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なぜ?震災遺構が「グッドデザイン賞」受賞
2020-10-28 03:19:14

東日本大震災の津波で被災し、先月から震災遺構として公開されている宮城県山元町の中浜小学校が優れたデザインの建築物などに贈られる今年度の『グッドデザイン賞』に選ばれました。
『グッドデザイン賞』は、日本デザイン振興会がさまざまな分野で暮らしや社会を豊かにする優れたデザインや活動などを毎年、表彰しています。
今年度は、宮城県内から18件が選ばれ、先月26日から震災遺構として一般公開が始まった山元町の中浜小学校も受賞しました。




今年度は、宮城県内から18件が選ばれ、先月26日から震災遺構として一般公開が始まった山元町の中浜小学校も受賞しました。

平成元年に建てられた校舎は、住民の意見をもとに、敷地全体をおよそ2メートルかさ上げしたほか、避難用の外階段を設けるなど津波への対策が事前に取られていました。
震災では高さ10メートルを超える津波に襲われましたが、屋上の屋根裏倉庫に避難した児童や地域の住民など90人は全員助かりました。
震災では高さ10メートルを超える津波に襲われましたが、屋上の屋根裏倉庫に避難した児童や地域の住民など90人は全員助かりました。

震災遺構となった校舎は、津波の爪痕をありのままに伝えようとほぼ被災直後の状態で保存されていて、審査委員からは「津波の脅威を示すにとどまらない学びの機会を提供している」と評価されました。

中浜小学校には公開から1か月でおよそ4600人が訪れていて、町では今後、修学旅行を本格的に受け入れ、防災学習の場として活用していきたいとしています。
審査委員“この種の施設整備の ひとつのモデル提示」

日本デザイン振興会のホームページによりますと、中浜小学校への審査委員の評価は以下のとおりです。
「震災の記憶を後世に残すための施設としては、さまざまな点で他に類を見ない特徴を持っているといえよう。整備にあたって、役所や専門家や教員や住民の意見交換を重ねたという丁寧なプロセス、新たな条例によって震災文化財をそのまま見せることができるようにした制度的な発想、役所の各課が分掌を超えて協力したプロジェクトである点など、プロセスにおける柔軟な発想が出来上がった空間の質を格段に高めている。この種の施設を整備する際の、ひとつのモデルを提示したプロジェクトである」
「震災の記憶を後世に残すための施設としては、さまざまな点で他に類を見ない特徴を持っているといえよう。整備にあたって、役所や専門家や教員や住民の意見交換を重ねたという丁寧なプロセス、新たな条例によって震災文化財をそのまま見せることができるようにした制度的な発想、役所の各課が分掌を超えて協力したプロジェクトである点など、プロセスにおける柔軟な発想が出来上がった空間の質を格段に高めている。この種の施設を整備する際の、ひとつのモデルを提示したプロジェクトである」
ソース:NHK ニュース