかえしをかけた今こんシーズン、オリンピックの代表だいひょう選考せんこう会かいとなる日本にっぽん選手権せんしゅけんを前まえに結果けっかを残のこしました。

目指めざした“バランスのいい走はしり”

山縣やまがた選手せんしゅが日本にっぽん記録きろくを更新こうしんした背景はいけいにはここ2年ねんの不振ふしんを受うけたトレーニング環境かんきょうや技術ぎじゅつなどの変化へんかがありました。

山縣やまがた選手せんしゅは、これまで専属せんぞくのコーチを置おかないという異例いれいのトレーニング方法ほうほうを貫つらぬき、トップスプリンターとして結果けっかを残のこし続つづけてきました。

しかし、肺はいの病気びょうきや相次あいつぐケガなどにより2年ねん連続れんぞくで日本にっぽん選手権せんしゅけんを欠場けつじょうするなど不ふ本意ほんいなシーズンを送おくったことを受うけてその姿勢しせいを一転いってんさせました。

ことし2月つきから女子じょし100メートルハードルの日本にっぽん記録きろく保持ほじ者しゃ、寺田てらだ明日香あすか選手せんしゅも指導しどうする高野たかの大樹だいきコーチの指導しどうを受うけるようになったのです。

この決断けつだんについて山縣やまがた選手せんしゅは「この2年間ねんかんはケガもあり自分じぶんの殻からを破やぶって変かえていかなければいけないと思おもった。自分じぶんで考かんがえることは続つづけつつ、練習れんしゅうや試合しあいでフィードバックをもらえるので非常ひじょうにいい練習れんしゅうができている」と話はなしています。

これに伴ともない、技術ぎじゅつ面めんの変化へんかもありました。重心じゅうしんの位置いちを前まえにするフォームの改造かいぞうです。後うしろ気味ぎみになっていた重心じゅうしんを前まえに戻もどすことによって「バランスのいい走はしり」を目指めざしたことで、持ち味もちあじのスタートからのむだのない走はしりが戻もどりました。

「オリンピックの1年ねん延期えんき」というかつてない事態じたいをチャンスととらえ、オリンピックシーズンを前まえにしても常つねに変化へんかを恐おそれない姿勢しせいが今回こんかいの記録きろく更新こうしんにつながったといえます。

男子だんし100m 日本にっぽん記録きろくの推移すいい

男子だんし100メートルでは伊東いとう浩司こうじさんが1998年ねんのアジア大会たいかいでマークした10秒びょう00が19年ねんの長ながきにわたって日本にっぽん記録きろくとして刻きざまれてきました。

リオデジャネイロオリンピックを終おえ、次つぎの東京とうきょうオリンピックに向むけ日本にっぽん選手せんしゅの強化きょうかが進すすむ中なかで男子だんし100メートルの歴史れきしは大おおきく動うごきます。

2017年ねん9月つきに桐生きりゅう祥さち秀しゅう選手せんしゅがついに10秒びょうの壁かべを破やぶり日本にっぽん選手せんしゅで初はつの9秒びょう台だいとなる9秒びょう98の日本にっぽん新しん記録きろくをマークしたのです。

さらに2019年ねんにはアメリカに拠点きょてんを移うつしてトレーニングを積つんでいたサニブラウン アブデル・ハキーム選手せんしゅが全米ぜんべい大学だいがく選手権せんしゅけんという大おおきな舞台ぶたいで9秒びょう97まで記録きろくを更新こうしんしました。
この年としは、小池こいけ祐ゆう貴き選手せんしゅも9秒びょう98をマークしました。

山縣やまがた選手せんしゅの日本にっぽん記録きろく更新こうしんで現在げんざい、日本にっぽんには9秒びょう台だいの自己じこベストを持もつ選手せんしゅは4人にんと一気いっきにレベルが上あがりました。

【男子だんし100m日本にっぽん記録きろくの推移すいい】
▽1998年ねん12月つき 10秒びょう00 伊東いとう浩司こうじ
▽2017年ねん9月つき 9秒びょう98 桐生きりゅう祥さち秀しゅう
▽2019年ねん6月つき 9秒びょう97 サニブラウン アブデル・ハキーム
▽2021年ねん6月つき 9秒びょう95 山縣やまがた亮太りょうた男子だんし

【100m日本にっぽん歴代れきだい記録きろく（上位じょうい10人にん、※は現役げんえき）】
1位い 9秒びょう95 山縣やまがた亮太りょうた※
2位い 9秒びょう97 サニブラウン アブデル・ハキーム※
3位い 9秒びょう98 桐生きりゅう祥さち秀しげる※
3位い 9秒びょう98 小池こいけ祐ゆう貴たか※
5位い 10秒びょう00 伊東いとう浩司こうじ
6位い 10秒びょう01 多田ただ修平しゅうへい※
7位い 10秒びょう02 朝原あさはら宣治のぶはる
8位い 10秒びょう03 末すえ續慎吾しんご※
8位い 10秒びょう03 ケンブリッジ飛鳥ひちょう※
10位い 10秒びょう07 江里口えりぐち匡史ただし

ソース：NHK ニュース